Earth Compass|2026年10月2日

日本の地震リスクモニタリングは現在、首都圏・関東と三陸沖で地震活動が増加していることを受け、「注意」の評価をしています。特に千葉県北東部や三陸沖でのM5級の地震が観測されており、地域ごとに監視優先度が上がっています。

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

本日の総合判定:🟡 注意
前日比:↑ 上昇
基準時刻:2026年10月2日 07:55 JST

今朝は、首都圏・関東と三陸沖の活動上昇が最大の変化です。10月1日21時27分に千葉県北東部M5.1・深さ50km・最大震度3、4分後に同地域M3.6、10月2日02時17分には三陸沖M5.0・深さ10km・最大震度2が発生しました。さらに04時05分にトカラ列島近海M3.3・最大震度3、06時01分には茨城県南部M3.9・最大震度2が続いています。前夜20時26分には熊本県熊本地方でもM3.5・最大震度2が発生しました。 気象庁データ

ただし、これらを日本列島規模で連動した一つの異常現象と判断する科学的根拠はありません。 震源域もテクトニクスも異なり、南海トラフ公式評価の変更や、新たな広域GNSS異常の公表もありません。このため総合判定は「警戒」ではなく、注意の中で前日より監視優先度を上げる評価とします。

地域・観測項目判定前日比10月2日朝の評価
日本全国🟡 注意↑関東M5.1・三陸M5.0など複数地域で活動増加
首都圏・関東🟡 注意↑↑千葉M5.1→M3.6、茨城M3.9。重点監視
東北・三陸🟡 注意↑三陸沖M5.0。既往大地震後の余効変動も継続
与那国島・八重山🟡 注意↓小9/30 M6.0後、顕著なM4級以上の追加は確認されず
熊本・天草・芦北🟡 注意→10/1 M3.5。平常時より活発な状態を継続監視
トカラ列島🟡 注意↑小10/2 M3.3・最大震度3
日向灘・九州東部🟡 注意↓9/21 M4.8以降、M4級の顕著な拡大なし
奄美🟡 注意↓9月のM5前後活動後、沈静化方向
沖縄本島🟢 通常→新しい顕著な活動なし
宮古島🟢 通常→判定引き上げ材料なし
南海トラフ🟢 通常※→最新公式評価「特段の変化なし」
地殻変動🟡 注意→東北・熊本の既知の余効変動が主体
海底観測品質🟡 注意※→DONET一部休止情報あり
電離圏・太陽・地磁気🔵 参考監視↑10/2はG1磁気嵐の可能性。ただし地震判定には不使用

※Earth Compass独自の監視優先度であり、気象庁の警報・注意報ではありません。


首都圏・関東

🟡 注意 ↑↑【本日の最重点監視】

10月1日21時27分、千葉県北東部でM5.1、深さ約50km、最大震度3が発生しました。気象庁のCMT解析ではMw5.3、逆断層型です。21時31分には同じ千葉県北東部でM3.6・最大震度1が続きました。 気象庁データ

さらに今朝06時01分には茨城県南部M3.9・深さ50km・最大震度2が発生しています。茨城県南部では9月29日にもM4.9・最大震度4が起きているため、この3日間では関東周辺でM5前後を含む地震が複数回発生したことになります。 気象庁データ

このため昨日の「注意」から、注意の中でも監視優先度を上げます。

一方、国土地理院の地殻変動に関する公開速報一覧では、今朝まで10月1日の千葉M5.1や今朝の茨城M3.9に対応する新しい緊急GNSS解析は掲載されていません。最新の全国月次解析は9月8日公表の8月分です。したがって、現時点では地震活動側は上昇しているが、独立した広域地殻変動異常が同時確認された段階ではないと整理します。なお「公表なし」は「変動なし」を意味しません。 国土地理院

現時点で**🟠警戒へ上げる根拠はありません。**


東北・三陸

🟡 注意 ↑

10月2日02時17分、三陸沖でM5.0、深さ約10km、最大震度2が発生しました。CMT解は逆断層型です。 気象庁データ

国土地理院の最新月次GNSS解析では、岩手県を中心に2026年4月20日の三陸沖地震と6月25日の岩手県沖地震後の余効変動が継続し、2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的余効変動も残っています。 国土地理院

