日本列島・地殻活動リスクモニタリング
観測基準:2026年10月18日(日)08:00 JST
全国総合判定:🟡 注意
前日比:→ 総合判定維持/有感地震は小幅増加
**本日の重点監視:**紀伊水道・和歌山県北部、長野県北部、熊本・天草・芦北、首都圏・千葉県周辺、沖縄・八重山
**本日の特記事項:**紀伊水道M2.6、和歌山県北部M2.8、長野県北部M2.4を観測。全国の有感地震は直近24時間で3回。南海トラフの公式評価に特段の変化はありません。地磁気活動は静穏ですが、10月20日に向けて活動が強まる予測が出ています。
本日のEarth Compassでは、日本全国の総合判定を「注意」に維持します。
10月17日08時から18日08時までの24時間に、日本国内で震度1以上を観測した地震は3回でした。
最大規模は、10月17日17時42分に和歌山県北部で発生したM2.8、最大震度1の地震です。最大震度では、10月17日23時48分の長野県北部M2.4が震度2を観測しています。また、10月17日11時54分には紀伊水道でM2.6、最大震度1の地震が発生しました。
昨日のレポートでは国内を震源とする有感地震は1回で、今回は3回に増えました。ただし、いずれもM3未満の小規模地震で、震度3以上の揺れは観測されていません。日本列島全体で地震活動が活発化していると判断できる状況ではありません。
一方、紀伊水道と和歌山県北部という近い地域で同じ日に地震が発生したことは、本日の監視ポイントです。
地殻変動では、国土地理院の最新月次解析で、熊本、三陸沖、岩手県沖の大地震後の余効変動が継続しています。
宇宙天気は、NOAAの最新予測で本日の最大Kp指数は1.67と静穏ですが、10月20日には最大Kp5.00が予測されています。なお、宇宙天気の変化は地震活動リスクの判定には加算していません。
1.全国地震活動リスク評価
| 地域・観測項目 | 本日判定 | 前日比 | 主な判断材料 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | → | 有感地震3回。いずれもM3未満 |
| 紀伊水道・和歌山県北部 | 🟡 注意 | ↑ | 10/17 M2.6、M2.8を観測 |
| 長野県北部 | 🟡 注意 | ↑ | 10/17 M2.4、最大震度2 |
| 熊本・天草・芦北 | 🟡 注意 | → | 新たな顕著な有感地震なし。余効変動を監視 |
| 首都圏・千葉県周辺 | 🟡 注意 | → | 10月上中旬のM4〜5級地震後の経過監視 |
| 東北・三陸沖 | 🟡 注意 | → | 既知の余効変動が継続 |
| 北海道東部・釧路沖 | 🟡 注意 | → | 新たな顕著な有感地震なし |
| 奄美・トカラ列島 | 🟡 注意 | → | 10/15 M3.1後の経過監視 |
| 石垣・西表・与那国 | 🟡 注意 | → | 9/30与那国島近海M6.0後の経過監視 |
| 宮古島・沖縄本島 | 🟢 通常 | → | 判定を引き上げる新たな材料なし |
| 小笠原・硫黄島周辺 | 🟡 注意 | → | 10/12 M5.0と既知の地殻変動 |
| 南海トラフ | 🟢 通常※ | → | 10/7公式評価に特段の変化なし |
| 地殻変動 | 🟡 注意 | → | 熊本・三陸などの余効変動 |
| 海底・津波観測 | 🟡 観測品質上の注意 | → | 一部観測機器の障害・休止情報 |
| 電離圏 | 🔵 参考監視 | ― | 本レポートでは定量評価の対象外 |
| 太陽・地磁気活動 | 🔵 参考監視 | ↓ | 本日最大予測Kp1.67 |
※南海トラフの「通常」は、平常時からの特段の変化が確認されていないことを示します。巨大地震の長期的な発生可能性が低いという意味ではありません。
Earth Compassの4段階判定
🟢 通常:新たな顕著な活動変化が確認されていない状態。
🟡 注意:地震活動の継続や新たな変化があり、経過監視を優先する状態。
🟠 警戒:顕著な活動変化や専門機関の警戒情報を踏まえ、追加的な注意が必要な状態。
🔴 高警戒:重大な地震・津波の発生などにより、公式の緊急情報に基づく直ちに必要な防災行動が求められる状態。
前日比の矢印について
↑:同じ判定段階の中で、監視優先度を引き上げたことを示します(段階の引き上げではありません)
→:前日から変化なし ↓:監視優先度を引き下げ
この区分はEarth Compass独自の情報整理方法です。統計的に校正された地震発生確率ではなく、気象庁の警報や公式評価に代わるものでもありません。
2.本日の国内地震活動
🟡 全国:注意 →【有感地震は小幅増加】
直近24時間の観測結果
