Earth Compass|2026年10月4日

日本列島の地殻活動リスクが🟡注意を維持している。M5級の地震は新たに発生せず、熊本では有感地震が続いている。短期的な活動強度は他地域で低下傾向。ただし、大規模地震の可能性は完全には排除されていないため、警戒が求められている。

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

本日の総合判定:🟡 注意
前日比:↓ 小幅低下
基準時刻:2026年10月4日 08:00 JST

今朝は、ここ数日続いたM5級の地震が新たに加わっておらず、全国の短期的な活動強度は昨日よりやや低下と評価します。一方、熊本では10月3日午後にM2.8〜M3.5の有感地震が短時間に複数発生し、気象庁も令和8年熊本地震後について「平常時より地震発生数の多い状態は当分続く」としています。このため全国判定は「通常」には下げず、🟡注意を維持します。 Yahoo!天気・災害

10月3日08時以降の主な変化は、09時11分の鹿児島湾M3.9、13時24分・26分の熊本県天草・芦北地方M3.0、M3.5、15時05分の奄美大島北東沖M4.5、その後の熊本地方のM2.8級の連続です。10月4日03時40分には宮崎県北部平野部でM2.8・最大震度1が発生しましたが、津波の心配はありません。 Yahoo!天気・災害

地域・観測項目判定前日比10月4日朝の評価
日本全国🟡 注意↓小M5級の新規発生なし。熊本の小規模活動は継続
熊本・天草・芦北🟡 注意↑小10/3午後に有感地震が複数。平常時より多い状態
東北・三陸沖🟡 注意↓10/3 M4.3以降、顕著な規模拡大なし
首都圏・関東🟡 注意↓千葉M5.1・茨城M3.9後、顕著な続発なし
与那国・八重山🟡 注意↓9/30 M6.0後、M4級以上の顕著な続発なし
奄美🟡 注意↑小10/3 奄美大島北東沖M4.5
日向灘・宮崎🟢 通常→今朝M2.8・震度1。短期評価を上げる規模ではない
沖縄本島・宮古島🟢 通常→新たな顕著な活動なし
北海道🟢 通常→短期判定を上げる材料なし
南海トラフ🟢 通常※→最新公式評価「特段の変化なし」
地殻変動🟡 注意→三陸・熊本の既知の余効変動が主体
海底観測品質🟡 注意※→DONET一部休止。N-netは36点体制
電離圏・太陽・地磁気🔵 参考監視↑本日G1磁気嵐の可能性。地震判定には不使用

※Earth Compass独自の「監視優先度」であり、気象庁の警報・注意報ではありません。

熊本・天草・芦北

🟡 注意 ↑小【本日の重点監視】

昨日13時24分に天草・芦北地方M3.0・震度2、13時26分にM3.5・震度2、その後15時08分、15時21分、17時17分にもM2.8級の有感地震が続きました。17時17分の熊本地方M2.8では最大震度2を観測しています。 Yahoo!天気・災害

規模はM2〜3級であり、より大きな地震へ段階的に移行しているとは判断できません。 しかし気象庁は10月2日更新の令和8年熊本地震ポータルで、現在も「平常時より地震発生数の多い状態は当分続く」としています。一方、最大震度5弱程度以上の地震が発生する可能性は以前より低下しています。 気象庁

国土地理院の最新月次GNSS解析でも、7月28日のM7.1後、熊本県を中心に広い範囲で地震後の地殻変動が継続しています。電子基準点「千丁」では本震に伴い北東方向約87cm、約33cmの沈降が観測され、その後も余効変動が確認されています。 国土地理院

したがって熊本は「注意」を維持し、昨日より監視優先度をわずかに上げます。

東北・三陸沖

🟡 注意 ↓

10月2日の三陸沖M5.0、3日05時34分のM4.3・最大震度2以降、今朝まで新たなM5級への規模拡大は確認していません。昨日より短期的な活動強度は下がっています。 Yahoo!天気・災害