今回のM5.0だけからさらに大きな地震を示唆することはできませんが、既往大地震後の変動が続く三陸沖でM5級が再発したため、本日は監視優先度を一段上げます。


与那国島・石垣島・西表島

🟡 注意 ↓小

9月30日14時00分の与那国島近海M6.0・最大震度3では、CMT解析でMw5.8、横ずれ成分を含む逆断層型が示されています。その後、同海域でM4.2、M4.1が続きました。 気象庁データ

気象庁の最新EEW対象一覧では、9月30日21時03分のM4.1以降、10月2日07時55分まで与那国島近海の新しい対象地震は掲載されていません。したがって、顕著な活動は一旦低下方向です。 気象庁データ

ただしM6.0からまだ約2日しか経過しておらず、Earth Compassでは与那国島・石垣島・西表島を通常には戻さず「注意」継続とします。

なお、気象庁の9月30日の詳細震源リストを見ると、M6級本震直後には与那国島近海でM3級を含む複数の小地震が記録されています。これは大きな地震後に一般的にみられる活動であり、それだけで次の大地震の前兆とは判断できません。 気象庁データ


熊本・天草・芦北

🟡 注意 →

10月1日20時26分、熊本県熊本地方でM3.5・ごく浅い・最大震度2が発生しました。 気象庁データ

規模は小さいものの、7月28日の令和8年熊本地震以降、地震活動と余効変動が続いている地域です。最新GNSS解析でも熊本県を中心とする広い範囲に地殻変動が確認されています。 国土地理院

熊本は注意・横ばいを維持します。


トカラ列島

🟡 注意 ↑小

10月2日04時05分、トカラ列島近海M3.3・深さ10km・最大震度3が発生しました。 気象庁データ

トカラ列島近海では2025年6月から非常に活発な地震活動が発生し、気象庁は2026年1月時点でも活動が継続しているとしていました。今回のM3.3自体は大きな地震ではありませんが、過去の活動履歴を踏まえて「注意」とします。 気象庁

ただし、今朝の1地震だけから再び大規模な群発活動へ移行したと判断することはできません。


南海トラフ

🟢 通常 →

10月2日朝の時点で、気象庁が掲載する最新の定例評価は9月7日の第109回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会です。

結論は、

「南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」

で、現在も新たな南海トラフ地震臨時情報は掲載されていません。 気象庁データ

静岡県西部~愛知県東部では2022年初頭から長期的ゆっくりすべりに伴うと推定される地殻変動、四国・紀伊半島では深部低周波地震・微動や短期的ゆっくりすべりが観測されていますが、気象庁はこれらを従来から繰り返し観測されてきた現象と評価しています。 気象庁データ

今回の千葉M5.1、三陸M5.0、与那国M6.0、トカラM3.3を理由に南海トラフ判定を上げる科学的根拠はありません。

したがって**🟢通常**を維持します。

なお「通常」は安全宣言ではなく、気象庁は南海トラフM8~9級について、平常時から長期的な切迫性が高い状態と明記しています。 気象庁データ


地殻変動

🟡 注意 →

国土地理院の最新全国GNSS月次解析で明瞭なのは、

三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動、
2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動、
令和8年熊本地震に伴う地殻変動

です。 国土地理院

一方、9月30日の与那国M6.0、10月1日の千葉M5.1、10月2日の三陸M5.0について、国土地理院の公開「地殻変動に関する報道発表等」には今朝まで新しい個別解析は掲載されていません。 国土地理院

したがって本日は、地震活動は上昇したが、新たな広域GNSS異常の公開確認には至っていない状態です。


海底観測

🟡 観測品質上の注意 →

南海トラフ西部では、防災科研のN-net計36観測点が高知県沖~日向灘を24時間連続観測しています。N-netは沖合18点・沿岸18点で構成され、沿岸側も2026年3月から緊急地震速報等への活用が始まっています。 防災科学技術研究所

一方、防災科研の現行「観測点作業情報」には、DONET1の11点、DONET2の3点、計14点が観測休止中と掲載されています。ただし、このページの最終更新日は2026年5月11日です。 海底情報サイト