10月17日08時から18日08時までに確認された震度1以上の地震は、以下の3回です。
| 発生日時 | 震源地 | M | 深さ | 最大震度 |
|---|---|---|---|---|
| 10/17 11:54 | 紀伊水道 | 2.6 | 約10km | 1 |
| 10/17 17:42 | 和歌山県北部 | 2.8 | 約10km | 1 |
| 10/17 23:48 | 長野県北部 | 2.4 | 約10km | 2 |
いずれの地震も津波の心配はありません。
10月18日07時50分時点で、本日0時以降の新たな震度1以上の地震は観測されていません。
前日との比較
| 比較項目 | 前日 | 本日 |
|---|---|---|
| 国内を震源とする有感地震 | 1回 | 3回 |
| 最大マグニチュード | M2.5 | M2.8 |
| 最大震度 | 1 | 2 |
| M4以上の国内有感地震 | 0回 | 0回 |
| 主な活動地域 | 熊本 | 紀伊水道・和歌山・長野 |
有感地震の回数は増えましたが、規模はいずれも小さく、M4以上の地震はありません。
なお、有感地震の回数は震源の深さや人口密度、観測点との距離にも左右されます。回数だけで活動全体を判断しないことが大切です。
Earth Compassの判断
全国総合判定は「注意・横ばい」を維持します。国内全体で顕著な地震活動の拡大は見られません。
3.紀伊水道・和歌山県北部
🟡 注意 ↑【本日の重点監視】
同じ日に2回の小規模地震
10月17日11時54分、紀伊水道でM2.6の地震が発生しました。震源の深さは約10km、最大震度1で、和歌山県海南市、有田市、湯浅町で揺れを観測しています。
同日17時42分には、和歌山県北部でM2.8の地震が発生しました。深さは約10km、最大震度1で、和歌山県御坊市で揺れを観測しました。
最近の紀伊水道周辺
10月13日にも紀伊水道でM3.8、最大震度2の地震が発生しており、13日から17日にかけて同海域とその周辺で複数の有感地震が観測されています。
これらが同じ断層や活動系列に属するかは分かっていません。また、規模が段階的に大きくなる傾向は見られません。
南海トラフとの関係
紀伊水道は南海トラフ巨大地震の想定震源域に近い地域です。しかし、M2.6やM2.8の地震を巨大地震の前兆とする科学的根拠はなく、規模や震源の位置だけでプレート境界の固着状態が変化したと結論付けることもできません。
今回の地震は、気象庁が南海トラフ地震臨時情報の調査を始める規模(M6.8以上)にも該当しません。
Earth Compassの判断
紀伊水道・和歌山県北部は「注意」の段階のまま、監視優先度を引き上げます。南海トラフ巨大地震の発生可能性が高まったという意味ではありません。引き続き震源分布や発生頻度を確認します。
4.長野県北部
🟡 注意 ↑【最大震度2】
昨夜M2.4の地震
10月17日23時48分、長野県北部でM2.4、最大震度2の地震が発生しました。震源の深さは約10kmです。長野県大町市で震度2、小川村で震度1を観測しています。津波の心配はありません。
内陸地震としての評価
今回の地震は、内陸の比較的浅い場所で発生しています。日本列島ではプレート境界だけでなく、内陸の活断層や岩盤内部でも地震が起こります。
今回の地震が特定の活断層によるものかは、詳しい解析を待つ必要があります。この地震だけで、長野県北部で大きな地震が迫っていると判断することはできません。
Earth Compassの判断
長野県北部は「注意」の段階のまま、震度2の地震を受けて監視優先度を引き上げます。活動が活発化したと判断できる材料はありません。家具の固定や落下物対策など、内陸地震への備えを続けてください。
5.熊本・天草・芦北
🟡 注意 →【余効変動を継続監視】
新たな顕著な有感地震なし
熊本県天草・芦北地方では、10月15日朝にM3.5とM3.6の地震が相次ぎ、16日18時17分にもM2.5、最大震度1の地震がありました。
直近24時間では熊本県内で震度1以上の地震は観測されておらず、短期的な活動は15日朝と比べて落ち着いています。ただし、活動が収束したという意味ではありません。
長期的な地殻変動
国土地理院が10月8日に公表したGNSS解析では、2026年7月28日の令和8年熊本地震(M7.1)後の余効変動が、熊本県を中心とした広い範囲で続いています。
余効変動は、大地震後に地下の岩盤や断層周辺が時間をかけて変形する現象で、継続していること自体は異常ではありません。また、余効変動から次の大地震の時期を予測することはできません。
Earth Compassの判断
熊本・天草・芦北は「注意・横ばい」を維持します。被害を受けた建物、擁壁、石垣、斜面などの安全確認を続けてください。
