Earth Compass

今日の地球・防災リスク総合レポート

2026年8月12日(水)08:00 JST版
公開情報確認:8月12日08:00頃

Earth Compassは地震予知ではありません。 気象庁・国土地理院・防災科研・NICTなど専門機関の公開データを統合し、現時点での防災上の注意度を整理するリスク評価です。「通常」は安全宣言ではなく、短期的な異常を示す確立した公式情報が確認されていない状態を意味します。

本日の総合判定

🟡 日本全国:注意

🔴 熊本・九州中部:高警戒

Earth Score:68 / 100
前日 68 → 本日 68(±0)
評価確度:高

本日はスコアを据え置きます。

最大の理由は、熊本の活動が減衰方向にある一方、気象庁が8月10日に改めて、M7.1で強く揺れた地域では今後1か月程度、最大震度5弱程度以上の地震に注意し、震度5強程度以上についても平常時より発生しやすい状態だと評価しているためです。8月10日10時までに、本震後の震度1以上は590回に達しています。Japan Meteorological Agency

さらに本日からは、地震そのものに加えて八代海沿岸の浸水・冠水リスクを重視します。熊本地震による沈降のため、八代市沿岸では約20cmの沈降が確認され、8月11~16日の大潮、特に13日前後の満潮時には浸水・冠水への注意が必要です。Japan Meteorological Agency

Earth Delta|前日からの変化

項目8/11 → 8/12判定
日本全国全国規模の新たな異常なし🟡 注意
熊本・九州中部活発な状態継続🔴 高警戒
八代海沿岸大潮+地震沈降による冠水リスク上昇🔴 高警戒
九州広域二次災害リスク継続🟠 警戒
日向灘新たな特段の変化なし🟡 注意
南海トラフ8/7公式評価を維持🟢 通常
東北・三陸沖余効変動を継続確認🟡 注意
首都圏最新GEONETで特段の変化なし🟢 通常
沖縄・八重山最新GEONETで特段の変化なし🟢 通常
電離圏・地磁気補助観測

1|熊本・九州中部

🔴 高警戒

気象庁の8月10日第8報では、地震発生数は増減しながら大局的には緩やかに減少しているものの、地震活動は依然として活発と評価されています。Japan Meteorological Agency

7月28日のM7.1以降、8月10日10時までに震度1以上は590回。日別では7月28日の194回から、8月7日7回、8日6回、9日12回へと大幅に減少しています。つまり「活動度の減衰」は明瞭ですが、「強い続発地震の可能性が通常レベルへ戻った」という意味ではありません。Japan Meteorological Agency

気象庁の現在の見通しは、

今後1か月程度 → 最大震度5弱程度以上に注意

さらに、

最大震度5強程度以上についても平常時より発生しやすい

です。Japan Meteorological Agency

したがってEarth Compassでは、本日も高警戒を維持します。


2|本日の重要更新:八代海沿岸

🔴 高警戒

「地震 × 地盤沈降 × 大潮」

今日から16日頃まで、熊本では地震とは別の二次災害に注意が必要です。

気象庁は、熊本地震による土地の沈降・液状化の影響で、8月11~16日の大潮時期に八代市周辺の沿岸で浸水・冠水のおそれがあると発表しています。Japan Meteorological Agency

衛星解析では八代市沿岸で約20cmの沈降が確認されています。Japan Meteorological Agency

特に8月13日前後の満潮時間帯を重視してください。

Earth Compassとしては、これは地震発生確率ではなく、

地震によって地形条件そのものが変わった結果、通常なら問題にならない潮位でも被害が起こりやすくなった

という非常に重要な二次災害リスクと評価します。


3|地殻変動

🟠 熊本:大規模変位+余効変動

昨日公表された国土地理院の**「令和8年7月の地殻変動」**は、本日の重要な新データです。

GEONETでは熊本県八代市の電子基準点「千丁」で、

北東方向 約87cm
沈降 約33cm

という大きな地殻変動が確認されました。さらに、地震後には余効変動と考えられる地殻変動も続いています。GSI Japan

「だいち2号」「だいち4号」のSAR解析では、日奈久断層帯北西側で、

最大約1mの東向き変動
最大約50cmの沈降

も確認されています。GSI Japan

重要なのは、これらは主としてM7.1で断層が動いた結果だということです。

大きな変位=次の大地震の前兆、ではありません。

今後は余効変動の速度・方向に新しい変化が現れるかを監視します。


4|南海トラフ

🟢 短期:通常

🔴 長期背景:高リスク

8月7日の最新公式評価を維持します。

気象庁の結論は、

南海トラフ沿いの大規模地震発生可能性が、平常時より相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない。

です。Japan Meteorological Agency

ただし、観測現象そのものは複数あります。

8月2日には日向灘でM5.3。四国西部では7月29日から深部低周波地震・微動が継続し、それと同期するわずかな地殻変動も観測されています。これらはプレート境界深部の短期的ゆっくりすべりに起因すると評価されています。Japan Meteorological Agency

また静岡県西部~愛知県東部では2022年初頭から長期的ゆっくりすべりが継続しています。Japan Meteorological Agency

しかし、これらはいずれも従来から繰り返し観測されてきた種類の現象であり、プレート境界の固着状態に特段の変化は認められていません。Japan Meteorological Agency

