Daily Earth Risk Report
2026年8月5日(水)08:00 JST版
主要データ基準:8月4日15~16時公表分/宇宙天気は8月5日朝確認
本レポートは地震予知ではありません。
専門機関の観測結果と公式評価を統合し、現時点の防災上の注意度を相対的に整理したリスク評価です。「通常」は安全宣言や地震が起きないという意味ではありません。
本日の総合判定
🟡 日本全国:注意
🔴 熊本・九州中部:高警戒
Earth Score:72 / 100
前日:74 → 本日:72(−2)
評価確度:高
熊本の地震活動は、大局的には緩やかに減少しています。しかし気象庁は、活動が依然として活発であり、今後1週間程度は最大震度5強程度以上の地震に注意する必要があると評価しています。最大震度6弱程度以上の地震についても、平常時より発生しやすい状態が続いています。Japan Meteorological Agency
したがって、前日の早朝に発生した震度4を受けた上昇分を小幅に戻しますが、熊本・九州中部の「高警戒」は維持します。
※Earth ScoreはEarth Compass独自の比較指標であり、公的機関の公式指数ではありません。
Earth Delta|前日からの変化
| 項目 | 前日からの変化 | 本日判定 |
|---|---|---|
| 熊本・九州中部 | 大局的には減少傾向だが、活動は依然活発 | 🔴 高警戒 |
| 熊本の公式見通し | 今後1週間、震度5強程度以上に注意 | 🔴 |
| 日本全国 | 熊本以外に広域判定を引き上げる新情報なし | 🟡 注意 |
| 南海トラフ | 新たな臨時情報なし | 🟢 通常 |
| 首都圏 | 短期異常を示す公式評価なし | 🟢 通常 |
| 沖縄・八重山 | 新たな警戒引き上げ材料なし | 🟢 通常 |
| 地殻変動 | 熊本で大規模な地震時変動を確認済み | 🔴 顕著 |
| 海底観測 | 新たな広域警戒情報なし | 🟢 |
| 地磁気 | 静穏、今後も静穏予想 | 🟢 |
| 電離圏 | 乱れた状態 | ⚪ 地震判定には不使用 |
地域別リスク評価
| 地域 | 判定 | 前日比 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | → | 熊本の活発な地震活動を全国的に注視 |
| 熊本・九州中部 | 🔴 高警戒 | → | 震度5強以上への公式注意期間が継続 |
| 九州広域 | 🟠 警戒 | → | 活動域が熊本地方~天草・芦北地方に及ぶ |
| 東北・三陸沖 | 🟡 注意 | → | 既往の大地震後活動を継続監視 |
| 南海トラフ | 🟢 通常 | → | 平常時より相対的に高まった特段の変化なし |
| 首都圏 | 🟢 通常 | → | 新たな短期異常の公式評価なし |
| 沖縄・八重山 | 🟢 通常 | → | 警戒を引き上げる新規公的情報なし |
1.熊本・九州中部
🔴 高警戒を維持
気象庁が8月4日15時時点で精査した集計では、7月28日のM7.1発生後、活動域内で震度1以上を観測した地震は521回です。
内訳は次のとおりです。
| 最大震度 | 回数 |
|---|---|
| 震度7 | 1回 |
| 震度5弱 | 5回 |
| 震度4 | 19回 |
| 震度3 | 54回 |
| 震度2 | 138回 |
| 震度1 | 304回 |
| 合計 | 521回 |
気象庁は、発生数が増減を繰り返しながら大局的には緩やかに減少している一方、地震活動は依然として活発としています。集計値は後日の精査で変更される場合があります。Japan Meteorological Agency
本日の重要ポイント
気象庁は今後1週間程度について、
- 最大震度5強程度以上の地震に注意
- 最大震度6弱程度以上も平常時より発生しやすい
- 活動域が広いため、位置によっては本震時より強く揺れる地域が生じ得る
- 海底で規模の大きな地震が起きた場合は津波にも注意
としています。Japan Meteorological Agency
「本震から1週間が過ぎたので安全」という段階ではありません。
特に、すでに損傷した家屋、石垣、ブロック塀、崖、盛土では、震度3~4程度でも被害が拡大する可能性があります。
2.地殻変動|GEONET・衛星SAR
🔴 熊本周辺で顕著
国土地理院の「だいち2号」「だいち4号」による2.5次元SAR解析では、日奈久断層帯北西部で、
- 最大約1mの東向き変動
- 最大約50cmの沈降
が推定されています。断層近傍では変動が複雑で、正確に計測できない部分もあり、解析結果は今後更新される可能性があります。GSI Japan
解釈
これらは主として、7月28日に発生した断層運動の結果です。
大きな変動が確認されたことは、断層の滑り量や被災範囲を把握する上で重要ですが、これ自体を「次の大地震の前兆」と解釈することはできません。
今後は、余効変動の方向や速度に明確な変化があるかを、国土地理院などの解析で継続確認します。
3.南海トラフ
🟢 短期判定:通常
🔴 長期背景:切迫性が高い
気象庁の最新定例評価は7月7日付です。南海トラフ沿いでは、平常時より大規模地震の発生可能性が相対的に高まったと判断される特段の変化は観測されていません。プレート境界深部の微動やゆっくりすべりは、従来から繰り返し観測されてきた現象の範囲と評価されています。Japan Meteorological Agency
8月5日朝時点で、新たな南海トラフ地震臨時情報は掲載されていません。Japan Meteorological Agency
ただし、南海トラフは平常時から長期的な切迫性が高い状態です。「通常」は、臨時のリスク上昇が確認されていないという意味であり、発生可能性が低いという意味ではありません。
