日本列島・地殻活動リスクモニタリング
本日の総合判定:🟡 注意
前日比:→ 横ばい
基準時刻:2026年10月3日 08:00 JST
今朝は、昨日まで活動が目立っていた首都圏・八重山がやや落ち着く一方、三陸沖でM4.3、熊本で小規模な有感地震が複数続いています。 全国として活動が一段拡大したとは評価しませんが、三陸沖と熊本は監視優先度を維持・引き上げます。
10月3日05時34分、三陸沖でM4.3・深さ約10km・最大震度2。宮古市で震度2、青森・岩手・宮城の広い範囲で震度1を観測しました。津波の心配はありません。前日の10月2日02時17分にも同海域でM5.0・最大震度2が発生しており、三陸沖では活動が継続しています。 FNN
熊本では10月2日15時41分に天草・芦北地方M3.5、17時39分に熊本地方M3.1・最大震度3、その後10月3日03時17分に熊本地方M2.8・最大震度2、06時41分に天草・芦北地方M2.4・最大震度1が発生しています。気象庁は令和8年熊本地震後について、現在も**「平常時より地震発生数の多い状態は当分続く」**との見通しを維持しています。 気象庁データ
| 地域・観測項目 | 判定 | 前日比 | 今朝の評価 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | → | 三陸・熊本が継続、関東・八重山は低下方向 |
| 東北・三陸沖 | 🟡 注意 | → | 10/2 M5.0 → 10/3 M4.3。規模拡大ではないが継続 |
| 熊本・天草・芦北 | 🟡 注意 | ↑ | 小規模有感地震が連続。熊本地震後の活動域 |
| 首都圏・関東 | 🟡 注意 | ↓小 | 千葉M5.1・茨城M3.9後、昨朝以降は顕著な続発なし |
| 与那国島・八重山 | 🟡 注意 | ↓ | 9/30 M6.0後、M4級の新たな顕著な続発なし |
| トカラ列島 | 🟡 注意 | ↓小 | 10/2 M3.3・震度3後、活動拡大を確認せず |
| 日向灘・九州東部 | 🟢 通常 | ↓ | 9/21 M4.8以降、目立った規模拡大なし |
| 奄美 | 🟢 通常 | ↓ | 9月のM5前後活動から時間経過 |
| 沖縄本島・宮古島 | 🟢 通常 | → | 新たな顕著な変化なし |
| 北海道 | 🟢 通常 | → | 短期判定を上げる材料なし |
| 南海トラフ | 🟢 通常※ | → | 最新公式評価「特段の変化なし」 |
| 地殻変動 | 🟡 注意 | → | 三陸・熊本の既知の余効変動が主体 |
| 海底観測品質 | 🟡 注意※ | → | DONETの一部観測休止情報を継続確認 |
| 電離圏・太陽・地磁気 | 🔵 参考監視 | → | 10/3は地磁気やや活発予想、地震評価には不使用 |
※「通常・注意・警戒・高警戒」はEarth Compass独自の監視優先度であり、気象庁の警報・注意報ではありません。「通常」は地震が起こらないことを意味しません。
東北・三陸沖
🟡 注意 →【本日の重点監視】
10月2日のM5.0に続き、今朝05時34分に三陸沖でM4.3が発生しました。今朝の地震はM5.0を上回っておらず、現時点では規模が段階的に増大しているパターンではありません。 FNN
一方、国土地理院の最新全国GNSS解析では、岩手県を中心とする広い範囲で、4月20日の三陸沖地震と6月25日の岩手県沖地震後の余効変動が現在も継続しています。さらに2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的な余効変動も続いています。 国土地理院
今朝のM4.3に対応する新しい国土地理院の個別GNSS解析は、08時時点の公開資料一覧には掲載されていません。これは「地殻変動がない」という意味ではなく、新しい公開解析がまだ出ていないという意味です。 国土地理院
三陸沖はS-netによって日本海溝から千島海溝まで150地点で24時間連続の海底地震・水圧観測が行われています。現段階では、地震活動と既知の余効変動を継続監視する局面と判断します。 海底情報ネットワーク
判定は注意を維持。警戒へ引き上げる材料はありません。
熊本・天草・芦北
🟡 注意 ↑【監視優先度を小幅引き上げ】
