Daily Earth Risk Report
2026年8月11日(火)08:00 JST版
公開情報確認:8月11日08:00頃
Earth Compassは地震予知ではありません。 気象庁・国土地理院・防災科研・NICTなどの専門機関が公開する観測・評価を統合し、現在の防災上の注意度を整理するリスク評価です。太陽活動・地磁気・電離圏など、地震予測への利用が科学的に確立していない指標は補助観測として扱い、地震警戒レベルの直接的な根拠にはしません。
本日の総合判定
🟡 日本全国:注意
🔴 熊本・九州中部:高警戒
Earth Score:68 / 100
前日 68 → 本日 68(±0)
評価確度:高
本日はEarth Scoreを据え置きます。
理由は、熊本の活動が大局的には減衰方向にある一方、気象庁が昨日8月10日に見通しを更新し、「今後1か月程度、最大震度5弱程度以上の地震に注意」としたことです。さらに最大震度5強程度以上についても、平常時より依然として発生しやすいとしています。Japan Meteorological Agency
また8月11日未明には、熊本県天草・芦北地方でM4.1、M3.7の地震が相次いで記録されており、一連の活動がまだ続いていることを確認できます。Japan Meteorological Agency Data
したがって、熊本・九州中部は本日も高警戒を維持します。
Earth Delta|前日からの変化
| 項目 | 8/10 → 8/11 | 本日判定 |
|---|---|---|
| 日本全国 | 新たな全国規模の異常なし | 🟡 注意 |
| 熊本・九州中部 | 気象庁が注意期間を1か月程度へ更新 | 🔴 高警戒 |
| 熊本周辺の地震 | 8/11未明にもM4級を観測 | 🔴 |
| 九州広域 | 活動域・二次災害リスク継続 | 🟠 警戒 |
| 日向灘 | 新たな特段の変化なし | 🟡 注意 |
| 南海トラフ | 8/7評価を維持 | 🟢 通常 |
| 首都圏 | 新たな短期異常評価なし | 🟢 通常 |
| 沖縄・八重山 | 新たな警戒材料なし | 🟢 通常 |
| 地殻変動 | 熊本の大規模変位後を監視 | 🟠 |
| 地磁気 | やや変動あり | ⚪ 補助観測 |
| 電離圏 | 概ね静穏 | ⚪ 補助観測 |
地域別 Earth Risk
| 地域 | 判定 | 前日比 | 主な根拠 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | → | 熊本を中心に継続監視 |
| 熊本・九州中部 | 🔴 高警戒 | → | 1か月程度、震度5弱以上に注意 |
| 九州広域 | 🟠 警戒 | → | 活動域の広さと二次災害 |
| 日向灘 | 🟡 注意 | → | 8/2 M5.3後を監視 |
| 南海トラフ | 🟢 通常 | → | 8/7評価で特段の変化なし |
| 東北・三陸沖 | 🟡 注意 | → | 既往の大地震後活動を監視 |
| 首都圏 | 🟢 通常 | → | 新たな短期異常評価なし |
| 沖縄・八重山 | 🟢 通常 | → | 新たな警戒情報なし |
1|熊本・九州中部
🔴 高警戒
本日最大の更新点です。
8月10日に気象庁は、今後の注意期間について、
「今後1か月程度、最大震度5弱程度以上の地震に注意」
としました。加えて、最大震度5強程度以上の地震も平常時より依然として発生しやすいとしています。活動域が広いため、震源位置と規模によっては7月28日のM7.1による揺れより強く揺れる場所が出る可能性も示されています。Japan Meteorological Agency
8月10日08時までの集計では、7月28日のM7.1以降、震度1以上を観測した地震は589回に達しました。
- 震度7:1回
- 震度5弱:5回
- 震度4:22回
- 震度3:57回
- 震度2:148回
- 震度1:356回
となっています。Japan Meteorological Agency
さらに8月11日02:47には天草・芦北地方でM4.1、03:12にはM3.7が発生しました。Japan Meteorological Agency Data
Earth Compass判断
ピークは越えている可能性が高い一方、活動終了とは評価できません。
特に今後は「回数が減ったか」だけでなく、
M4~5級の間欠的な再活発化
震源域の移動
既存断層周辺への活動拡大
を重点的に見ます。
2|熊本の地殻変動
🟠 顕著な変位後を監視
国土地理院は、電子基準点「千丁」で北東方向に約84cmの大きな変位を確認しています。GSI Japan