4.首都圏
🟢 通常
熊本の地震活動によって、首都圏の短期的な地震発生リスクが上昇したとする公的評価は確認されていません。
熊本の活動とは分けて、次を継続監視します。
- 茨城県南部・千葉県北西部
- 相模トラフ周辺
- 伊豆・小笠原周辺
- 首都圏周辺の非定常地殻変動
現時点で、前日から判定を変更する確立した根拠はありません。
5.沖縄・八重山
🟢 通常
石垣島、西表島、与那国島周辺について、短期判定を引き上げる新たな地震・地殻変動・津波関連の公式情報は確認されていません。
八重山では5月に西表島付近でまとまった地震活動がありましたが、現在の短期判定を引き上げる新たな公的評価は出ていません。熊本の活動を理由に八重山のリスクを機械的に引き上げる科学的根拠もありません。
海上・リーフ外での行動基準
判定が「通常」であっても、米原ビーチのリーフ外、船上、港で次のいずれかを認めた場合は、情報確認より先に帰岸・避難してください。
- 強い揺れ
- 弱くても長く続く揺れ
- 急激な引き潮や異常な海面変化
- 津波警報・注意報
リーフ外では岸に戻るまで時間を要するため、揺れを感じた段階で帰岸を開始する基準を同行者と共有しておくことが重要です。
6.東北・三陸沖
🟡 注意
東北・三陸沖は、既往の大規模地震後の地震活動と余効変動を継続して監視します。
本日の「注意」は熊本との連動を意味するものではありません。地域固有の活動履歴と、海溝型地震の長期的背景リスクを考慮した定点評価です。
新たに「警戒」へ引き上げる公式情報は確認されていません。
7.海底観測
🟢 新たな広域警戒情報なし
S-net、DONET、N-net、海底地殻変動観測GNSS-Aは、日本海溝、南海トラフ、日向灘周辺などの海溝型地震・津波監視に重要です。
現時点で、海底観測を根拠として、
- 南海トラフ
- 日向灘
- 琉球海溝
- 日本海溝
の短期判定を引き上げる公式情報は確認されていません。
Earth Compassでは、個別観測点の一時的な波形変化を独自に「地震前兆」と認定せず、気象庁、防災科研、海上保安庁などの総合解析を優先します。
8.太陽活動・地磁気
地磁気:🟢 静穏
地震リスクへの加点:なし
NICTの最新表示では、地磁気活動は静穏で、今後数日間も静穏な状態が予想されています。前日に確認されていた地磁気嵐の影響は、少なくとも最新の予報上では弱まっています。Space Weather Forecast
宇宙天気は、
- GNSS測位精度
- 短波通信
- 衛星運用
- 電離圏観測
に影響することがあります。
しかし、太陽活動や地磁気変動を用いて地震の日時・場所・規模を予測する方法は、科学的に確立されていません。そのため、Earth Scoreの地震項目には加点しません。
9.電離圏・TEC
⚪ 乱れた状態
地震リスク指標としては未確立
NICTの最新表示では、電離圏は乱れた状態です。Space Weather Forecast
ただし、電離圏やTECは次の影響でも変動します。
- 太陽放射・太陽フレア
- 地磁気擾乱
- 大気波動
- 季節・時刻
- 赤道電離異常
- 気象現象
地震前後のTEC変化を扱う研究はありますが、発生日時・震源・規模を再現性高く予測する実用的手法は確立されていません。
電離圏の乱れは観測情報として記録しますが、単独では地震の警戒レベルを変更しません。
前日との比較
| 指標 | 8月4日 | 8月5日 |
|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | 🟡 注意 |
| 熊本・九州中部 | 🔴 高警戒 | 🔴 高警戒 |
| 九州広域 | 🟠 警戒 | 🟠 警戒 |
| 南海トラフ | 🟢 通常 | 🟢 通常 |
| 首都圏 | 🟢 通常 | 🟢 通常 |
| 沖縄・八重山 | 🟢 通常 | 🟢 通常 |
| 熊本の活動評価 | 震度4が再発 | 大局的には減少、依然活発 |
| 地磁気 | 地磁気嵐の影響 | 静穏 |
| 電離圏 | 乱れを予想 | 乱れた状態 |
| Earth Score | 74 | 72 |
今日の防災コメント
熊本・九州中部
気象庁が「今後1週間程度、最大震度5強程度以上に注意」としている期間です。
- 損傷した家屋・外壁・瓦・ブロック塀に近づかない
- 崖、石垣、亀裂のある斜面から距離を取る
- 復旧作業中も出口と退避場所を確保する
- 家具やガラスの近くで就寝しない
- 靴、ライト、スマートフォンを枕元に置く
- 降雨時は土砂災害への警戒を一段引き上げる
- 避難生活では熱中症、脱水、血栓症、常用薬不足に注意する
全国共通
今日は、自宅の危険箇所を一つだけ改善する日にしてください。
家具を一台固定する、寝室から落下物を一つ除く、携帯トイレを補充するなど、小さな対策でも実際の被害を減らせます。
Earth Compass総括
熊本の地震回数は大局的には減少していますが、活動は依然として活発です。気象庁が今後1週間、震度5強程度以上への注意を求めているため、熊本・九州中部は「高警戒」を維持します。
- 日本全国:🟡 注意
- 熊本・九州中部:🔴 高警戒
- 九州広域:🟠 警戒
- 東北・三陸沖:🟡 注意
- 南海トラフ:🟢 通常
- 首都圏:🟢 通常
- 沖縄・八重山:🟢 通常
- 地磁気:静穏
- 電離圏:乱れた状態だが地震判定には不使用
本日最も重視すべきなのは、気象庁が示す熊本の公式見通し、実際の有感地震活動、国土地理院が確認した断層運動に伴う大規模地殻変動です。
Earth Compass
予知ではなく、確かな観測から。


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