Earth Compass|2026年9月30日

日本列島では、9月29日に茨城県南部でM4.9の地震が発生し、その後新たな地震は確認されていません。全国的に地震活動は「注意」レベルが維持されていますが、熊本では依然として地震数が多い状態です。全体的には活動がやや低下しています。

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

本日の総合判定:🟡 注意
前日比:↓ 小幅低下
基準時刻:2026年9月30日 08:01 JST

今朝のポイントは、9月29日04時45分の茨城県南部M4.9・最大震度4以降、気象庁の緊急地震速報(予報)対象となる新しい地震が掲載されていないことです。昨日はこのM4.9を受け全国評価を小幅に引き上げましたが、その後およそ1日、M4級以上を含む新たな対象地震が続いていないため、全国の活動強度は「注意」の範囲内でやや低下と評価します。なお、この一覧はすべての微小地震を網羅する震源カタログではありません。 気象庁データ

地域・観測項目判定前日比9月30日朝の評価
日本全国🟡 注意↓小茨城M4.9後、新たなEEW対象地震なし
首都圏・関東🟡 注意→M4.9・震度4から約1日、活動拡大は確認されず
熊本・天草・芦北🟡 注意→平常時より地震数が多い状態を継続
東北・三陸・宮城沖🟡 注意→大地震後の余効変動を継続監視
日向灘・九州東部🟡 注意↓9/21 M4.8以降、同規模の更新なし
奄美・南西諸島北部🟡 注意↓9/22 M4.9以降、沈静化方向
沖縄本島🟢 通常→9/27 M3.5以降、顕著な拡大なし
宮古・石垣・西表・与那国🟢 通常→新たな顕著な活動なし
北海道🟢 通常→判定引き上げ材料なし
南海トラフ🟢 通常※→最新公式評価「特段の変化なし」
地殻変動🟡 注意→熊本・東北の既知の余効変動が主体
海底観測品質🟡 注意※→DONET一部観測点休止情報を継続確認
電離圏・太陽・地磁気🔵 参考監視→地磁気は静穏、地震判定には不使用

※Earth Compass独自の監視優先度であり、気象庁の警報・注意報ではありません。「通常」も地震が起こらないことを意味しません。


首都圏・関東

🟡 注意 →【本日の重点監視】

昨日29日04時45分、茨城県南部でM4.9、深さ約50km、最大震度4の地震が発生しました。気象庁の初動発震機構解は逆断層型です。 気象庁データ

同じ「茨城県南部」という震央区分では、9月17日にM4.8・最大震度3、22日にM3.9・最大震度3も記録されています。ただし、同じ震央地名だからといって同一断層上の連続的な活動と断定することはできません。29日のM4.9後、30日08時01分まで気象庁のEEW対象一覧に新しい地震は追加されていません。 気象庁データ

国土地理院の「地殻変動に関する報道発表等」では、今朝の時点でも9月8日公表資料が最新で、29日のM4.9に伴う新しい緊急GNSS解析は掲載されていません。つまり、「地殻変動がない」と断定するのではなく、現時点では地震活動側だけが上昇し、独立した広域地殻変動異常が確認された状態ではない、と整理するのが適切です。 地理院地図

したがって、首都圏・関東は昨日と同じ注意を維持しますが、警戒へ引き上げる材料はありません。


熊本・天草・芦北

🟡 注意 →

熊本では9月26日の熊本県熊本地方M4.5・最大震度4、M3.6・最大震度3以降、気象庁のEEW対象一覧に新しい熊本の地震は追加されていません。 気象庁データ

ただし気象庁は9月24日の最新見通しで、令和8年熊本地震後は平常時より地震発生数の多い状態が当分続くとしています。一方で、最大震度5弱程度以上の地震が起きる可能性は低下し、その頻度は「1か月に1回程度」に相当する水準を下回ったと評価しています。 気象庁

国土地理院でも、7月28日のM7.1後に熊本県を中心とする広範囲で余効変動が継続しています。 地理院地図

したがって熊本は、活動は減衰しているが通常状態には戻っていないという位置づけで「注意」を維持します。


東北・三陸

🟡 注意 →

直近のEEW対象地震は9月28日21時04分の宮城県沖M3.5・最大震度1です。その後、東北で新しいM4級以上の掲載はありません。 気象庁データ

国土地理院の最新GNSS解析では、4月20日の三陸沖地震と6月25日の岩手県沖地震後の余効変動が岩手県を中心に継続しており、2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的余効変動も確認されています。 地理院地図

これらは現在把握されている大地震後の地殻調整であり、新しい異常が急に生じたという意味ではありません。東北は注意・横ばいです。


日向灘・奄美

🟡 注意 ↓

日向灘は9月18日M4.3、19日M4.0、21日M4.8・最大震度3とM4級が続きましたが、21日以降はEEW対象一覧に新しい日向灘M4級がありません。奄美も13日M5.1、20日M5.0、22日M4.9の後、同規模の地震は追加されていません。 気象庁データ

両地域とも短期的には沈静化方向です。ただし直近1~2週間にM5前後を含む活動があったため、Earth Compassではもう一段階「注意」を残します。

この活動だけから南海トラフ巨大地震の短期的な切迫性が高まったと評価することはできません。


沖縄・宮古・八重山・与那国

🟢 通常 →

沖縄本島周辺では9月25日M4.0、26日M3.8、27日M3.5がありましたが、その後、規模が上昇する地震活動はEEW対象一覧にありません。 気象庁データ

石垣島・西表島・与那国島についても新しい顕著な活動は確認していません。 八重山で直近のM4級は9月9日の西表島付近M4.0、与那国島近海M4.2で、いずれも震度1以上は観測されませんでした。 気象庁データ