したがって、

🟢 南海トラフ:通常

を維持します。


5|日向灘

🟡 注意

8月2日のM5.3は深さ21km、フィリピン海プレート内部で発生した正断層型地震です。

気象庁は、この地震について南海トラフのプレート間固着状態の特段の変化を示すものではないと評価しています。Japan Meteorological Agency

警戒への引き上げは行いませんが、N-netによる海底観測を含め、九州東岸の独立監視項目として注意を維持します。


6|海底観測

🟢 新たな警戒材料なし

防災科研ではS-net、DONET、N-netなどの海底地震津波観測網が稼働しています。

特にN-netは高知県沖~日向灘の海底36地点で地震・津波を常時観測し、この海域の地震を最大約20秒、津波を最大約20分、従来より早く直接検知できる体制になっています。Disaster Management in Japan

現時点で、これら海底観測から南海トラフや日向灘の警戒判定を引き上げる公式評価は確認されていません。


7|東北・三陸沖

🟡 注意

昨日公表された国土地理院の最新月次GEONET解析では、

6月25日の岩手県沖地震に伴う地殻変動

に加えて、

4月20日の三陸沖M7.7後の余効変動

が岩手県を中心とした広い範囲で引き続き観測されています。GSI Japan

これは「新しい大地震の前兆」と評価されたものではありません。

しかし、大規模地震後のプレート・地殻応答が継続している地域として、Earth Compassでは注意を維持します。


8|首都圏

🟢 通常

国土地理院が8月10日に公表した最新の1か月GEONET解析では、

関東・中部地方:特段の変化は見られない

とされています。GSI Japan

したがって首都圏の短期判定は通常を維持します。

これは首都直下地震の長期リスクが低いという意味ではありません。短期的な異常を示す確立した観測情報がないという意味です。


9|沖縄・八重山

🟢 通常

石垣島・西表島・与那国島を含む沖縄地方についても、最新の国土地理院GEONET月次解析では、

「特段の変化は見られません」

とされています。GSI Japan

したがって本日は、

沖縄・八重山:🟢 通常

を維持します。

ただし八重山では海上・リーフ外からの避難に時間が必要です。強い揺れ、弱くても長い揺れ、急激な引き潮・異常な海面変化を感じた場合は、Earth Compassの判定に関係なく直ちに帰岸・高台避難を優先してください。


10|太陽活動・地磁気・電離圏

⚪ 補助観測

Earth Scoreへの加点:0

NICTは太陽フレア、太陽風、地磁気擾乱、電離圏嵐などをリアルタイム監視しています。Space Weather Forecast

ただしEarth Compassでは、ここを明確に線引きします。

太陽活動 → 地震
地磁気変動 → 地震
TEC異常 → 地震

という因果関係を利用して、地震の日時・場所・規模を実用的に予測する方法は科学的に確立されていません

NICTの宇宙天気情報自体も、地磁気・電離圏変動は太陽風、CME、下層大気など多くの要因を受けるとしています。Space Weather Forecast

したがって観測は継続しますが、地震警戒レベルへの加点は0です。


前日比較

指標8月11日8月12日
日本全国🟡 注意🟡 注意
熊本・九州中部🔴 高警戒🔴 高警戒
九州広域🟠 警戒🟠 警戒
八代海沿岸🔴 高警戒
日向灘🟡 注意🟡 注意
南海トラフ🟢 通常🟢 通常
東北・三陸沖🟡 注意🟡 注意
首都圏🟢 通常🟢 通常
沖縄・八重山🟢 通常🟢 通常
熊本余効変動継続監視GEONET最新月次評価で確認
Earth Score6868 →

🛡 今日の防災コメント

熊本では今日から「揺れ」だけでなく「水」を警戒してください。

八代市周辺では地震による約20cmの沈降と大潮が重なります。8月11~16日、特に明日13日前後の満潮時間帯は、沿岸低地・堤外地での復旧作業や車両駐車を避け、必要な場所では土のうなどを事前に準備してください。Japan Meteorological Agency

全国共通では、今日確認してほしいのは停電時の夜間避難です。玄関までの経路に転倒物がないか、ライト・靴・モバイルバッテリーをすぐ取れる位置に固定してください。

🌍 Earth Compass 総括

8月12日はEarth Score 68を維持します。全国規模で新たな短期異常は確認していませんが、熊本・九州中部は引き続き高警戒です。

そして今日最も重要な更新は、「熊本地震の影響が地震活動だけではなく、地形そのものの変化を通じて沿岸災害リスクへ波及している」ことです。

国土地理院の最新解析では熊本で最大約1m級の水平変位と大きな沈降、余効変動が確認されています。GSI Japan 一方、首都圏・沖縄地方では最新の月次GEONETで特段の変化は確認されていません。南海トラフについても、複数のゆっくりすべり現象は存在するものの、大規模地震の可能性が平常時より相対的に高まったと判断される特段の変化はないという8月7日の公式評価を維持します。Japan Meteorological Agency

気象庁「令和8年熊本地震」最新評価
気象庁「八代海沿岸の浸水・冠水への注意」
国土地理院「令和8年7月の地殻変動」
気象庁「南海トラフ地震関連情報」
NICT「宇宙天気予報」

Earth Compass
予知ではなく、確かな観測から。

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