Earth Compass|2026年9月29日

9月29日の地殻活動リスクモニタリングでは、日本全国が「注意」とされています。特に茨城県南部でM4.9の地震が発生し、首都圏・関東の監視優先度が上昇しました。熊本や東北でも活動が続いていますが、過度な警戒は必要ありません。

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

本日の総合判定:🟡 注意
前日比:↑ 小幅上昇
基準時刻:2026年9月29日 08:00 JST

今朝の最大の更新は首都圏・関東、特に茨城県南部です。

9月29日04時45分、茨城県南部でM4.9、深さ50km、最大震度4の地震が発生しました。昨日21時04分には宮城県沖でもM3.5・最大震度1が発生しています。気象庁の緊急地震速報(予報)一覧では、今朝の確認時点で茨城県南部M4.9が最新です。 気象庁データポータル

昨日は首都圏・関東を「通常」まで引き下げていましたが、今朝のM4.9・震度4を受けて再び「注意」へ引き上げます。 ただし、これだけでより大きな地震の切迫性が高まったと判断することはできません。

地域・観測項目判定前日比本朝の評価
日本全国🟡 注意↑小茨城県南部M4.9・震度4で活動強度が再上昇
首都圏・関東🟡 注意↑9/29 茨城県南部M4.9・震度4
熊本・天草・芦北🟡 注意→M7.1後の活動が平常時より多い状態
東北・三陸・宮城沖🟡 注意→9/28 宮城県沖M3.5、余効変動継続
日向灘・九州東部🟡 注意↓9/21 M4.8以降、同規模の拡大なし
奄美・南西諸島北部🟡 注意↓M5前後の活動後、現在は沈静化方向
沖縄本島🟢 通常→9/27 M3.5以降、顕著な拡大なし
宮古・石垣・西表・与那国🟢 通常→新たな顕著な活動なし
北海道🟢 通常→判定引き上げ材料なし
南海トラフ🟢 通常※→最新公式評価「特段の変化なし」
地殻変動🟡 注意→熊本・東北の余効変動が主体
海底観測品質🟡 注意※→DONET一部観測点休止情報あり
電離圏・太陽・地磁気🔵 参考監視→宇宙天気は静穏、地震判定には加点せず

※Earth Compass独自の監視優先度です。気象庁の警報・注意報とは異なり、「通常」は地震が起きないという意味ではありません。


首都圏・関東

🟡 注意 ↑【本日の最重点監視】

9月29日04時45分の茨城県南部地震は、北緯36.1度、東経139.9度、深さ50km、M4.9、最大震度4でした。 気象庁データポータル

この地域では9月17日にも茨城県南部M4.8・最大震度3、22日にもM3.9・最大震度3が気象庁の同じ震央区分で記録されています。約2週間の中でM4級を含む地震が複数回確認されているため、Earth Compassでは監視優先度を一段上げます。 気象庁データポータル

ただし、ここは重要です。

「同じ地域で複数回地震が起きた」ことと、「より大きな地震の前兆である」ことは同義ではありません。

現時点で、地震の規模が連続的に増大している、広い領域へ震源が系統的に拡大している、あるいは独立した地殻変動観測が同時に異常化している、という複合的な証拠は確認できません。

国土地理院の最新の全国月次GNSS解析は9月8日公表分で、その時点では**関東・中部地方に「特段の変化は見られません」**とされていました。なお、これは8月下旬までの観測をまとめた資料であり、今朝のM4.9発生後の評価ではありません。 国土地理院

また、国土地理院の地殻変動報道資料一覧には、今朝の確認時点で9月29日の茨城県南部地震に対応する新しい緊急解析はまだ掲載されていません。 したがって「地殻変動がなかった」と判断するのではなく、追加解析を待つ段階です。 国土地理院

現段階では注意が妥当で、警戒へ引き上げる材料はありません。


熊本・天草・芦北

🟡 注意 →

9月26日の熊本県熊本地方M4.5・最大震度4、約50分後のM3.6・最大震度3以降、気象庁のEEW対象一覧では新しい熊本の対象地震は掲載されていません。 気象庁データポータル

