Earth Compass|2026年10月29日

日本列島の地震活動や宇宙天気に関する最新リスクレポート。千葉県北東部のM5.5地震を速報でお届け。

日本列島・地震活動・地殻変動・宇宙天気 統合リスクレポート

OBSERVE · ANALYZE · PREPARE — For a Safer Tomorrow

発行日:2026年10月29日(木)
観測基準:日本時間08:00
対象:日本全国・首都圏・南海トラフ・沖縄・八重山・環太平洋地域

※本レポートは日本時間8時時点の情報に基づいています。8時以降の地震情報は気象庁の最新情報で確認してください。


【本日の最重要情報】

🔴 千葉県北東部で最大震度5弱の地震

気象庁が今後1週間程度の地震活動への注意を呼びかけ

本日10月29日00時07分、千葉県北東部でM5.5の地震が発生しました。

気象庁が02時10分に公表した資料では、速報値M5.4からM5.5(暫定値)へ修正されています。

震源の深さは52kmです。

千葉県横芝光町で最大震度5弱を観測し、東北地方から伊豆諸島にかけて広い範囲で揺れが観測されました。

観測項目気象庁発表
発生日時10月29日00時07分
震源千葉県北東部
マグニチュードM5.5(暫定値)
深さ52km
最大震度5弱
最大震度観測地点千葉県横芝光町
発震機構逆断層型
プレート境界太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界
長周期地震動千葉県北東部で階級1
津波心配なし

気象庁は、今回の地震について、揺れの強かった地域では今後1週間程度、最大震度5弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。

特に、発生から2〜3日程度は規模の大きな地震が発生することが多いと説明しています。

過去の大地震後に同程度の地震が発生した事例は1〜2割程度ありますが、これは今回の地震について同じ確率が算出されたという意味ではありません。

今回の地震による津波の心配はありません。ただし、強い揺れを観測した地域では、建物の損傷、落下物、崖崩れなどに注意が必要です。


本日のEarth Compass総合評価

🟡 全国総合判定:注意

前日比:→ 全国判定維持/首都圏は監視・防災対応を強化

首都圏・千葉県北東部:🟠 警戒 ↑

今回の震度5弱を受け、Earth Compassでは千葉県北東部を「注意」から「警戒」に引き上げます。

これは気象庁が発表した今後の地震活動への注意喚起と、実際に発生した強い揺れによる二次災害への備えを重視した判断です。

日本全国の総合判定は「注意」を維持します。

全国で同時に地震活動が異常に活発化したことを示す資料はなく、千葉県北東部の地震を全国の巨大地震発生確率の上昇と結びつける根拠もありません。

なお、Earth Compassの判定は独自の観測・防災対応優先度です。気象庁の警戒レベルや地震発生確率ではありません。


1.直近24時間の国内地震活動

🟡 全国:注意 → 判定維持

集計期間:日本時間10月28日8時00分〜29日8時00分

公開された震源・震度情報を照合した結果、今回の対象期間では震度1以上の地震を少なくとも9回確認しました。

前日の同じ時間帯では7回でした。

指標10月29日10月28日変化
国内有感地震9回以上・暫定7回↑
最大マグニチュードM5.5M4.6↑
最大震度5弱3↑
M4以上の有感地震2回2回→
全国総合判定🟡 注意🟡 注意→
首都圏・千葉県北東部🟠 警戒🟡 注意↑

※本日の件数は確認できた公開履歴による暫定集計です。地震の追加発表や速報値の訂正によって変わる場合があります。

確認できた有感地震

発生日時震源地M深さ最大震度
10/28 14:28奄美大島近海3.5約40km1
10/28 17:17熊本県天草・芦北地方2.7約10km1
10/28 23:54熊本県天草・芦北地方3.0約10km1
10/29 00:07千葉県北東部5.552km5弱
10/29 00:50紀伊水道2.5約10km1
10/29 01:04熊本県天草・芦北地方2.4約10km1
10/29 02:45茨城県北部3.1約10km1
10/29 03:32千葉県北東部4.4約50km2
10/29 05:22千葉県北東部3.5約50km1