ただし国土地理院の最新GNSS解析では、2026年4月20日の三陸沖地震と6月25日の岩手県沖地震後の余効変動が岩手県を中心に継続しています。2011年東北地方太平洋沖地震後の長期余効変動も続いています。 国土地理院

したがって「通常」には戻さず、注意・低下方向とします。

首都圏・関東

🟡 注意 ↓

10月1日の千葉県北東部M5.1、2日の茨城県南部M3.9以降、今朝まで同地域でそれを上回る顕著な有感地震は確認していません。短期的には沈静化方向です。

また国土地理院の「地殻変動に関する報道発表等」は、10月4日朝時点でも9月8日公表の8月分が最新で、千葉M5.1や直近の関東地震に伴う新しい個別GNSS速報は掲載されていません。 国土地理院

これは「変動が存在しない」という意味ではなく、広域的な異常変動として新たに公表されたものがないという意味です。最近のM5前後の活動を考慮し、もうしばらく「注意」を残します。

与那国島・石垣島・西表島

🟡 注意 ↓

9月30日の与那国島近海M6.0後、同日夜にM4.2、M4.1が続きましたが、その後、今朝まで新たなM4級以上の顕著な続発は確認されていません。

M6.0から約4日が経過し、初期の活動は明確に落ち着く方向です。現時点で石垣島・西表島を含む八重山全域の活動が拡大している状況ではありません。

ただしM6級からまだ日が浅いため、今日はもう一日**「注意・低下方向」**を維持します。今後も大きな続発がなければ、Earth Compassでは通常への引き下げを検討できる状態です。

奄美

🟡 注意 ↑小

10月3日15時05分、奄美大島北東沖でM4.5・深さ20km・最大震度1が発生しました。 Yahoo!天気・災害

9月には奄美周辺でM5前後の地震が複数ありましたので、単発のM4.5だけで「活動再上昇」と断定はしませんが、監視優先度を一時的に「注意」へ戻します。

南海トラフ

🟢 通常 →【公式評価に変更なし】

気象庁の最新定例評価は2026年9月7日の第109回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会です。

公式結論は現在も、

「南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」

です。次回定例会は10月7日に予定されています。 気象庁

静岡県西部〜愛知県東部では2022年初頭から長期的ゆっくりすべりに伴うと考えられる地殻変動が続き、四国・紀伊半島でも深部低周波地震や短期的ゆっくりすべりが観測されています。しかし気象庁は、これらについて従来から繰り返し観測されてきた現象で、プレート境界の固着状態に特段の変化を示すものではないと評価しています。 気象庁

熊本、三陸、関東、与那国、奄美で地震が続いていることを理由として、南海トラフ判定を引き上げる科学的根拠はありません。

地殻変動

🟡 注意 →

国土地理院の最新全国GNSS解析で現在明瞭なのは、三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動、令和8年熊本地震に伴う変動です。 国土地理院

一方、9月30日の与那国M6.0、10月1日の千葉M5.1、2〜3日の三陸沖の地震などについて、10月4日朝までに国土地理院から新たな個別GNSS速報は掲載されていません。 国土地理院

したがってEarth Compassでは、複数地域で地震は発生しているものの、日本列島規模で新しい広域地殻変動が同時に立ち上がっている状態とは確認できないと評価します。

海底観測

🟡 観測品質上の注意 →

南海トラフ西部ではN-netが高知県沖〜日向灘に36観測点を展開し、地震計・水圧計のデータを24時間連続で取得しています。沿岸・沖合各18点で構成され、2026年3月以降は全システムのデータが緊急地震速報や震源推定にも活用されています。 海底地形情報システム

一方、防災科研の最新公開「観測点作業情報」では、DONET1の11点、DONET2の3点、計14観測点が休止中と掲載されています。ページ自体は現在公開されていますが、休止リストの更新日は2026年5月11日です。 海底地形情報システム