一方、気象庁が9月24日に更新した公式評価では、令和8年熊本地震後について、

「平常時より地震発生数の多い状態は当分続く」

としています。同時に、最大震度5弱程度以上の地震が発生する可能性は低下し、その頻度は「1か月に1回程度」に相当する水準を下回ったとも評価しています。 気象庁

国土地理院も熊本県を中心にM7.1後の余効変動を継続して観測しています。 国土地理院

したがって熊本は引き続き注意。今朝の茨城地震と熊本の活動を一連の現象とみなす科学的根拠はありません。


東北・三陸・宮城県沖

🟡 注意 →

9月28日21時04分に宮城県沖M3.5・最大震度1が発生しました。その前には24日に宮城県沖M4.1・震度2、22日に福島県沖M4.5などが記録されています。 気象庁データポータル

GNSSでは、4月20日の三陸沖M7.7、6月25日の岩手県沖地震後の余効変動、さらに2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的余効変動が継続しています。 国土地理院

昨夜のM3.5は小規模で、現時点で活動レベルを引き上げる材料ではありません。注意・横ばいとします。


日向灘・九州東部

🟡 注意 ↓

日向灘では9月18日M4.3、19日M4.0、21日M4.8・最大震度3とM4級が続きましたが、その後、気象庁EEW対象一覧には新しい日向灘M4級は追加されていません。 気象庁データポータル

短期的には沈静化しています。

ただし、活動があった時期からまだ日が浅いため、本日は「通常」へ戻さず注意の中で低下とします。


奄美・沖縄・八重山

奄美:🟡 注意 ↓

沖縄本島:🟢 通常 →

宮古・八重山:🟢 通常 →

奄美では9月13日M5.1、20日M5.0、22日M4.9が発生しましたが、22日以降は同程度の地震がEEW対象一覧にはありません。活動は沈静化方向です。 気象庁データポータル

沖縄本島周辺では25日M4.0、26日M3.8、27日M3.5と小規模地震が散発しましたが、その後に規模が上昇する流れはありません。 気象庁データポータル

石垣島・西表島・与那国島では、今朝まで判定を引き上げる新たな活動は確認していません。 EEW対象一覧で八重山の直近M4級は9月9日の西表島付近M4.0、与那国島近海M4.2で、いずれも震度1以上の観測なしと掲載されています。 気象庁データポータル

国土地理院の最新月次GNSS解析でも、沖縄地方は**「特段の変化は見られません」**とされています。 国土地理院

したがって本日は、

沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島・与那国島=🟢通常

を維持します。


南海トラフ

🟢 通常 →

気象庁の最新公式評価は、9月7日に開催された第109回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会です。

結論は、

「南海トラフ沿いの大規模地震の発生可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」

で、今朝までこれを変更する新しい評価は公表されていません。 気象庁データポータル

四国・紀伊半島などの深部低周波地震・微動、短期的ゆっくりすべり、静岡県西部~愛知県東部の長期的ゆっくりすべりは観測されています。しかし気象庁は、これらは従来から繰り返し観測されている現象であり、現在のところプレート境界の固着状態に特段の変化を示すデータではないと評価しています。 気象庁データポータル

今朝の茨城県南部M4.9は南海トラフの監視領域とは別であり、この地震を理由として南海トラフ判定を引き上げる根拠はありません。

したがって**🟢通常**を維持します。

ただし、南海トラフの「平常時」は安全という意味ではありません。気象庁はM8~9クラスについて、平常時から長期的な切迫性が高い状態としています。 気象庁データポータル


地殻変動

🟡 注意 →

国土地理院の最新全国GNSS解析で明瞭なのは、

三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動、
2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動、
令和8年熊本地震後の余効変動、
そして静岡県西部~愛知県東部の長期的ゆっくりすべりに伴うと推定される非定常変動です。 国土地理院

今朝の茨城県南部M4.9については、国土地理院の地殻変動報道資料一覧にまだ個別解析は掲載されていません。 国土地理院

したがって、地震活動側は関東で上昇しましたが、独立した広域地殻変動の異常が同時確認された状態とは現時点では言えません。

地殻変動全体は注意・横ばいです。


海底観測

🟡 観測品質上の注意 →

防災科研は、S-net、DONET、N-netなどを統合したMOWLASを運用しています。N-netは高知県沖~日向灘に設置された36観測点で構成され、南海トラフ西部の地震・津波観測を担っています。 Mowlas