千葉県北東部M5.5は気象庁の暫定値を採用し、その他は公開された速報値を使用しています。

本日の注目点

本日は、千葉県北東部の地震活動が最も重要な変化です。

00時07分のM5.5に続いて、03時32分にはM4.4、05時22分にはM3.5が発生しています。

気象庁が02時10分に公表した資料には、01時40分まで震度1以上の後続地震がなかったと記載されていますが、その後に新たな地震が発生しています。

本レポートでは、後続のM4.4とM3.5も反映しています。

一方、福島県沖では、前日にM4級の地震が2回発生していましたが、今回の対象期間に新たなM4以上の有感地震は確認できませんでした。

熊本県天草・芦北地方では、小規模な有感地震が引き続き観測されています。

全国の有感地震回数の増減だけでは、大地震の発生可能性の変化を判断できません。


2.全国・地域別リスク評価

地域本日判定前日比評価の根拠
日本全国🟡 注意→千葉県北東部で震度5弱
千葉県北東部🟠 警戒↑M5.5発生。気象庁が今後1週間の注意を呼びかけ
首都圏・関東🟡 注意↑千葉の地震による広域の揺れ
茨城県北部🟡 注意↑10/29 M3.1を観測
福島県沖🟡 注意→10/27〜28のM4級地震を経過監視
岩手県沖・三陸沖🟡 注意→既知の地震活動と余効変動
北海道東部🟡 注意→過去の海溝型地震活動を継続監視
石川県能登地方🟡 注意→既知の地震活動を継続監視
紀伊水道🟢 通常↓M2.5。短期判定を引き上げる根拠なし
日向灘・宮崎県沖🟡 注意→10/25 M5.3後の経過監視
南海トラフ🟢 通常※→10/7の公式評価を維持
熊本県熊本地方🟡 注意→熊本地震後の余効変動
熊本県天草・芦北地方🟡 注意→小規模な有感地震が継続
奄美大島近海🟢 通常↓10/28 M3.5。顕著な活動拡大は未確認
沖縄本島・宮古島🟢 通常→新たな顕著な有感地震なし
石垣島・西表島・与那国島🟡 注意→9/30与那国島近海M6.0後の経過監視
小笠原諸島西方沖🟡 注意→10/25 M7.0後の経過監視

※前日比の矢印は監視優先度の変化を示します(↑=注視を強める、→=変化なし、↓=注視を弱める)。地震発生確率の上昇・低下を示すものではありません。

※南海トラフの「通常」は、最新の公式評価に基づく平常時からの変化の判定です。巨大地震の長期的な発生可能性が低いという意味ではありません。

なお、冒頭の赤い速報表示はニュースの重要性を示すもので、Earth Compassの「高警戒」判定ではありません。

4段階判定の運用

判定意味
🟢 通常新たな顕著な異常が確認されていない
🟡 注意既知の活動や新しい観測事象について経過監視を優先
🟠 警戒強い揺れの発生や公式の注意喚起を受け、防災対応を強化
🔴 高警戒重大な災害が発生し、公式情報に基づく緊急の避難・安全確保が必要

