Earth Compass|2026年10月6日

日本列島の地殻活動について、現在のリスク評価は注意で横ばい状態が続いている。10月5日に石垣島北西沖で深発地震が発生したが、大規模な連動性は確認されていない。東北や関東地域も活動が落ち着いているが、引き続き注意が必要。

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

本日の総合判定:🟡 注意
前日比:→ 横ばい
基準時刻:2026年10月6日 08:00 JST

全国的には、10月1~3日にみられたM5級を含む活動からは落ち着いた状態が続いています。ただし昨夜、10月5日22時30分に石垣島北西沖でM4.6・深さ150km・最大震度1の地震が発生しました。今朝08時までに気象庁の直近1か月の緊急地震速報(予報)一覧へ追加された地震はこれが最新で、10月6日未明~朝に新たな対象地震は掲載されていません。 気象庁データ

今回の石垣島北西沖M4.6は深さ150kmの深発地震です。9月30日の与那国島近海M6.0は深さ約10kmであり、震源の深さ・位置が大きく異なります。したがって、現段階で両者を同じ地震系列として結び付ける根拠はありません。 気象庁データ

地域・観測項目判定前日比10月6日朝の評価
日本全国🟡 注意→M5級の新規発生なし。一方、八重山でM4.6
石垣・西表・与那国🟡 注意↑小石垣島北西沖M4.6。ただし深さ150km
宮古島🟡 注意↓10/4 M3.9後、新たな顕著な活動なし
沖縄本島🟢 通常→短期判定を上げる新規材料なし
トカラ・奄美🟡 注意→10/5トカラM3.8、10/3奄美M4.5。規模拡大なし
熊本・天草・芦北🟡 注意→平常時より多い状態は継続。余効変動あり
東北・三陸沖🟡 注意↓10/2 M5.0→10/3 M4.3以降は沈静化
首都圏・関東🟡 注意↓千葉M5.1後、新たな顕著な続発なし
北海道🟢 通常→短期的な引き上げ材料なし
南海トラフ🟢 通常※→最新公式評価「特段の変化なし」
地殻変動🟡 注意→三陸・熊本の既知の余効変動が中心
海底観測品質🟡 注意※→N-net運用、DONET一部休止表示あり
電離圏・太陽・地磁気🔵 参考監視↓過去24hはG2到達、10/6は低下予測

※Earth Compass独自の監視優先度であり、気象庁の警報・注意報ではありません。「通常」は地震が起きないことを意味しません。

沖縄・八重山

🟡 注意 ↑小【本日の重点監視】

昨夜22時30分、石垣島北西沖でM4.6、深さ150km、最大震度1が観測されました。石垣市や竹富町周辺で弱い揺れとなる規模で、気象庁の緊急地震速報一覧でも10月6日朝時点の最新地震です。 気象庁データ

ここで重要なのは震源の深さです。9月30日の与那国島近海M6.0は深さ約10km、Mw5.8、横ずれ成分を含む逆断層型でした。対して昨夜の石垣島北西沖は深さ150kmです。少なくとも公開情報からは、9月30日のM6.0後の浅い活動が再び強まった、と判断する状況ではありません。 気象庁データ

9月30日の与那国M6.0後にはM4級が続きましたが、気象庁一覧ではその後、与那国島近海でM4級以上の顕著な続発は掲載されていません。今回のM4.6は別位置・別深度として扱うのが妥当です。 気象庁データ

したがって、八重山全体は「注意」を維持し、前日よりわずかに監視優先度を上げます。ただし「警戒」へ引き上げる材料はありません。

宮古島は10月4日のM3.9・最大震度2以降、新しい対象地震が掲載されていないため、注意を残しつつ低下方向です。 気象庁データ

トカラ・奄美

🟡 注意 →

10月5日08時39分、トカラ列島近海でM3.8、深さ90km、最大震度1が発生しました。10月3日には奄美大島北東沖M4.5もありましたが、その後、規模が段階的に拡大する動きは確認できません。 気象庁データ