一方、防災科研の「観測点作業情報」では、DONET1の11点、DONET2の3点、計14点が観測休止中と掲載されています。ただし、この一覧自体の更新日は2026年5月11日です。 海底地形図

これは地震活動の異常ではありません。

Earth Compassでは「観測品質・データ完全性上の注意」として表示しますが、地震発生リスクの判定には直接加点しません。


電離圏・太陽活動・地磁気

🔵 参考監視 — 現在は静穏

NOAA宇宙天気予報センターが9月28日12:30 UTCに発表した最新3日予報では、過去24時間の最大Kpは2、9月29日の予測最大Kpも2.0で、G1以上の磁気嵐は予想されていません。S1以上の太陽放射線嵐確率も1%、R1~R2級の電波障害確率は9月29日1%です。 NOAA SWPC

つまり今朝の宇宙天気環境はかなり静穏な部類です。

NICTが監視する電離圏の電子密度やTEC等は、昼夜、季節、太陽活動、地磁気擾乱などによって自然に変化します。NICTの宇宙天気サービス自体も、主としてHF通信、GNSS測位、航空・衛星などへの宇宙天気影響を評価するために運用されています。 宇宙天気予報

Earth Compassではここを明確に分離します。

TEC・ROTIの変化、電離圏異常、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気変動から、地震の日時・場所・規模を実用的な精度で予測する確立された方法はありません。

したがって、これらは研究・参考情報として監視しますが、「通常→注意→警戒→高警戒」の地震判定には加点しません。

そして今日は特に、茨城県南部M4.9が発生した一方で宇宙天気は静穏です。両者を安易に結びつけないことも、Earth Compassでは重要な検証姿勢とします。


本日のEarth Compass総合評価

🟡 日本全国:注意 ↑ 小幅上昇

昨日朝は全国的な活動がやや落ち着いていましたが、今朝04時45分に茨城県南部M4.9・最大震度4が発生したため、一日の評価は上向きに変更します。 気象庁データポータル

ただし現在、

🟠 警戒:該当地域なし
🔴 高警戒:該当地域なし

です。

その理由は、今朝の関東の地震活動上昇に対し、南海トラフ公式評価の変更、新しい広域GNSS異常、複数地域での同期した規模拡大、海底観測系からの異常情報など、独立した複数の確立観測系が同時に異常化する状況が現時点では確認されていないためです。 気象庁データポータル

したがって今日の整理は、

「全国的な異常化ではないが、首都圏・関東の監視優先度を一段上げる一日」

です。

防災上のコメント

本日の最重点監視は首都圏・関東、次いで熊本、東北、日向灘、奄美です。

首都圏では今朝震度4を観測しています。現時点で過度な行動変更は必要ありませんが、棚や家具の転倒防止、落下物、エレベーター停止時の対応、モバイルバッテリー、靴・ライト、家族との連絡手段を今日一度確認しておく価値があります。

熊本では活動が減衰方向でも平常時より地震数が多い状態が続いています。損傷した建物、ブロック塀、石垣、斜面には引き続き注意してください。 気象庁

石垣島・西表島・与那国島は本日も通常判定です。 八重山で新たな活動上昇を示す材料はありません。ただし島しょ部では、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合は、情報を待つことだけに依存せず、海岸から離れ高台へ避難するという津波防災の基本を維持してください。


Earth Compassは地震予知ではありません。

気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所、NICT、NOAAなど専門機関の公開観測データを横断し、現在の観測状態が通常範囲からどの程度離れているかを整理するリスクモニタリングです。

科学的に確立していない指標を前兆とは断定せず、地震活動・地殻変動・プレート境界観測・海底観測など、物理的に確立された観測を評価の中心に置きます。

データ出典・参考資料

気象庁|緊急地震速報(予報)発表状況
気象庁|9月29日 茨城県南部M4.9
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院|令和8年8月の地殻変動
防災科研|海底観測点作業情報
NICT|宇宙天気情報
NOAA SWPC|3-Day Forecast

Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

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