これは地震活動の異常ではなく、観測データの完全性に関する注意事項です。Earth Compassの地震リスク判定には直接加点しません。


電離圏・太陽活動・地磁気

🔵 参考監視 ↑【今日はG1磁気嵐の可能性】

宇宙天気には今日は変化があります。

NOAAが10月1日12:30 UTCに発表した最新3日予報では、過去24時間の最大Kpは1と静穏でしたが、10月2日は9月28日に発生したCMEの到来によりG1(Minor)磁気嵐となる可能性が高いとしています。予測最大Kpは**4.67(G1)**です。10月2日のS1以上の太陽放射線嵐確率は1%、R1~R2級電波障害確率は10%です。 SWPC Services

NICTは、日本上空のfoF2やGEONETを用いたTECを監視しています。TECや電離圏電子密度は、昼夜、季節、緯度、太陽活動、そして磁気嵐によって変化することが明記されています。 宇宙天気予報

したがって今日は特に重要です。

もしTECや電離圏に通常より大きな変動が現れても、まずCME・地磁気擾乱による宇宙天気起源を考える必要があります。

TEC、ROTI、電離圏異常、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気擾乱から、地震の日時・場所・規模を実用精度で予測する科学的方法は現在確立されていません。

Earth Compassではこれらを参考監視として掲載しますが、地震の「注意→警戒」判定を引き上げる材料には使用しません。


本日のEarth Compass総合評価

🟡 日本全国:注意 ↑

昨日朝との最大の違いは、八重山だけではなく、本州側でもM5級が続いたことです。

10月1日夜から今朝にかけて、

千葉県北東部 M5.1/震度3
三陸沖 M5.0/震度2
茨城県南部 M3.9/震度2
トカラ列島近海 M3.3/震度3
熊本県熊本地方 M3.5/震度2

が発生しています。 気象庁データ

一方、

南海トラフ公式評価に変更なし、
新しい広域GNSS異常の公表なし、
与那国M6.0後の顕著なM4級以上の活動は一旦低下、
複数地域の地震を一つの連鎖現象と判断する証拠なし

という状況です。 気象庁データ

したがって本日は、

🟠 警戒:該当地域なし
🔴 高警戒:該当地域なし

とします。

今朝のEarth Compassとしては、**「全国的な異常化ではないが、首都圏・関東と三陸沖を中心に監視優先度を上げ、八重山はM6.0後の経過観察を継続する」**という評価が最も適切です。

防災上のコメント

今日の最重点は首都圏・関東、三陸沖、八重山・与那国です。

首都圏では短期間にM5前後が続いているため、家具や棚の固定、枕元の靴・ライト、モバイルバッテリー、家族との連絡方法を再確認してください。これは「大地震が来る」という意味ではなく、実際に地震活動がやや高まっている時期に基本的な備えを再確認するという位置づけです。

三陸沿岸では、海域地震の場合は揺れの強さだけで判断せず、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた際には津波情報を確認し、必要ならすぐ高台へ移動する基本行動を優先してください。

石垣島・西表島・与那国島は本日も「注意」です。 与那国M6.0後の顕著な活動は今のところ低下していますが、まだ発生から約2日です。普段通り生活しつつ、今日は地震・津波情報を少し意識して確認しておくのが妥当です。


Earth Compassは地震予知ではありません。 気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所、NICT、NOAAなどの専門機関が公開する観測データを横断し、現在の観測状態が通常状態からどの程度離れているかを評価するリスクモニタリングです。

科学的に確立されていない指標を「前兆」と断定せず、地震活動、GNSS、プレート境界観測、海底観測など、物理的に確立された観測を判定の中心に置きます。

データ出典・参考資料

気象庁|緊急地震速報(予報)発表状況 / 気象庁|千葉県北東部M5.1 CMT解 / 気象庁|三陸沖M5.0 CMT解 / 気象庁|南海トラフ地震に関連する情報 / 国土地理院|令和8年8月の地殻変動 / 防災科研|海底観測点作業情報 / NICT|電離圏嵐・TEC監視 / NOAA SWPC|最新3-Day Forecast

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