今回のトカラM3.8も比較的深い地震です。過去のトカラ群発地震と単純に同一視することは避け、**「注意・横ばい」**で推移を見ます。

熊本・天草・芦北

🟡 注意 →

熊本では10月1~3日にM3級の有感地震が複数発生しました。気象庁は10月2日更新の「令和8年熊本地震」ポータルで、現在も平常時より地震発生数の多い状態は当分続くとしています。一方、最大震度5弱程度以上の地震が発生する可能性は以前より低下しているとの評価です。 気象庁

国土地理院の最新全国GNSS解析でも、7月28日の令和8年熊本地震後、熊本県を中心とする広い範囲で余効変動が確認されています。 国土地理院

したがって熊本は、地震の規模が上昇しているわけではありませんが、通常より活動量の多い状態+余効変動継続を理由に「注意」を維持します。

東北・三陸沖

🟡 注意 ↓

10月2日の三陸沖M5.0、10月3日のM4.3以降、気象庁の直近一覧には同海域の新たなM4~5級地震は追加されていません。短期的には沈静化方向です。 気象庁データ

一方、国土地理院の最新GNSS月次解析では、2026年4月20日の三陸沖地震および6月25日の岩手県沖地震後の余効変動が岩手県を中心に継続し、2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的余効変動も残っています。 国土地理院

したがって「通常」には戻さず、注意・低下方向とします。

首都圏・関東

🟡 注意 ↓

10月1日の千葉県北東部M5.1・最大震度3、10月2日の茨城県南部M3.9・最大震度2以降、気象庁の直近一覧には関東で新たな顕著な地震は追加されていません。 気象庁データ

国土地理院の最新月次GNSS解析では、関東・中部地方について**「特段の変化は見られません」**とされています。また、国土地理院の地殻変動に関する個別発表一覧は9月8日公表分が最新で、9月末~10月初めの地震に伴う新しい広域GNSS異常の個別発表は今朝まで掲載されていません。 国土地理院

これは「地殻変動がゼロ」という意味ではありません。新たな異常として公表されたものがないという意味です。

南海トラフ

🟢 通常 →

明日10月7日に定例評価予定

気象庁の最新公式評価は9月7日の第109回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会です。

結論は現在も、

「南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」

です。次回の定例評価は明日、10月7日に予定されています。 気象庁

静岡県西部~愛知県東部では2022年初頭から長期的ゆっくりすべりに伴うと推定される地殻変動があり、四国・紀伊半島では深部低周波地震や短期的ゆっくりすべりも観測されています。しかし気象庁は、これらは従来から繰り返し観測されてきた現象であり、プレート境界の固着状態に特段の変化を示すデータは得られていないと評価しています。 気象庁

最近の八重山、熊本、三陸、関東の地震を理由に、南海トラフ判定を引き上げる科学的根拠はありません。

ただし「通常」は安全宣言ではありません。気象庁自身も、南海トラフM8~9級は平常時から長期的な切迫性が高いことを明記しています。 気象庁

地殻変動

🟡 注意 →

国土地理院の最新全国GNSS月次解析で現在確認されている大きな特徴は、三陸・岩手県沖地震後の余効変動、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動、令和8年熊本地震後の地殻変動です。関東・中部および沖縄地方については、この最新月次解析では特段の変化は報告されていません。 国土地理院

また、国土地理院の個別発表一覧では最新掲載が9月8日です。9月30日の与那国M6.0や10月1日の千葉M5.1、昨夜の石垣島北西沖M4.6について、新しい個別GNSS解析は現時点で掲載されていません。 国土地理院

したがって現段階では、日本列島全体で新たな広域地殻変動が同時に立ち上がっていることを示す公開データは確認できません。

海底観測

🟡 観測品質上の注意 →

南海トラフ西部では、防災科研のN-net計36観測点が稼働する体制となっています。沖合18点・沿岸18点で、各ノードに地震計や水圧計を備え、海底で地震・津波を直接観測します。 防災ポータル

一方、防災科研の海底観測点作業情報では、サイト上で現在もDONET1の11点、DONET2の3点、計14点が観測休止中と表示されています。ただし、この休止一覧の更新日は2026年5月11日です。 海底情報サイト

ここは重要で、これは地震活動の異常ではなく観測網側のデータ品質・欠測に関する注意です。Earth Compassでは南海トラフの危険度を上げる材料には使用しません。