したがって本日も、沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島・与那国島は🟢通常を維持します。


南海トラフ

🟢 通常 →

気象庁の最新公式評価は9月7日の第109回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会です。

現在も、**「南海トラフ沿いの大規模地震の発生可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」**との評価が維持されています。9月30日朝まで、新たな南海トラフ地震臨時情報は発表されていません。 気象庁データ

四国西部などの深部低周波地震・微動や、静岡県西部~愛知県東部の長期的ゆっくりすべりなどは監視対象ですが、現在の公式評価ではプレート境界の状態に特段の変化を示すものとはされていません。 気象庁データ

昨日の茨城県南部M4.9は南海トラフ監視領域とは別の地震活動であり、南海トラフ判定を上げる根拠にはなりません。

したがって**🟢通常**を維持します。ただし気象庁が明記している通り、「平常時」であってもM8~9級地震の長期的切迫性は高い状態です。 気象庁データ


地殻変動

🟡 注意 →

最新の全国GNSS解析で明瞭なのは、三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動、令和8年熊本地震に伴う地殻変動です。 地理院地図

9月29日の茨城県南部M4.9については、9月30日朝の時点で国土地理院の新しい個別地殻変動資料は掲載されていません。 地理院地図

したがって全国の地殻変動は注意・横ばい。現時点で「複数地域で新しい広域変動が同時に立ち上がっている」という状態ではありません。


海底観測

🟡 観測品質上の注意 →

高知県沖~日向灘では、N-netが沖合・沿岸各18点、計36観測点で地震計・水圧計による24時間連続観測を行っています。南海トラフ西部の観測空白域を補う重要な監視網です。 海底科学情報センター

防災科研の「観測点作業情報」では、現在もDONET1の11点、DONET2の3点、計14観測点が機器調整等で休止中と表示されています。ただし同ページの更新日は2026年5月11日です。 海底科学情報センター

これは地震リスクそのものではなく、データ完全性・観測品質上の注意です。地震発生判定には直接加点しません。


電離圏・太陽活動・地磁気

🔵 参考監視 — 静穏

NOAAが9月29日12:30 UTC、つまり日本時間29日21:30に発表した最新3日予報では、過去24時間の最大Kpは2で、9月30日~10月1日についても最大Kpは2程度。G1以上の地磁気嵐は予想されていません。 S1以上の太陽放射線嵐確率は1%、R1~R2級電波障害は10%です。 NOAA SWPC Services

NOAAの実測Kpデータでも、29日のKpは概ね0.33~2.0で推移しており、大きな地磁気擾乱は確認されていません。 NOAA SWPC Services

NICTは太陽フレア、太陽風、地磁気擾乱、電離圏嵐、TECなどを継続監視していますが、その情報は主として通信、放送、GNSS、人工衛星などへの宇宙天気影響を評価するためのものです。 宇宙天気予報

Earth Compassでは、

TEC・ROTIの変化、電離圏異常、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気擾乱から地震の日時・場所・規模を実用精度で予測する方法は、現在科学的に確立されていない

という線引きを維持します。

特に今回は、茨城県南部M4.9が発生した一方で、宇宙天気・地磁気は静穏です。地震と宇宙天気を後付けで結びつけることはせず、参考監視に限定します。


本日のEarth Compass総合評価

🟡 日本全国:注意 ↓ 小幅低下

昨日は茨城県南部M4.9・最大震度4の発生により活動強度を引き上げましたが、その後30日08時01分まで、気象庁のEEW対象一覧に新しい地震は追加されていません。 気象庁データ

一方で、首都圏ではM4.9発生からまだ約1日、熊本では平常時より地震数の多い状態が継続し、東北では大地震後の余効変動も続いています。このため全国を「通常」まで下げる段階ではありません。 気象庁

🟠 警戒:該当地域なし
🔴 高警戒:該当地域なし

現在、地震活動・GNSS・南海トラフ評価・海底観測など複数の確立された独立観測系が同時に新しい異常を示している状況は確認していません。

防災上のコメント

今日の重点監視は首都圏・関東、熊本、東北です。

首都圏では昨日震度4を観測したばかりです。特別な避難行動が必要な状態ではありませんが、家具・棚の固定、枕元の靴とライト、モバイルバッテリー、家族との連絡方法を再確認するには良いタイミングです。

熊本では活動が減衰していても、気象庁が平常時より地震数の多い状態が当分続くとしています。損傷した建物、石垣、ブロック塀、斜面には引き続き注意してください。 気象庁

石垣島・西表島・与那国島は本日も通常判定です。 八重山で活動上昇を示す新しい材料はありません。ただし島しょ部では、強い揺れ、あるいは弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合、海岸から離れ高台へ移動するという津波防災の原則を常に優先してください。


Earth Compassは地震予知ではありません。 気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所、NICT、NOAAなど専門機関の公開データを横断し、現在の観測状態が通常範囲からどの程度離れているかを整理するリスクモニタリングです。

科学的に確立していない指標を「前兆」と断定せず、地震活動、GNSS、プレート境界、海底観測など、物理的に確立された観測を評価の中心に置きます。

データ出典・参考資料

気象庁|緊急地震速報(予報)発表状況
気象庁|9月29日 茨城県南部M4.9
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
気象庁|令和8年熊本地震ポータル
国土地理院|令和8年8月の地殻変動
防災科研|海底観測点作業情報
NICT|宇宙天気予報
NOAA|最新3-Day Forecast

Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

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