昨日午後から今朝にかけて小規模ながら有感地震が続きました。特に10月2日17時39分の熊本地方M3.1では宇城市で最大震度3を観測しています。10月3日03時17分にもM2.8・最大震度2、06時41分には天草・芦北地方M2.4・震度1がありました。 FNN
規模そのものはM2~3級であり、大きくなる方向への明確な系列ではありません。 ただし、7月28日のM7.1「令和8年熊本地震」後の活動域であり、気象庁も10月2日更新のポータルで「平常時より地震発生数の多い状態は当分続く」としています。最大震度5弱程度以上の地震の発生可能性は低下しているとも評価されています。 気象庁
国土地理院の最新GNSS解析でも、熊本県を中心とする広い範囲に令和8年熊本地震に伴う地殻変動が残っています。 国土地理院
したがって本日は、規模ではなく発生頻度の増加を理由に「注意」の中で一段監視を強める評価とします。
首都圏・関東
🟡 注意 ↓小
10月1日21時27分に千葉県北東部M5.1・最大震度3、その後M3級が続き、10月2日06時01分には茨城県南部M3.9・最大震度2が発生しました。 日テレ防災ニュース
しかし、今朝までに確認できた公開情報では、昨日06時01分以降、これらを上回る新たな有感地震の続発は確認していません。最近数日の活動を考慮して「注意」は残しますが、前日比は小幅低下です。
また、国土地理院の公開一覧には10月1日の千葉M5.1や10月2日の茨城M3.9に対応する新しい緊急GNSS解析は今朝まで掲載されていません。広域的な地殻変動異常と地震活動が同時に立ち上がった状況とは、現段階では評価できません。 国土地理院
与那国島・石垣島・西表島
🟡 注意 ↓
9月30日14時00分、与那国島近海でM6.0・深さ約10km・最大震度3が発生し、その後19時37分にM4.2、21時03分にM4.1が続きました。 気象庁データ
その後、今朝までに同海域で新たなM4級以上の顕著な続発は確認していません。M6級発生から約3日で、初期の活動は明らかに落ち着く方向です。
ただし、まだ発生直後の期間であるため、石垣島・西表島・与那国島は今日も「注意」を維持し、前日比は低下とします。
今回のM6.0を関東、熊本、三陸の地震と結びつけて「日本全体が連動している」と判断できる科学的根拠はありません。
トカラ列島・日向灘・奄美
10月2日04時05分のトカラ列島近海M3.3・最大震度3以降、今朝まで目立った規模拡大は確認されていません。昨日は監視優先度を上げましたが、現時点で新たな群発活動へ移行したと判断できるデータはありません。 FNN
日向灘も9月21日のM4.8以降、M4~5級が連続する状況にはなっておらず、今日は通常へ戻します。 奄美についても9月のM5前後の活動から時間が経過し、新しい活発化がないため通常とします。
南海トラフ
🟢 通常 →
公式評価に変更なし
気象庁の最新定例評価は9月7日の第109回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会です。
公式結論は現在も、
「南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」
です。 気象庁データ
したがって、三陸・熊本・関東・与那国で地震が続いていることを理由として、南海トラフ評価を引き上げることはしません。それぞれ異なるテクトニック環境で発生しており、現時点で一連の現象と結びつける証拠はありません。
なお「平常時」は安全宣言ではありません。気象庁はM8~9クラスの南海トラフ地震について、平常時から長期的な切迫性が高い状態としています。次回の定例評価は10月7日の予定です。
地殻変動
🟡 注意 →
現在、国土地理院の全国GNSS解析で明瞭に確認されている主要変動は、三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動、令和8年熊本地震に伴う地殻変動です。 国土地理院
一方、ここ数日の与那国M6.0、千葉M5.1、三陸M5.0・M4.3について、新しい広域GNSS異常を示す個別速報は今朝の公開一覧にはありません。 国土地理院
したがって、新しい全国規模の地殻変動異常が始まった状態ではないというのが現時点の最も慎重な評価です。
海底観測
🟡 観測品質上の注意 →
南海トラフ西部ではN-netが高知県沖~日向灘に36観測点を配置し、地震計と水圧計のデータを24時間連続送信しています。 海底情報ネットワーク