またSAR干渉解析では、日奈久断層帯北西部で最大約50cmの衛星方向への変動が観測されています。GSI Japan
これらは主として7月28日の断層運動によるものです。
大きな変位が確認された=次の大地震が近い、という意味ではありません。
今後注視すべきなのは、余効変動の速度や方向に新しい変化が加わるかです。
3|南海トラフ
🟢 短期:通常
🔴 長期背景:高リスク
8月7日の第108回評価検討会による最新評価を維持します。
気象庁の公式結論は、
南海トラフ沿いの大規模地震発生可能性が、平常時に比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない
というものです。Japan Meteorological Agency
一方で観測現象そのものはあります。
8月2日に日向灘でM5.3が発生しました。また、
- 四国中部:7/16~23
- 紀伊半島西部:7/20~23
- 四国西部:7/29から継続
の深部低周波地震・微動が観測され、それと同期するわずかな地殻変動も確認されています。Japan Meteorological Agency
気象庁はこれらを従来から繰り返し観測されるゆっくりすべり現象として評価し、プレート間固着状態の特段の変化とはしていません。Japan Meteorological Agency
したがって、
南海トラフ:🟢 通常を維持
です。
ただし「通常」は安全宣言ではありません。気象庁は南海トラフM8~9級地震について、平常時から長期的な切迫性が高い状態としています。Japan Meteorological Agency
4|日向灘
🟡 注意
8月2日のM5.3は、フィリピン海プレート内部で発生した正断層型地震です。
気象庁は、この地震の規模から南海トラフのプレート間固着状態の特段の変化を示すものではないと評価しています。Japan Meteorological Agency
したがって警戒へは引き上げず、独立監視項目として注意を継続します。
5|海底観測
🟢 新たな警戒材料なし
日本周辺ではS-net、DONET、N-netなどの海底地震津波観測網が運用されています。
特にN-netは高知県沖から日向灘をカバーし、海底地震・津波の直接観測を担います。内閣府資料では、N-netにより地震動を最大約20秒、津波を最大約20分早く検知できる可能性が示されています。Disaster Prevention Japan
現時点では、海底観測を理由に南海トラフや日向灘の短期判定を引き上げる公式評価は出ていません。Japan Meteorological Agency
6|首都圏
🟢 通常
本日朝までに、首都圏について短期的なリスク上昇を示す新たな専門機関の総合評価は確認していません。
引き続き、
茨城県南部
千葉県北西部
神奈川県西部
相模トラフ
伊豆・小笠原
を監視します。
なお首都圏の「通常」は、首都直下地震の長期リスクが低いという意味ではなく、短期的な異常を示す確立した公式情報が現在出ていないという意味です。
7|沖縄・八重山
🟢 通常
石垣島・西表島・与那国島周辺について、本日朝までに判定を引き上げる新たな地震・津波関連の公式情報は確認していません。
石垣島地方気象台の最新ページでも、八重山について新たな地震警戒情報は掲示されていません。Japan Meteorological Agency Data
したがって、
沖縄・八重山:🟢 通常
を維持します。
ただしリーフ外・船上では、強い揺れ、弱くても長い揺れ、急激な引き潮、異常な海面変化があった場合、公式情報を待たず帰岸・高台避難を優先してください。
8|太陽活動・地磁気・電離圏
⚪ 補助観測
Earth Scoreへの加点:0
NICTの最新情報では、直近の地磁気活動にやや変動があり、今後もやや活発な状態が見込まれる情報が出ています。一方、日本上空のF領域臨界周波数およびTECは概ね静穏とされています。Space Weather Forecast
これらは、
- GNSS測位
- 衛星通信
- 短波通信
- 電離圏環境
の評価には重要です。
しかし、
地磁気・太陽活動・TEC変化から地震の日時・場所・規模を実用的に予測する方法は確立されていません。
したがってEarth Compassでは、本日も地震警戒レベルへの加点は0です。
前日比較
| 指標 | 8月10日 | 8月11日 |
|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | 🟡 注意 |
| 熊本・九州中部 | 🔴 高警戒 | 🔴 高警戒 |
| 九州広域 | 🟠 警戒 | 🟠 警戒 |
| 日向灘 | 🟡 注意 | 🟡 注意 |