6.首都圏・関東
🟡 注意 → 横ばい
千葉県周辺の活動を継続監視
10月に入り、千葉県北東部から東方沖にかけてM4〜5級の地震が複数観測されています。
- 10月1日:千葉県北東部 M5.1、最大震度3
- 10月8日:千葉県北東部 M4.8、最大震度4
- 10月12日:千葉県東方沖 M4.3、最大震度2
- 10月15日:千葉県北西部 M3.2、最大震度1
これらは震源の位置や深さが異なり、すべてを同一の地震系列として扱うことは適切ではありません。
昨日からの変化
直近24時間では、首都圏・関東で新たな顕著な地震はありません。
国土地理院の月次解析でも、関東・中部地方に特段の変化は報告されていません。ただし解析対象は9月中旬までで、10月の千葉県周辺の地震に伴う変動は含まれていません。
Earth Compassの判断
首都圏・関東は「注意・横ばい」を維持します。大地震が切迫していると判断する根拠はありません。千葉県北東部・東方沖の活動を引き続き重点的に確認します。
7.東北・三陸沖
🟡 注意 → 横ばい
直近の地震活動
10月13日に岩手県沖でM4.3、14日に宮城県沖でM4.1の地震が発生しました。その後、規模が拡大する動きはありません。
地殻変動の状況
国土地理院の解析では、2011年東北地方太平洋沖地震に加え、2026年4月20日の三陸沖地震、6月25日の岩手県沖地震後の余効変動が、岩手県を中心とする広い範囲で続いています。
余効変動の継続を、新たな巨大地震の前兆として扱うことはできません。
Earth Compassの判断
東北・三陸沖は「注意・横ばい」を維持し、経過監視を続けます。
8.北海道東部・釧路沖
🟡 注意 → 横ばい
北海道東部では、10月7日に北海道東方沖でM4.6、10日に根室半島南東沖でM3.7、12日に釧路沖でM4.0などの地震が発生しています。直近24時間では新たな顕著な地震はありません。
10月16日にはカムチャツカ半島付近でM6.9の地震が発生し、函館市で震度1を観測しましたが、これを理由に北海道東部の活動が活発化しているとは言えません。
Earth Compassの判断
北海道東部・釧路沖は「注意・横ばい」を維持します。太平洋沿岸では、長期的に巨大な海溝型地震や津波への備えが重要です。
9.沖縄・八重山
🟡 石垣・西表・与那国:注意 →
与那国島近海M6.0から18日
9月30日14時00分、与那国島近海でM6.0、最大震度3の地震が発生しました。その後、10月5日には石垣島北西沖でM4.6の地震が観測されています。
直近24時間では、石垣島・西表島・与那国島周辺に新たな顕著な地震はありません。
八重山の地殻変動
国土地理院の10月8日公表の月次解析では、沖縄地方に特段の変化は報告されていません。ただし解析対象は9月中旬までで、9月30日の与那国島近海M6.0に伴う変動は含まれていません。
Earth Compassの判断
石垣島・西表島・与那国島は「注意・横ばい」を維持します。有感地震の活動拡大は見られませんが、引き続き経過を確認します。
八重山では、地震そのものに加えて津波への備えが重要です。海岸、港、マリンアクティビティ施設などでは、津波避難経路の確認を続けてください。
宮古島・沖縄本島
判定を引き上げる新たな材料はなく、両地域とも「通常・横ばい」を維持します。
10.奄美・トカラ列島
🟡 注意 → 横ばい
10月15日01時51分、トカラ列島近海でM3.1、最大震度1の地震が発生しました。その後、同地域に新たな顕著な地震はありません。
トカラ列島周辺では過去にも群発的な活動が繰り返されていますが、今回のM3.1だけで新たな群発活動が始まったとは言えません。
Earth Compassの判断
奄美・トカラ列島は「注意・横ばい」を維持し、震源分布、発生頻度、規模の変化を確認します。
11.南海トラフ
🟢 通常 →【公式評価に変更なし】
南海トラフについては、10月7日開催の第110回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会の結果を引き続き採用します。
気象庁は、大規模地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと評価しています。
最新の公式評価
10月7日の評価では、四国西部で9月27日から、東海地方で10月2日から深部低周波地震が観測されていることが報告されました。周辺のひずみ計や傾斜計では、これにほぼ同期するわずかな地殻変動が確認されています。
また、静岡県西部から愛知県東部では、2022年初頭から長期的ゆっくりすべりに関連すると考えられる変動が続いています。