この分類は防災対応上の優先度であり、地震が発生する確率を4段階に分けたものではありません。


3.首都圏・千葉県北東部

🟠 警戒 ↑【本日の最重点監視】

M5.5の発震機構

気象庁によると、今回の地震は太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生しました。

発震機構は、西北西―東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型です。

これはプレート境界付近に作用する圧縮力によって、断層がずれるタイプの地震です。

ただし、今回の地震だけから首都直下地震全体の発生確率が上昇したと判断することはできません。

その後の地震活動

10月29日03時32分には、同じ千葉県北東部でM4.4、最大震度2の地震が発生しました。

さらに05時22分にはM3.5、最大震度1の地震が確認されています。

いずれも速報値では深さ約50kmとされ、震央も00時07分の地震に近い位置です。

これらは今回のM5.5に関連する後続活動として注目されます。ただし、厳密な断層面の一致や相互関係は詳細な震源解析による確認が必要です。

10月の千葉県周辺の地震

10月には千葉県周辺で複数のM4〜5級地震が発生しています。

特に10月8日には千葉県北東部でM4.8、最大震度4の地震がありました。

今回のM5.5は、それを上回る規模です。

ただし、10月に発生した複数の地震がすべて同じ断層面の活動に属するとは限りません。

震源の深さ、発震機構、断層面の位置などを比較する必要があります。

Earth Compassの判断

千葉県北東部を「警戒」に引き上げます。

根拠は、震度5弱の実際の発生、後続の地震活動、気象庁による今後1週間程度の注意喚起です。

今回の「警戒」は、より大きな地震が必ず発生するという予測ではありません。

建物や設備の安全確認、落下物対策、避難経路の確認を強化すべき状況という意味です。


4.東北・北海道・九州の地震活動

福島県沖・東北太平洋側

🟡 注意 → 横ばい

福島県沖では、10月27日にM4.6、28日にM4.0の有感地震が発生しました。

今回の対象期間には、新たなM4以上の有感地震を確認していません。

一方、国土地理院の月次GNSS解析では、東北地方で2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動が続いています。

2026年4月20日の三陸沖地震、6月25日の岩手県沖地震後の余効変動も観測されています。

ただし、今回の千葉県北東部M5.5との直接的な関連性を示す資料はありません。

東北太平洋側は「注意・横ばい」を維持します。

熊本県天草・芦北地方

🟡 注意 → 横ばい

10月28日17時17分にM2.7、23時54分にM3.0、10月29日01時04分にはM2.4の地震が発生しました。

01時04分の地震は深さ約10km、最大震度1で、芦北町と津奈木町で揺れが観測されています。

これらは比較的小規模ですが、有感地震が継続していることは観測上の注目点です。

また、国土地理院の解析では、2026年7月28日の令和8年熊本地震後の余効変動が続いています。

ただし、小規模地震の継続と余効変動だけで、新たな大地震の発生時期を判断することはできません。

熊本県天草・芦北地方は「注意・横ばい」を維持します。

奄美大島近海

🟢 通常 → 横ばい

10月28日14時28分、奄美大島近海でM3.5、深さ約40km、最大震度1の地震が発生しました。

今回の地震だけでは、奄美周辺の地震活動全体が顕著に活発化したと判断できません。

短期判定は「通常」を維持します。


5.南海トラフ

🟢 通常 → 公式評価を維持

最新の気象庁評価

10月29日朝に確認できた最新の定例評価は、2026年10月7日に公表された第110回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会の結果です。