| 南海トラフ | 🟢 通常 | 🟢 通常 |
| 首都圏 | 🟢 通常 | 🟢 通常 |
| 沖縄・八重山 | 🟢 通常 | 🟢 通常 |
| 熊本公式見通し | 1週間程度の注意を中心に評価 | 1か月程度、震度5弱以上に注意 |
| 熊本の活動 | 減衰方向 | M4級を含め継続 |
| 地磁気 | 静穏~変動 | やや変動 |
| 電離圏 | 補助観測 | 概ね静穏 |
| Earth Score | 68 | 68 → |
🛡 今日の防災コメント
熊本・九州中部
本日から防災上の考え方を少し変える必要があります。
これまでの「数日~1週間程度の強い続発地震への警戒」から、「今後1か月程度は震度5弱程度以上を想定して生活する」フェーズに入ったと考えるのが適切です。Japan Meteorological Agency
避難生活や復旧作業が長期化すると、警戒疲れが起こります。そこで、
寝室の安全
玄関までの避難経路
モバイルバッテリー
飲料水
常用薬
の5点だけは、毎晩同じ場所に固定してください。
全国共通
今日確認したいのは**「地震後に家から出られるか」**です。
家具が倒れて玄関や廊下を塞がないか、寝室から出口まで裸足で歩かずに済むか、ライトがすぐ手に取れるか。この3点を確認してください。
🌍 Earth Compass 総括
8月11日はEarth Score 68を維持します。全国規模で新たな異常は確認していませんが、熊本では重要な公式評価更新がありました。
最大のポイントは、気象庁が昨日、
「今後1か月程度、最大震度5弱程度以上に注意」
としたことです。さらに震度5強程度以上についても平常時より依然発生しやすい状態です。Japan Meteorological Agency
南海トラフでは日向灘M5.3、深部低周波地震、ゆっくりすべりなど実際の変化は観測されていますが、8月7日の総合評価では大規模地震発生可能性が平常時より相対的に高まったと判断される特段の変化はありません。 Japan Meteorological Agency
したがって本日は、
🔴 熊本・九州中部:高警戒
🟠 九州広域:警戒
🟡 日本全国・日向灘・東北三陸:注意
🟢 南海トラフ・首都圏・沖縄八重山:通常
と評価します。
世界の主な地震(直近1か月)
| 日付 | 地域 | 規模(M) | 概要 |
|---|---|---|---|
| 8月10日 | 🇨🇴 コロンビア西部 | 7.4 | 今月最大級。多数の建物が倒壊し100人以上が死亡。広範囲で甚大な被害。 AP News |
| 8月2日 | 🇯🇵 日向灘(日本) | 5.3 | フィリピン海プレート内部で発生。気象庁は南海トラフとの直接的な異常は確認されていないと評価。 USGS 地震危険プログラム |
| 7月28日以降 | 🇯🇵 熊本県 | M7.1本震+多数の余震 | 震度7を観測。余震活動が現在も継続しており、日本で最も注目される地震活動。 USGS 地震危険プログラム |
| 7月17日 | 🇲🇽 メキシコ・グアテマラ国境 | 7.3 | 広範囲で強い揺れを観測。大規模被害は免れたが津波注意報や多数の余震が発生。 AP News |
| 7月下旬 | 🇷🇺 カムチャツカ沖 | 6クラス | プレート境界で活動継続。大きな被害なし。 BGS Earthquake Seismology |
| 7月下旬 | 🇮🇹 ナポリ周辺 | 4~5クラス | 火山地域特有の群発活動が続く。 ボルカノディスカバリー |
🌎 プレート別の活動状況
🔴 環太平洋火山帯(Ring of Fire)
もっとも活動が目立っています。
- 熊本
- 日向灘
- メキシコ
- コロンビア
- カムチャツカ
いずれも太平洋プレート・フィリピン海プレート・ココスプレート・ナスカプレートなどの境界で発生しています。アメリカ地質調査所
🟡 南米
最も注目すべき地域です。
コロンビアのM7.4は、今月世界で最も被害の大きい地震となりました。
深さ約100km前後の比較的深い震源でしたが、それでも大都市に大きな被害を与えました。AP News
🟠 日本
日本は現在、
- 熊本余震
- 日向灘
- 東北沖
の監視が中心です。
一方で、
気象庁は南海トラフについて「特段の変化なし」
という評価を維持しています。
地震活動の傾向
この1か月を見ると、
✅ M7クラスが複数回発生
- 熊本
- メキシコ
- コロンビア
となっています。
ただし、
これは世界全体として異常に多いとまでは言えません。
USGSでもM7クラスは年間10~20回程度発生するのが一般的です。アメリカ地質調査所
Earth Compass
予知ではなく、確かな観測から。


コメントを残す