気象庁は、これらを従来から繰り返し観測されてきた現象と評価しており、プレート境界の固着状態に特段の変化を示すデータは得られていません。
※深部低周波地震の「継続中」は、10月7日時点の評価です。
紀伊水道・和歌山県北部の地震との関係
昨日の紀伊水道M2.6、和歌山県北部M2.8の地震によって、南海トラフ巨大地震の発生可能性が高まったと判断する科学的根拠はありません。
Earth Compassの判断
南海トラフは「通常・横ばい」を維持します。
ただし、南海トラフのM8〜9級地震は、平常時から長期的な発生可能性が高いと評価されています。「通常」は安全宣言ではありません。
12.地殻変動
🟡 注意 → 横ばい
最新の全国GNSS解析は、国土地理院が10月8日に公表した「令和8年9月の地殻変動」です。解析対象は2026年8月中旬から9月中旬までの約1か月間です。
全国の主な観測結果
| 地域 | 最新の月次解析結果 |
|---|---|
| 北海道 | 三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動 |
| 東北 | 2011年および2026年の大地震後の余効変動 |
| 関東・中部 | 特段の変化なし |
| 近畿・中国・四国 | 熊本地震後の余効変動 |
| 九州 | 熊本地震後の余効変動 |
| 沖縄 | 特段の変化なし |
| 静岡県西部〜愛知県東部 | 長期的ゆっくりすべりに関連する変動 |
火山周辺の地殻変動
国土地理院の資料では、硫黄島周辺で地殻変動が続いていることが報告されています。十勝岳、阿蘇山、桜島などの火山周辺でも変動が監視されています。これらは火山活動の評価に重要な情報ですが、周辺の地震活動と直ちに結びつけることはできません。
Earth Compassの判断
地殻変動は「注意・横ばい」を維持します。主な変動は、既知の大地震後の余効変動やプレート境界深部のゆっくりすべりです。月次解析は9月中旬までの期間が対象のため、前日比は評価していません。
13.海底観測・津波観測
🟡 観測品質上の注意 →
南鳥島の遠地津波観測計
気象庁は10月7日、南鳥島の遠地津波観測計に10月4日18時50分頃から障害が発生し、同観測点のデータを津波観測情報に使用できない状態であると発表しました。
津波警報等の第1報は地震計のデータをもとに発表するため、影響はありません。海外の地震による津波の監視は、海外の観測点で補完されます。
10月18日朝の時点で、復旧の発表は出ていません。
N-netの観測状況
南海トラフ西部では、防災科学技術研究所のN-netが高知県沖から日向灘にかけて整備されています。沖合18点、沿岸18点の計36観測点で構成され、2026年3月12日からは沿岸システムのデータも緊急地震速報に活用されています。
気象庁によると、N-net全体を活用することで、対象海域の地震に対する緊急地震速報が最大20秒程度早まることが期待されています。これは地震を予知する仕組みではなく、発生後の揺れをより早く捉えるためのシステムです。
DONETの一部観測点
防災科学技術研究所の観測点作業情報(2026年5月11日更新)では、DONET1の11点、DONET2の3点、計14観測点が休止中と掲載されています。
Earth Compassの判断
海底・津波観測は「観測品質上の注意」を維持します。観測機器の障害や欠測は、地震活動の異常や前兆を示すものではありません。
14.電離圏・太陽活動・地磁気
🔵 参考監視 ↓【本日は静穏、20日に活動上昇の可能性】
NOAA最新地磁気予測
NOAA宇宙天気予報センター(SWPC)が日本時間10月18日7時05分に発表した予報では、本日の最大予測Kp指数は1.67です。G1磁気嵐の基準となるKp5を大きく下回ります。
今後3日間の地磁気予測
| 日付 | 予測最大Kp | 評価 |
|---|---|---|
| 10月18日 | 1.67 | 静穏 |
| 10月19日 | 4.00 | やや活発 |
| 10月20日 | 5.00 | G1相当の活動が予測範囲に入る |
※数値は予測値です。
NOAAの確率予測では、10月20日にG1規模の磁気嵐が発生する可能性が35%、G2規模が15%とされています。
昨日の予報(10月17日の最大予測Kp4.00)と比べると本日は落ち着いていますが、20日に向けて活動が強まる可能性があるため、宇宙天気の監視は続けます。
太陽活動
NOAAが日本時間10月17日21時30分に発表した3日予報では、10月18日について次の確率が示されています。
| 項目 | 10月18日の予測 |
|---|---|
| R1〜R2級の電波障害 | 20% |