電離圏・太陽活動・地磁気

🔵 参考監視 ↓

昨日はG2、今日は低下予測

NOAA Space Weather Prediction Centerが10月5日12:30 UTC、日本時間21:30に発表した最新予報によると、過去24時間の最大Kpは6=G2(Moderate)磁気嵐に達しました。10月5日はコロナホール高速太陽風の影響でG1が予測されていましたが、実際の最大値はG2まで上昇しました。 NOAA SWPC Services

一方、10月6日の予測最大Kpは3.67で、G1以上の磁気嵐は予測されていません。NOAAの週間予報では10月6日は「Active」程度の地磁気活動が見込まれています。太陽放射線嵐S1以上は1%、R1~R2級の電波障害は5%予測です。 NOAA SWPC Services

NICTはGEONETを利用してTEC(全電子数)やROTIを監視しています。ROTIはTECの時間変化率のばらつきを示す指標で、プラズマバブルなどでも大きくなります。NICTの取得時の電離圏ページでは、F領域臨界周波数とTECは概ね静穏とされています。 NICT

したがって、仮に昨日から今日にTECやROTIが変化していたとしても、まず実際に観測されたG2磁気嵐など宇宙天気の影響を考慮する必要があります。

そしてEarth Compassでは、この点を明確にします。

TEC、ROTI、foF2、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気擾乱から、地震の日時・場所・規模を実用精度で予測する方法は確立されていません。

気象庁も、現在の科学的知見では地震の「時・場所・規模」を高い確度で限定する予測は困難としています。 気象庁

したがって宇宙天気・電離圏は参考監視に限定し、「注意→警戒」など地震リスク判定の引き上げには使用しません。

本日のEarth Compass総合評価

🟡 日本全国:注意 → 横ばい

全国としては、10月1日の千葉M5.1、10月2日の三陸M5.0以降、M5級の新規地震は確認されておらず、規模・頻度ともピーク時より低下しています。 気象庁データ

一方、昨日はトカラ列島近海M3.8、昨夜は石垣島北西沖M4.6があり、南西諸島側で小~中規模地震が続いたため、全国判定をさらに下げる段階ではありません。

現時点では、🟠警戒・🔴高警戒に該当する地域はありません。

南海トラフ公式評価に特段の変化はなく、新しい全国規模のGNSS異常も公表されていません。海底観測についても、新たな地震前兆を示す公式情報は確認されていません。 気象庁

今日のEarth Compassとしては、

「全国は概ね落ち着いた状態。八重山では深発M4.6を追加監視するが、9月30日の与那国M6.0との連動を示す根拠はない。熊本・三陸・関東は既往活動の経過監視を継続。南海トラフは明日の定例評価を確認する」

という整理が最も適切です。

防災上のコメント

石垣島・西表島・与那国島では、特別な行動変更が必要な状態ではありません。 昨夜のM4.6は深さ150kmで、最大震度も1でした。ただし、島しょ地域では地震の大きさを事前に判断することはできないため、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合は、津波情報を確認するとともに海岸から離れることを優先してください。

熊本では、気象庁が「平常時より地震発生数の多い状態は当分続く」としています。損傷した建物、石垣、ブロック塀、斜面などには引き続き注意が必要です。 気象庁

首都圏・三陸は落ち着く方向ですが、それは安全宣言ではありません。家具の固定、枕元の靴とライト、モバイルバッテリー、飲料水、家族との連絡方法と避難場所の確認を、活動が落ち着いている時に済ませておくことが最も実用的な備えです。


Earth Compassは地震予知ではありません。 専門機関が公開する地震観測、GNSS、プレート境界評価、海底地震・水圧観測、宇宙天気などを横断し、現在の観測状態が通常状態からどの程度離れているかを評価するリスクモニタリングです。科学的に確立されていない指標を「前兆」と断定せず、確立された地球物理観測を判定の中心に置きます。

主要データ:気象庁|最近1か月の緊急地震速報(予報)発表状況 / 気象庁|南海トラフ最新定例評価 / 国土地理院|最新全国地殻変動概況 / 防災科研|海底観測点作業情報 / NOAA SWPC|最新3-Day Forecast / NICT|電離圏監視

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