この評価では、南海トラフ沿いの大規模地震について、平常時より発生可能性が相対的に高まったと判断できる特段の変化は確認されていません。

ゆっくりすべりと深部低周波地震

10月7日の公式評価では、四国西部と東海地方などで深部低周波地震が観測されています。

これらとほぼ同期して、ひずみ計や傾斜計にわずかな地殻変動が確認されています。

また、静岡県西部から愛知県東部では、2022年初頭から長期的ゆっくりすべりに関連する地殻変動が継続しています。

気象庁は、これらの現象を従来から繰り返し観測されてきたものと評価しています。

直近の地震との関係

10月25日には日向灘でM5.3、10月29日00時50分には紀伊水道でM2.5の地震が発生しました。

紀伊水道の地震は深さ約10km、最大震度1で、和歌山県有田市で揺れを観測しました。

これらの地震が南海トラフのプレート境界の固着状態を変化させたと判断する根拠はありません。

また、今回の千葉県北東部M5.5を、南海トラフ巨大地震の前兆と結びつける根拠もありません。

Earth Compassの判断

南海トラフは、公式評価に基づく「通常」を維持します。

ただし、10月7日の評価は、その後に発生した地震を含めた新たな総合解析ではありません。

「平常時からの特段の変化なし」は安全宣言ではなく、長期的な巨大地震リスクへの備えは引き続き必要です。


6.沖縄・八重山

🟡 石垣島・西表島・与那国島:注意 → 横ばい

直近24時間の地震活動

10月28日08時から29日08時までに確認できた有感地震履歴では、石垣島・西表島・与那国島周辺で新たな震度1以上の地震は確認されていません。

一方、9月30日には与那国島近海でM6.0、最大震度3の地震が発生しています。

その後の経過観測を継続します。

八重山の地殻変動

国土地理院の最新全国月次解析は、2026年8月中旬から9月中旬までを対象としています。

この期間、沖縄地方では特段の変化は報告されていません。

ただし、9月30日の与那国島近海M6.0より前の観測結果です。

したがって、与那国島近海M6.0に伴う地殻変動がなかったと結論づけることはできません。

石垣島・西表島・与那国島の評価

今回の公開資料から、新たな顕著な地震活動の拡大は確認されていません。

ただし、震度1未満の微小地震を含む最新の震源分布を定量解析していないため、地震活動全体の増減は判断を保留します。

八重山は「注意・横ばい」を維持します。

これは過去の地震後の経過観測を優先するという意味であり、巨大地震の短期発生確率が上昇したという判断ではありません。

八重山の防災コメント

石垣島や西表島、与那国島では、地震の揺れだけでなく津波への備えが重要です。

特に海岸、港、船舶、釣り場、シュノーケリングポイントなどでは、緊急時の避難方法を事前に確認しておく必要があります。

強い揺れ、または弱くても長くゆっくりとした揺れを感じた場合には、津波警報を待たずに海岸から離れ、高台などへ避難してください。

沖釣りやマリンツアーでは、船長・ガイドの指示と海上保安庁、気象庁の最新情報を優先してください。


7.地殻変動(GNSS)

🟡 継続監視【新しい日次解析は未確認】

国土地理院が10月8日に公表した「令和8年9月の地殻変動」が、今回確認できた最新の全国月次解析です。

主な観測結果

地域観測結果
北海道三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動
東北2011年および2026年の大地震後の余効変動
関東・中部対象期間中、特段の変化なし
近畿・中国・四国熊本地震後の余効変動
九州熊本地震後の余効変動
沖縄対象期間中、特段の変化なし
静岡県西部〜愛知県東部長期的ゆっくりすべりに関連する変動

また、硫黄島では隆起が継続しています。

千葉県北東部M5.5との関係

今回のM5.5に伴う地殻変動については、最新のGNSS解析値を確認できていません。

そのため、今回の地震によって地表にどの程度の変位が生じたかについては判断を保留します。

M5.5という規模だけから、地表の変位量を推定して掲載することはしません。

昨日からの変化

地殻変動の厳密な前日比は評価できません。

使用できた全国月次解析が前日と同じ資料であり、10月28日から29日までの日次変位量を定量解析していないためです。


8.海底観測・津波観測

🟡 観測品質上の注意

N-net・DONET・S-net

防災科学技術研究所は、日本周辺の海底で複数の地震・津波観測網を運用しています。

観測網主な対象海域役割
S-net日本海溝・千島海溝周辺地震・津波の海底観測
DONET熊野灘・紀伊水道沖南海トラフ周辺の地震・津波観測
N-net高知県沖〜日向灘地震・津波の早期検知