| R3以上の電波障害 | 5% |
| S1以上の太陽放射線嵐 | 5% |
これらは主に、短波通信、衛星通信、GPS測位、宇宙機器への影響を評価する指標です。地震の発生確率を示すものではありません。
電離圏TEC・ROTI
TECは電離圏に含まれる電子の総量、ROTIはTECの細かな乱れを示す指標です。NICTでは、国土地理院のGNSS観測網を使って日本上空のTECやROTIを監視しています。これらは昼夜、季節、太陽活動、地磁気活動など、さまざまな要因で変化します。
本レポートでは、TEC・ROTIの定量評価は行っていません。
地震との科学的関係
電離圏や地磁気の変動から、地震の日時・場所・規模を実用的な精度で予測する方法は確立されていません。米国地質調査所(USGS)も、太陽フレアや磁気嵐と地震の因果関係は実証されていないと説明しています。
Earth Compassでは、宇宙天気の変化を地震リスク判定の引き上げには使用しません。
15.海外火山・環太平洋火山活動
🟠 アナク・クラカタウ:警戒レベルIII(Siaga)継続中
※この警戒レベルはインドネシア当局による火山活動の評価で、Earth Compassの地震活動4段階判定とは別の指標です。
10月9日に警戒レベル引き上げ
インドネシア地質庁は、10月9日21時(現地時間)にアナク・クラカタウの火山警戒レベルをII(Waspada)からIII(Siaga)へ引き上げました。10月6日から9日にかけて14回の噴火が記録されたことが理由です。
レベルIIIの発表は、次の評価報告が出るまで有効とされています。10月18日朝の時点で、引き下げの発表は出ていません。
レベル引き上げに伴い、立入規制の範囲は火口から半径2kmから5kmに拡大されています。
津波・航空への影響
アナク・クラカタウでは、2018年に山体崩壊に伴う津波が発生しています。そのため、噴火活動に加えて山体の変形や崩壊の兆候を監視することが重要です。
現時点で、新たな山体崩壊や津波が切迫していることを示す情報はありません。航空への影響については、航空向け火山灰情報の確認が必要です。
Earth Compassの判断
アナク・クラカタウは、引き続き海外火山の重点監視対象とします。なお、この火山活動を日本列島の地震活動と結びつける科学的根拠はありません。
16.本日のEarth Compass総合評価
🟡 日本全国:注意 → 横ばい
直近24時間に国内で震度1以上を観測した地震は3回(紀伊水道M2.6、和歌山県北部M2.8、長野県北部M2.4)で、いずれもM3未満、最大震度は2でした。昨日より回数は増えましたが、国内全体で顕著な活動拡大は見られません。
地殻変動では、熊本、三陸沖、岩手県沖の大地震後の余効変動が続いています。南海トラフは10月7日の公式評価から変更する根拠はありません。沖縄・八重山でも新たな活動拡大は見られません。
宇宙天気は本日静穏ですが、10月20日に向けて地磁気活動が強まる可能性があり、監視を続けます。
これらを総合し、全国総合判定は「注意・横ばい」とします。
本日の4段階判定
| 判定 | 該当地域 |
|---|---|
| 🟢 通常 | 南海トラフ、沖縄本島、宮古島 |
| 🟡 注意 | 紀伊水道・和歌山県北部、長野県北部、熊本・天草・芦北、首都圏・関東、東北・三陸沖、北海道東部、奄美・トカラ、八重山、小笠原周辺 |
| 🟠 警戒 | 国内で該当なし |
| 🔴 高警戒 | 国内で該当なし |
全国総合判定:🟡 注意 → 横ばい
今回の判定は、観測情報に基づく監視優先度の整理であり、将来の地震発生確率を表すものではありません。公式の緊急情報が発表された場合は、気象庁や自治体の情報を優先してください。
17.本日の防災コメント
紀伊水道・和歌山県北部
紀伊半島沿岸では津波への備えが重要です。地域の津波避難場所や高台への経路を確認し、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりとした揺れを感じたら、速やかに避難してください。
長野県北部
内陸地震への備えとして、家具の転倒防止や寝室の落下物対策を確認してください。
熊本・九州
令和8年熊本地震後の余効変動は続いています。被害を受けた建物、擁壁、ブロック塀、斜面などは、引き続き安全確認が必要です。
首都圏・関東
家具の固定、寝室の落下物対策、非常用持ち出し品の準備を日頃から続けてください。
北海道・東北
太平洋沿岸では、長期的に巨大な海溝型地震や津波への備えが必要です。海岸や港では、津波避難場所や避難経路をあらかじめ確認しておいてください。
沖縄・八重山