9月29日には海底観測網のシステムメンテナンス告知も更新されています。これは地震活動の異常ではなく、観測網・データ品質側の注意事項として扱います。 海底地形情報システム

電離圏・太陽活動・地磁気

🔵 参考監視 ↑

本日はG1(Minor)磁気嵐の可能性

ここは昨日から明確な変化があります。

NOAA Space Weather Prediction Centerが10月3日12:30 UTC(日本時間21:30)に発表した最新3日予報によると、過去24時間の最大Kpは3でしたが、10月4日はコロナホール高速太陽風の影響によりG1(Minor)磁気嵐となる可能性が高いとされています。最大予測Kpは4.67で、特に03〜06 UTC、つまり日本時間12〜15時ごろにG1相当が予測されています。太陽放射線嵐S1以上、電波障害R1以上はいずれも1%予測です。 NOAA SWPC

NICTではGEONETを利用したTEC、TEC変動成分、ROTIなどによって日本上空の電離圏を監視しています。ROTIはTECの時間変化率のばらつきを示し、プラズマバブルなどの電離圏現象でも大きくなります。 宇宙天気予報

10月4日08時時点ではNICTの本日分の日報はまだ掲載されていないため、今朝の宇宙天気評価はNOAAの最新予報を中心にしています。 宇宙天気予報

そして重要なのは、

TEC・ROTIの変化、電離圏異常、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気擾乱から、地震の日時・場所・規模を実用精度で予測する方法は科学的に確立されていません。

特に今日は宇宙天気そのものによる地磁気・電離圏変化が予想されているため、仮にTECやROTIに変化が出ても、それを地震前兆と解釈することはできません。 Earth Compassでは地震リスク判定には加点せず、参考監視に限定します。

本日のEarth Compass総合評価

🟡 日本全国:注意 ↓ 小幅低下

昨日までと比べ、M5級の新しい地震がなく、三陸・関東・八重山では短期活動が低下しています。

一方で熊本では小規模有感地震が複数続き、奄美大島北東沖ではM4.5が発生しました。そのため全国を「通常」へ戻す段階ではありません。

現時点の評価は、

🟠 警戒:該当地域なし
🔴 高警戒:該当地域なし

です。

南海トラフの公式評価に変化はなく、新しい広域GNSS異常も公表されていません。海底観測網から地震活動そのものを示す新しい公式異常情報もありません。したがって、全国的な地震活動の連動や、大規模地震へ向けた一方向の進行を示す観測状態ではないと判断します。

防災上のコメント

今日の最重点は熊本・天草・芦北です。規模は小さいものの、昨日午後に有感地震が集中しています。既に損傷した建物、石垣、ブロック塀、斜面などには引き続き注意してください。 気象庁

三陸・関東・八重山は落ち着く方向ですが、これは「大きな地震が起きない」という意味ではありません。家具固定、ライト、靴、モバイルバッテリー、家族との連絡方法など、基本的な備えを平時から維持することが最も重要です。

石垣島・西表島・与那国島については、昨日よりさらに活動が低下しています。 普段通りの生活で問題ありませんが、島しょ部では強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合には、津波情報を待つだけではなく海岸から離れるという基本行動を優先してください。


Earth Compassは地震予知ではありません。 気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所、NICT、NOAAなど専門機関の公開情報を横断し、現在の観測状態が通常状態からどの程度離れているかを評価するリスクモニタリングです。

科学的に確立されていない指標を「前兆」と断定せず、地震活動、GNSS、プレート境界観測、海底地震・水圧観測など確立された観測を判定の中心とします。

主要データ:気象庁|令和8年熊本地震ポータル / 気象庁|南海トラフ最新定例評価 / 国土地理院|地殻変動に関する最新公表一覧 / 防災科研|海底観測点作業情報 / 防災科研|N-net / NOAA SWPC|最新3-Day Forecast / NICT|電離圏・TEC・ROTI監視

Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

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