Earth Compass

日本列島の地殻活動モニタリングでは、全国的な判定は「注意」のまま横ばい。奄美大島北西沖のM4.9、茨城県南部のM3.9などの局地的な更新があった。南海トラフの大規模地震リスクに特段の変化は見られない。

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

2026年9月23日

本日の総合判定:🟡 注意
前日比:→ 横ばい(奄美・首都圏で局地的な更新あり)
基準時刻:2026年9月23日 08:00 JST

今朝までの最大の更新点は、9月22日19時46分の奄美大島北西沖 M4.9・深さ20km・最大震度1と、同15時34分の茨城県南部 M3.9・深さ50km・最大震度3です。気象庁の「最近1か月の緊急地震速報(予報)」では、この奄美のM4.9が最新掲載地震で、23日08時時点でそれ以降の新規地震は掲載されていません。なお、この一覧は発表から掲載まで10~30分程度かかる場合があります。 気象庁データ

全国的には、21~22日に日向灘、根室、福島沖、熊本、茨城、奄美と離れた地域でM4級前後が続きましたが、一つの広域連鎖現象として結び付けられる科学的根拠はありません。また、南海トラフの公式評価変更や、新しい大規模GNSS異常など、複数の独立観測系が同時に悪化する状況は現時点で確認していません。このため全国判定は「注意」のまま、前日比は横ばいとします。 国土地理院

地域・項目判定前日比今朝の評価
日本全国🟡 注意M4級活動継続。ただし広域的な加速・連動の根拠なし
奄美・南西諸島北部🟡 注意9/22 M4.9、9/20 M5.0、9/13 M5.1
首都圏・関東🟡 注意9/22 茨城県南部M3.9・震度3
日向灘・九州東部🟡 注意9/21 M4.8後、新規M4級なし
熊本・天草🟡 注意M7.1後の地震活動・余効変動を継続監視
東北・三陸・福島沖🟡 注意9/22 M4.5後、余効変動継続
北海道東部・根室🟢 通常9/21 M4.7後に活動拡大なし
沖縄本島🟢 通常顕著な新規活動なし
宮古・八重山・与那国🟢 通常判定引き上げ材料なし
南海トラフ🟢 通常※最新公式評価「特段の変化なし」
地殻変動🟡 注意東北・熊本の余効変動が主要因
海底観測品質🟡 注意※DONET2の1観測点で欠測継続
電離圏・太陽・地磁気🔵 参考監視地震判定には直接使用しない

※Earth Compass独自のモニタリング区分であり、気象庁の警報・注意報とは異なります。

奄美・南西諸島北部

🟡 注意 ↑【本日の最重点監視】

9月22日19時46分、奄美大島北西沖でM4.9、深さ20km、最大震度1が発生しました。奄美周辺では9月20日に奄美大島近海M5.0・最大震度3、9月13日には奄美大島北東沖M5.1・最大震度2も発生しています。直近10日ほどで、奄美周辺の異なる海域にM5前後の地震が複数現れているため、Earth Compassでは**「注意」を強めて継続**します。 気象庁データ

ただし、北東沖・近海・北西沖と震源位置は一致しておらず、これらを一つの前震活動や地震群と断定することはできません。現段階では「今後さらに大きな地震が起こる」という予測材料ではなく、活動頻度と震源域の広がりを監視すべき状態と評価します。

首都圏・関東

🟡 注意 ↑

9月22日15時34分、茨城県南部でM3.9、深さ50km、最大震度3が発生しました。9月17日の茨城県南部M4.8・最大震度3に続く同地域の活動であるため、前日比を小幅に上げます。 気象庁データ

一方、国土地理院の最新公表資料は9月8日発表分が最新で、8月23日の茨城県南部地震に関する解析を含むものの、22日のM3.9に対応する新たな大規模地殻変動の緊急解析は今朝時点で公表されていません。 国土地理院

よって注意を維持しますが、「警戒」へ上げる材料はありません。

日向灘・九州東部

🟡 注意 →

日向灘では9月18日にM4.3、19日にM4.0、21日にM4.8・最大震度3と、数日間にM4級が繰り返されました。22日から今朝にかけて、新たな日向灘M4級以上は気象庁の最新一覧にはありません。 気象庁データ

活動の継続性から「注意」を維持しますが、最新の南海トラフ公式評価を変更する状況ではありません。

熊本・天草

🟡 注意 →

9月22日01時39分の熊本県熊本地方M3.5・最大震度3以降、新たな同程度以上の活動は今朝の一覧にはありません。 気象庁データ

国土地理院の最新GNSS解析では、7月28日の令和8年熊本地震M7.1後の余効変動が熊本県を中心に広い範囲で継続しています。東北の余効変動と並び、現在の全国地殻変動で明瞭に捉えられている現象です。 国土地理院

これは「次の地震の前兆」を意味するものではなく、大地震後の地殻調整として評価されています。

東北・三陸・福島沖

🟡 注意 →

9月22日07時29分の福島県沖M4.5・最大震度1以降、今朝まで新たなM4級以上は掲載されていません。 気象庁データ

一方、国土地理院では4月20日の三陸沖地震、6月25日の岩手県沖地震後の余効変動が岩手県を中心に広く継続し、2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的な余効変動も観測されています。 国土地理院