特別な行動変更が必要な状況ではありません。素潜りや沖釣りなどで海に出る場合は、出発前に最新の地震・津波情報を確認してください。船で活動する場合は、船長や運航事業者と緊急時の連絡手段、避難方針、帰港判断を共有しておきましょう。
Earth Compassからのメッセージ
小さな揺れを、正しく見る。
昨日、日本列島では3回の有感地震が観測されました。紀伊水道、和歌山県北部、そして長野県北部。いずれも小規模な地震でした。
日本列島の地下では、私たちが揺れとして感じられない地殻活動も日々続いています。プレートは少しずつ動き、岩盤には力が蓄積され、過去の大地震で変形した地殻も時間をかけて変化を続けています。私たちが感じる揺れは、地球の活動のほんの一部です。
だからこそ、地震が少ないから安全だと考えることも、少し増えたから危険だと考えることも、適切ではありません。
大切なのは、観測された事実を丁寧に積み重ね、科学的に分かっていることと、まだ分かっていないことを区別し、日々の備えにつなげることです。
小さな変化を見逃さず、大きな結論を急がない。
それがEarth Compassの基本姿勢です。
データ出典・参考資料
本レポートは、2026年10月18日08時時点で確認できた専門機関および地震情報配信機関の公開資料をもとに作成しています。地震の震源、規模、深さには速報値を含み、後日修正される場合があります。
地震活動
- 気象庁|最新の地震情報
https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#contents=earthquake_map - 日本気象協会|地震情報・震度履歴(10月18日07時50分更新の一覧を確認)
https://earthquake.tenki.jp/bousai/earthquake/
地殻変動・南海トラフ
- 国土地理院|令和8年9月の地殻変動(10月8日公表)
https://web2.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2026-goudou1008.html - 気象庁|南海トラフ地震関連解説情報(10月7日公表、第110回評価検討会)
https://www.data.jma.go.jp/eew/data/nteq/teirei/202610071700_teirei.html
海底観測・津波観測
- 気象庁|南鳥島の遠地津波観測計障害について(10月7日発表)
https://www.jma.go.jp/jma/press/2610/07a/entitunamikansoku.html - 防災科学技術研究所|海底観測点作業情報(2026年5月11日更新)
https://www.seafloor.bosai.go.jp/st_info/status/ - 気象庁|N-net沿岸システムの活用開始
https://www.jma.go.jp/jma/press/2603/06b/20260306_N-net.html
電離圏・太陽活動・地磁気
- NOAA SWPC|3日間の地磁気予報(日本時間10月18日7時05分発表)
https://services.swpc.noaa.gov/text/3-day-geomag-forecast.txt - NOAA SWPC|太陽・地磁気活動3日予報(日本時間10月17日21時30分発表)
https://services.swpc.noaa.gov/text/3-day-forecast.txt - 情報通信研究機構(NICT)|宇宙天気予報
https://swc.nict.go.jp/ - NICT|電離圏TEC・ROTI観測
https://www2.nict.go.jp/spe/swc/forecast/ionosphere.html - 米国地質調査所(USGS)|太陽活動と地震の関係
https://www.usgs.gov/faqs/do-solar-flares-or-magnetic-storms-space-weather-cause-earthquakes
海外火山
- MAGMA Indonesia(インドネシア地質庁 火山情報)
https://magma.esdm.go.id/ - iNews|アナク・クラカタウ、レベルIII(Siaga)に引き上げ(10月10日)
https://www.rctiplus.com/news/detail/inews/5490505/gunung-anak-krakatau-naik-level-siaga–warga-dilarang-mendekat-radius-5-km
Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