N-netについては、2026年3月12日から沿岸システムの地震観測データが緊急地震速報に活用されています。

これは地震発生後の揺れを迅速に検知するための仕組みであり、地震の予知ではありません。

DONETの観測休止情報

防災科学技術研究所の公開ページでは、DONET1の11点、DONET2の3点、合計14観測点が休止中と掲載されています。

ただし、掲載情報の更新日は2026年5月11日です。

10月29日現在も同じ14点が休止中であることを、独立に確認できたわけではありません。

南鳥島の遠地津波観測計

気象庁は10月7日、南鳥島の遠地津波観測計に障害が発生したことを公表しています。

障害は10月4日18時50分頃から発生していました。

気象庁によると、津波警報等の第1報は地震計データをもとに発表するため、今回の障害による影響はありません。

海外の津波観測点を活用して実況監視を補完するとしています。

今回の確認では復旧を明示する新たな発表を確認できませんでしたが、障害が現在も続いていると断定することはできません。

Earth Compassの判断

海底観測については、観測機器の稼働状況を含めた品質監視を継続します。

今回のレポートでは、海底地震計や水圧計の最新連続データを独自に定量解析できていません。

したがって、新たな海底地殻変動の有無については判断を保留します。


9.電離圏・太陽活動・地磁気

🔵 参考監視【地震活動との直接的な関連は認められず】

NOAA最新地磁気予測

NOAA Space Weather Prediction Centerが日本時間10月29日7時05分に更新した地磁気予報を確認しました。

今後3日間の予測

日付(UTC基準)最大予測Kp評価
10月29日1.67静穏
10月30日4.33やや活発
10月31日5.00G1規模に相当する水準

※数値は予測値であり、実測値ではありません。

10月29日は比較的静穏な地磁気活動が予測されています。

一方、10月30日から31日にかけて、地磁気活動が強まる可能性があります。

地磁気嵐の発生確率

項目10/2910/3010/31
G1規模の磁気嵐1%20%40%
G2規模の磁気嵐1%5%30%
G3以上の磁気嵐1%1%5%

10月31日には磁気嵐の発生可能性が高まる予測です。

ただし、これは宇宙天気に関する情報です。

地磁気活動の強まりを、地震発生の前兆として解釈することはできません。

太陽活動

NOAAの最新3日予報では、10月29日の太陽活動について、次の確率が示されています。

項目10月29日の予測確率
R1〜R2級の電波障害5%
R3以上の電波障害1%
S1以上の太陽放射線嵐1%

宇宙天気の変化は、衛星通信、無線通信、GNSS測位などに影響する場合があります。

ただし、地震発生確率を示す指標ではありません。


10.NICTによる日本上空の電離層観測

🔵 参考監視【沖縄で前日に顕著な自動解析値】

情報通信研究機構(NICT)の10月29日07時45分更新の電離層観測情報を確認しました。

F層臨界周波数の観測結果

観測地点本日07:4524時間前過去40日間の同時刻中央値
稚内(北海道)8.3MHz7.1MHz7.4MHz
国分寺(東京)8.8MHz7.3MHz8.1MHz
山川(鹿児島)7.3MHz6.9MHz7.5MHz
大宜味(沖縄)7.0MHz7.1MHz7.6MHz

4地点とも、現在は電離層嵐が発生していないと評価されています。

沖縄・大宜味の前日の変化

NICTの自動解析によると、10月28日13時00分から19時30分にかけて、大宜味で正相電離層嵐の傾向が記録されています。

16時30分頃には、F層臨界周波数が過去40日間の同時刻中央値を約17.2MHz上回り、約28.2MHzという値が記録されました。

ただし、NICTは自動解析に誤差が含まれる場合があると明記しています。

特に強いスポラディックE層が発生した場合、E層の反射をF層と混同する可能性があります。

したがって、今回の大きな値を、独立に確認された電離層異常として断定することは適切ではありません。

現在の観測では、電離層嵐は発生していないと評価されています。

TEC・ROTIの評価

TECは電離圏に存在する電子の総量を示す指標です。

ROTIはTECの時間変化率のばらつきを示し、電離圏の不規則な変動を把握するために使用されます。

これらは太陽活動、地磁気活動、時間帯、季節などの影響を受けます。

今回のレポートでは、最新のTEC・ROTI連続観測データを独自に取得・定量解析できていません。

そのため、TEC・ROTIの異常の有無については判定を保留します。

地震との科学的関係

電離圏と地震活動の関係については、現在も研究が続けられています。

しかし、TEC・ROTI、太陽フレア、地磁気変動などから、地震の発生日時・場所・規模を実用的な精度で予測する科学的方法は確立されていません。

Earth Compassでは、電離圏・太陽活動・地磁気の変化を地震リスク判定に加算しません。

今回の千葉県北東部M5.5についても、電離圏観測値との因果関係を示す証拠はありません。


11.海外火山・環太平洋火山活動

🔵 アナク・クラカタウ:重点監視継続

インドネシアのアナク・クラカタウ火山では、10月中旬にも噴火活動が確認されています。

インドネシア国営通信ANTARAが10月18日に報じた火山地質災害対策センター(PVMBG)の観測情報では、複数回の噴火が発生し、噴煙が火口上約500mまで上昇しました。