したがって注意・横ばいです。

北海道東部・根室

🟢 通常 ↓

9月21日に根室半島南東沖M4.7・最大震度2がありましたが、その後、同海域で活動が拡大する動きは気象庁の最新一覧にはありません。 気象庁データ

昨日の短期的な「注意」から、本日は通常へ戻します。ただし、千島海溝沿いの長期的な巨大地震リスクそのものが低下したという意味ではありません。

沖縄・宮古・八重山・与那国

🟢 通常 →

宮古島近海では9月19日にM3.9・最大震度1がありましたが、その後、宮古・八重山でM4級以上の新規活動は掲載されていません。西表島付近M4.0、与那国島近海M4.2は9月9日が直近です。 気象庁データ

したがって、沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島・与那国島はいずれも通常とします。

奄美のM4.9を、八重山まで含む「南西諸島全体の異常」とみなす科学的根拠はありません。距離と地震発生環境を分けて評価する必要があります。

南海トラフ

🟢 通常 →

気象庁の最新公式評価は9月7日の第109回評価検討会で、**「南海トラフ沿いの大規模地震の発生可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」**とされています。9月23日朝現在、これを変更する新しい臨時情報は公表されていません。 気象庁データ

気象庁が「調査中」とする基準の一つは監視領域内でのM6.8以上の地震です。21日の日向灘M4.8はこの基準には達していません。また、通常とは異なるゆっくりすべりや複数ひずみ計の有意な変化など、臨時評価に相当する現象も公表されていません。 気象庁データ

したがって通常を維持します。ただし、気象庁自身が説明する通り、「平常時」であっても南海トラフM8~9級地震の長期的な切迫性は高い状態です。 気象庁データ

地殻変動

🟡 注意 →

国土地理院の最新全国GNSS解析では、現在明瞭なのは三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動、令和8年熊本地震後の余効変動です。また、静岡県西部から愛知県東部では2022年初頭から、長期的ゆっくりすべりに起因すると推定される非定常変動が続いています。 国土地理院

9月22日の奄美・茨城の地震について、9月23日朝時点で新しい緊急地殻変動資料は国土地理院の報道発表一覧には追加されていません。 国土地理院

したがって地殻変動は注意・横ばいです。

海底観測

🟡 観測品質上の注意 →

S-netは東日本太平洋沖に150観測点、DONETは熊野灘・紀伊水道沖に51観測点、N-netは高知県沖から日向灘に36観測ノードを配置し、地震・津波をリアルタイム監視しています。N-netは南海トラフ西部の従来の観測空白域を補う重要な観測網です。 海底情報ポータル

防災科研が現在公開している障害情報では、DONET2のMRF25・1観測点で2026年3月27日からデータ欠測が続いています。 海底情報ポータル

これは地震活動の異常ではありません。Earth Compassでは観測品質上の注意として扱い、地震発生リスクそのものには加点しません。

電離圏・太陽活動・地磁気

🔵 参考監視

NICTの最新インデックス済み詳細情報では、9月23日00時15分時点で、稚内・国分寺・大宜味の各観測点について現在、電離層嵐は発生していない模様とされています。稚内では9月22日にスポラディックE層の発達が複数回検出されていますが、NICTはこの判定が自動生成であり解析誤差を含む可能性があることも明記しています。 WDC

太陽活動、太陽風、地磁気K指数についてもNICTが連続観測しています。これらは主としてHF通信、GNSS測位、人工衛星、航空・宇宙システムへの影響を評価する宇宙天気データです。 NICT宇宙環境情報サービス

そしてEarth Compassでは、ここを明確に区別します。TEC・ROTI、スポラディックE、電離圏嵐、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気擾乱から、地震の発生日時・場所・規模を実用的な精度で予測する科学的方法は確立されていません。 したがって、これらに変化があっても単独では「通常→注意→警戒」の地震判定を引き上げません。

本日のEarth Compass総合評価

🟡 日本全国:注意 → 横ばい

今朝のポイントは奄美と首都圏です。奄美では20日のM5.0に続き22日にM4.9が発生したため継続的に注視します。首都圏では茨城県南部M3.9・震度3が加わりましたが、いずれも現時点で地殻変動など他の確立された観測系に大きな異常が重なっている状況ではありません。 気象庁データ

警戒:該当地域なし
高警戒:該当地域なし

とします。

日向灘はM4級が数日続いたため引き続き重要監視区域ですが、南海トラフ公式評価の変更はありません。沖縄・八重山についても、現時点で判定を引き上げるデータは確認していません。

防災上のコメント

奄美ではM5前後の地震が散発しているため、沿岸部では津波避難経路、家具固定、寝室周辺の落下物を一度確認しておくことを推奨します。首都圏も震度3程度の地震が続いているため、特別な避難行動が必要な状態ではありませんが、非常持出品や家具固定を確認するには適切なタイミングです。

石垣島・西表島・与那国島は通常判定です。ただし島しょ部では、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合、海岸から離れて高台へ向かうという津波避難の基本を維持してください。

Earth Compassは地震予知ではありません。 気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所、NICTなど専門機関の公開データを横断し、現在の観測状態が通常範囲からどの程度離れているかを評価するモニタリングレポートです。科学的に確立していない指標を予知情報として扱いません。

データ出典・参考資料

気象庁|緊急地震速報(予報)発表状況
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院|令和8年8月の地殻変動
防災科研|海底地震津波観測網
NICT|電離圏イベント・現況

Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

Earth Compassをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む