DONETについては、防災科研の観測点作業情報に現在もDONET1の11点、DONET2の3点、合計14点が観測休止中と表示されています。ただし、この一覧の最終更新日は2026年5月11日です。 海底情報ネットワーク
このためEarth Compassでは、これは地震リスクそのものではなく観測データの完全性に関する注意として扱います。南海トラフの判定をこれだけで引き上げることはしません。
電離圏・太陽活動・地磁気
🔵 参考監視
10月3日は「やや活発」の可能性。ただし地震判定には加点しません。
NOAAが10月2日12:35 UTC、日本時間21:35に発表した最新3日予報では、過去24時間に観測された最大Kpは2でした。10月3日の予測Kpは最大3.67で、地磁気は一時的にActiveレベルとなる可能性がありますが、G1磁気嵐は今日10月3日には予測されていません。 10月4日はG1となる可能性があります。 NOAA SWPC
NICTが監視するTEC(全電子数)やROTIは、太陽活動、地磁気擾乱、昼夜、季節、緯度などによって自然に変動します。ROTIは特にプラズマバブルなどによる電離圏密度の細かな変動を捉える指標です。 宇宙天気予報
ここはEarth Compassで引き続き明確に区別します。
TEC・ROTIの異常、電離圏変化、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気変化から地震の日時・場所・規模を実用精度で予測する方法は、科学的に確立されていません。
特に10月3~4日は宇宙天気自体による電離圏・地磁気変動が起こり得るため、仮にTECなどに変化が見られても、それを地震前兆と解釈することはできません。 Earth Compassでは参考監視に限定します。
本日の総合評価
🟡 日本全国:注意 → 横ばい
昨日との違いは、活動の重点が少し移動したことです。
首都圏ではM5.1後の活動が一旦低下し、与那国M6.0後も沈静化方向です。その一方で、三陸沖ではM5.0の翌日にM4.3が発生し、熊本ではM2~3級の有感地震が複数続きました。
しかし現時点では、
🟠 警戒:該当地域なし
🔴 高警戒:該当地域なし
と評価します。
地震活動が複数地域でみられる一方、南海トラフ公式評価の変化、新しい広域GNSS異常、海底観測からの公式な異常情報など、独立した複数の確立観測系が同時に新しい異常を示す状況は確認されていません。
今日のEarth Compassとしては、**「全国的な連動や規模拡大ではない。三陸沖と熊本を重点監視し、関東と八重山は注意を残しながら経過を見る」**が最も適切な整理です。
防災上のコメント
三陸沿岸では、今朝も海域で地震が発生しています。今回のM4.3に津波の心配はありませんが、今後、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合は、津波情報だけを待たず海岸から離れる基本行動を優先してください。
熊本では規模の大きな地震が増えているわけではありませんが、平常時より活動の多い状態が続いています。強く揺れた地域では、石垣、ブロック塀、斜面、既に損傷した建物への注意を継続してください。 気象庁
石垣島・西表島・与那国島は「注意」ですが、昨日より状況は落ち着いています。 特別な行動変更が必要な状態ではありません。普段通り生活しつつ、地震・津波情報を確認できる状態を維持するのが妥当です。
Earth Compassは地震予知ではありません。 気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所、NICT、NOAAなどの公開観測情報を横断し、現在の観測状態が通常範囲からどの程度離れているかを評価するリスクモニタリングです。科学的に確立していない指標は判定根拠から切り離し、地震活動、GNSS、プレート境界評価、海底観測など確立された観測を中心に評価しています。
主要データ:気象庁|南海トラフ地震に関連する最新定例評価 / 気象庁|令和8年熊本地震ポータル / 国土地理院|最新全国地殻変動概況 / 防災科研|N-net / 防災科研|海底観測点作業情報 / NOAA SWPC|3-Day Forecast / NICT|電離圏・TEC監視
Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