この時点では火山警戒レベルIIIが維持され、火口から半径5km以内への立ち入りを避けるよう呼びかけていました。

10月29日の確認状況

本日朝時点の最新の噴火回数、SO₂放出量、山体変形量、火山警戒レベルについては、十分な最新一次データを確認できていません。

そのため、10月18日の警戒レベルIIIを、本日時点の確定した警戒レベルとして扱うことは避けます。

アナク・クラカタウは2018年に山体崩壊に伴う津波が発生した火山です。

噴火だけでなく、山体変形や崩壊兆候などの継続監視が重要です。

ただし、今回確認した資料から、新たな山体崩壊や津波の発生が切迫していると判断する根拠はありません。

アナク・クラカタウは、海外火山の重点監視対象を維持します。

なお、日本列島の地震リスク判定には加算しません。


12.本日の総合判定

🟡 日本全国:注意 → 横ばい

🟠 千葉県北東部:警戒 ↑

本日10月29日は、千葉県北東部でM5.5、最大震度5弱の地震が発生したことが最大の変化です。

気象庁は、揺れの強かった地域について、今後1週間程度、同程度の揺れに注意するよう呼びかけています。

特に2〜3日程度は、引き続き地震活動への注意が必要です。

一方、南海トラフでは、最新の公式定例評価において平常時からの特段の変化は確認されていません。

熊本県天草・芦北地方では、小規模地震が継続しています。

東北地方と熊本県周辺では、既知の大地震後の余効変動を引き続き監視します。

沖縄・八重山では、今回確認した公開資料から、新たな顕著な有感地震の発生は確認されていません。

宇宙天気は本日比較的静穏ですが、10月30日から31日にかけて地磁気活動が強まる可能性があります。

ただし、その変化を地震の前兆として扱うことはできません。

最終判定一覧

判定対象
🟢 通常南海トラフ公式評価、沖縄本島、宮古島、紀伊水道、奄美大島近海など
🟡 注意日本全国、首都圏・関東、茨城県北部、福島県沖、岩手県沖・三陸沖、北海道東部、熊本県熊本地方、熊本県天草・芦北地方、日向灘、石垣島・西表島・与那国島、小笠原諸島西方沖など
🟠 警戒千葉県北東部
🔴 高警戒本日、新たな国内指定対象なし

今回の判定は、公開観測情報と公式の防災上の注意喚起を整理したものです。

地震の発生日時、場所、規模を予知するものではありません。


13.本日の防災コメント

千葉県北東部・首都圏

本日未明の地震で強い揺れを観測した地域では、建物、家具、屋根瓦、外壁、ブロック塀などの損傷に注意してください。

特に、すでに損傷している建物や斜面には不用意に近づかないでください。

今後も強い揺れが発生する可能性を考慮し、寝室の落下物対策、家具の固定、避難経路の確認を優先してください。

気象庁は今後1週間程度、特に2〜3日程度の地震活動への注意を呼びかけています。

東北・北海道

東北太平洋側では、既知の地震活動と大地震後の余効変動を引き続き監視します。

今回の千葉県北東部の地震を理由に、東北や北海道で巨大地震が切迫していると判断する根拠はありません。

沿岸部では、日頃から津波避難場所と避難経路を確認してください。

熊本・九州

熊本県天草・芦北地方では、小規模な有感地震が継続しています。

過去の大地震で被害を受けた建物、擁壁、斜面などについては、安全確認を継続してください。

今回の地震活動だけで新たな大地震が迫っていると判断することはできません。

南海トラフ沿岸

現在確認できる公式評価では、平常時からの特段の変化は認められていません。

ただし、南海トラフ巨大地震は平常時でも長期的な発生可能性が高いと評価されています。

強い揺れ、または弱くても長くゆっくりとした揺れを感じた場合には、津波警報を待たずに避難することが重要です。

沖縄・八重山

石垣島・西表島・与那国島では、新たな顕著な有感地震は確認されていません。

ただし、八重山では津波への備えが重要です。

海岸、港、マリンレジャー、沖釣りなどでは、出発前に最新の地震・津波情報を確認してください。

船舶で活動する場合には、船長や運航事業者と緊急時の連絡手段、避難方針、帰港判断を共有しておくことが大切です。


Earth Compassからのメッセージ

大きな揺れの後こそ、事実を正しく見つめる。

今日、千葉県北東部で最大震度5弱の地震が発生しました。

深夜の大きな揺れは、多くの人に不安を与えたことでしょう。

しかし、地震が発生したという事実と、次の巨大地震が切迫しているという判断は、科学的に区別する必要があります。

今回の地震について、気象庁は震源の位置や深さ、発震機構を解析し、今後の地震活動への注意を呼びかけています。

その情報を正しく理解し、必要な防災行動につなげることが重要です。

一方、日本列島の地下では、今日もプレートが動き続けています。

過去の大地震によって変形した地殻は、時間をかけて変化しています。

海底では、地震や津波の観測が続けられています。

さらに地球の外側では、太陽活動によって地磁気や電離圏の状態が日々変化しています。

しかし、これらの現象をすべて地震の前兆として結びつけることはできません。

科学的に確認された事実と、まだ研究段階にある仮説を区別すること。

観測された変化を正しく評価し、必要な備えへとつなげること。

それが、地球の活動を日々観測する意味です。

Earth Compassは、地震を予言するためのものではありません。

また、観測値の変化を過度な不安へと結びつけるためのものでもありません。

変化を見逃さず、結論を急がず、日々の備えにつなげる。

それがEarth Compassの基本姿勢です。


データ出典・参考資料

本レポートは、2026年10月29日朝までに公開された専門機関および地震情報配信機関の資料をもとに作成しています。

速報値、暫定値、自動解析値、月次評価は、それぞれの性質と対象期間を区別して使用しています。

地震活動

気象庁|10月29日千葉県北東部の地震について

https://www.jma.go.jp/jma/press/2610/29a/202610290210.html

気象庁|最新の地震情報

https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#contents=earthquake_map

日本気象協会|地震情報

https://earthquake.tenki.jp/bousai/earthquake

日本気象協会|10月29日01時04分 熊本県天草・芦北地方の地震

https://earthquake.tenki.jp/bousai/earthquake/detail/2026/10/29/2026-10-29-01-04-30.html

Yahoo!天気・災害|10月29日00時50分 紀伊水道の地震

https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/20261029005006.html

JISHINDESU|2026年10月28日の地震一覧

https://jishindesu.jp/ja/earthquakes/days/2026-10-28

FNNプライムオンライン|千葉県北東部の地震に関する報道

https://www.fnn.jp/articles/-/1141899

南海トラフ・地殻変動

気象庁|南海トラフ地震関連解説情報

https://ds.data.jma.go.jp/eew/data/nteq/teirei/202610071700_teirei.html

国土地理院|令和8年9月の地殻変動

https://web2.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2026-goudou1008.html

海底観測・津波観測

防災科学技術研究所|海底地震津波観測網

https://www.seafloor.bosai.go.jp

防災科学技術研究所|観測点作業情報

https://www.seafloor.bosai.go.jp/st_info/status

気象庁|南鳥島遠地津波観測計の障害情報

https://www.jma.go.jp/jma/press/2610/07a/entitunamikansoku.html

気象庁|N-net沿岸システムの緊急地震速報への活用について

https://www.jma.go.jp/jma/press/2603/06b/20260306_N-net.html

電離圏・太陽活動・地磁気

NOAA SWPC|3日間の地磁気予報

https://services.swpc.noaa.gov/text/3-day-geomag-forecast.txt

NOAA SWPC|宇宙天気3日予報

https://services.swpc.noaa.gov/text/3-day-forecast.txt

NICT|電離層観測情報

https://wdc.nict.go.jp/Ionosphere/realtime/ISDJ/ionospheric-alert.html

NICT|宇宙天気予報

https://swc.nict.go.jp

海外火山・環太平洋火山活動

インドネシア地質当局|MAGMA Indonesia

https://magma.esdm.go.id

スミソニアン博物館|Global Volcanism Program

https://volcano.si.edu

ANTARA News|アナク・クラカタウ噴火に関する報道(10月18日)

https://www.antaranews.com/berita/5794605/gunung-anak-krakatau-erupsi-tiga-kali-minggu-siang


Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

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※Earth Compassは、公開されている観測データをもとに独自に整理した防災情報で、地震の発生日時や場所を予測(予知)するものではありません。地震・津波の警報など公式の情報は、必ず気象庁の発表をご確認ください。