日本列島・地殻活動リスクモニタリング
2026年9月20日 朝版
本日の総合判定:🟡 注意
前日比:↑ やや活動増加
基準時刻:2026年9月20日 07:59ごろ
今朝は、昨日より地震活動の件数が増えています。気象庁の最新一覧を再確認すると、9月19日は福島県沖M4.2、茨城県沖M3.9、日向灘M4.0、岩手県沖M3.9、種子島南東沖M3.9、天草灘M4.4、宮古島近海M3.9が緊急地震速報(予報)の対象となりました。最大震度は天草灘の震度3が最大です。9月20日07:59時点では、これより新しい掲載地震はありません。 気象庁データ
活動域は東北、関東、九州、南西諸島と離れており、全国規模の一つの地震活動として連動していることを示す科学的根拠はありません。一方、九州では日向灘と天草側の双方でM4級が発生しているため、本日は九州周辺の監視優先度を上げます。
| 地域・項目 | 判定 | 前日比 | 本朝の評価 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | ↑ | M4級を複数確認。ただし広域連動の根拠なし |
| 熊本・天草・九州西部 | 🟡 注意 | ↑ | 天草灘M4.4・震度3 |
| 日向灘・九州東部 | 🟡 注意 | → | 9/18 M4.3に続き9/19 M4.0 |
| 東北・三陸沖 | 🟡 注意 | → | 福島沖M4.2、岩手沖M3.9+余効変動 |
| 首都圏・関東 | 🟡 注意 | → | 茨城県沖M3.9、9/17茨城県南部M4.8後を監視 |
| 北海道 | 🟢 通常 | → | 新たな顕著な活動なし |
| 沖縄本島 | 🟢 通常 | → | 判定引き上げ材料なし |
| 宮古・八重山・与那国 | 🟢 通常 | → | 宮古島近海M3.9・震度1、規模拡大なし |
| 南海トラフ | 🟢 通常※ | → | 最新公式評価「特段の変化なし」 |
| 地殻変動 | 🟡 注意 | → | 東北・熊本の余効変動を継続監視 |
| 海底観測 | 🟡 注意※ | → | DONET一部観測点休止による観測品質上の注意 |
| 電離圏・太陽・地磁気 | 🔵 参考監視 | → | 電離圏は概ね静穏。地震判定には加点せず |
※Earth Compass独自の運用区分であり、気象庁の警報・注意報ではありません。
1.熊本・天草・九州西部
🟡 注意 ↑ 【本日の重点監視①】
9月19日21時07分、天草灘でM4.4、深さ10km、最大震度3の地震が発生しました。今回の震源は天草灘で、直近に活動が続く熊本県天草・芦北地方とは近接していますが、7月28日の令和8年熊本地震M7.1の余震活動と直接同一の系列であるとは、速報値だけから断定できません。 気象庁データ
一方、国土地理院の最新GNSS解析では、熊本県を中心とする広い範囲で令和8年熊本地震後の余効変動が引き続き確認されています。9月8日以降、新たな大規模地殻変動を示す緊急資料は国土地理院の公表一覧には追加されていません。 国土地理院
したがって、九州西部は**注意を維持しつつ前日比↑**とします。現段階で「警戒」へ上げる複数観測系の異常は確認していません。
2.日向灘・九州東部
🟡 注意 →
9月18日のM4.3・最大震度2に続き、9月19日09時29分には日向灘でM4.0、ごく浅い震源、最大震度1が発生しました。 気象庁データ
2日続けてM4級が発生したため監視は継続しますが、これだけで南海トラフ巨大地震の切迫性が高まったとは判断できません。
気象庁の南海トラフ関連情報では、最新の9月7日の評価で、大規模地震の発生可能性が平常時より相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないとされています。その後、新しい南海トラフ地震臨時情報も掲載されていません。 気象庁データ
したがって、日向灘は注意、南海トラフ全体は通常という区別を維持します。
3.東北・三陸沖
🟡 注意 →
9月19日04時45分に福島県沖M4.2・最大震度1、14時00分に岩手県沖M3.9・最大震度1が発生しました。 気象庁データ
国土地理院では、4月20日の三陸沖M7.7や6月25日の岩手県沖地震後の余効変動、さらに2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的余効変動を現在も確認しています。 国土地理院
昨日の地震を含めても、現在は既知の余効変動に新しい大規模異常が重なった状況ではありません。そのため注意・横ばいとします。
4.首都圏・関東
🟡 注意 →
9月19日06時15分には茨城県沖M3.9・最大震度1が発生しました。17日の茨城県南部M4.8・最大震度3に続く関東周辺の活動として経過を監視します。 気象庁データ
ただし、国土地理院が8月23日の茨城県南部M5.9について行ったGNSS解析では、ばらつきを超える顕著な地殻変動は確認されていません。 国土地理院
現在、首都圏で新しい広域地殻変動が公表された状況でもないため、注意のまま維持します。
5.沖縄・宮古・八重山・与那国
🟢 通常 →
9月19日21時23分、宮古島近海でM3.9、深さ60km、最大震度1の地震が発生しました。 気象庁データ
新規地震ではありますが、規模・震度とも小さく、宮古・八重山全体で地震活動が急激に拡大している状況ではありません。
したがって、
沖縄本島:🟢通常
宮古・八重山・与那国:🟢通常
を維持します。
石垣島・西表島・与那国島についても、本朝の公開データでは判定を引き上げる材料は確認していません。
6.南海トラフ
🟢 通常 →
9月19日に日向灘M4.0が発生しましたが、気象庁の最新公式評価は変わっていません。
9月7日の第109回評価検討会では、南海トラフ沿いの大規模地震発生可能性が、平常時より相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないとしています。 気象庁データ
ただし「平常時」そのものが長期的には高い地震リスクを持つ状態です。気象庁も、南海トラフ地震の発生時期・場所・規模を確度高く予測することは困難であり、臨時情報は地震予知ではないと明記しています。 気象庁
よって**🟢通常を維持**します。
7.地殻変動
🟡 注意 →
国土地理院の最新全国GNSS解析で現在明瞭なのは、三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動、令和8年熊本地震後の余効変動です。 国土地理院
また、静岡県西部~愛知県東部では2022年初頭から続く長期的ゆっくりすべりに起因すると推定される非定常変動が継続しています。これは南海トラフ監視上重要ですが、気象庁は現在これを特段の異常とは評価していません。 国土地理院
新しい全国規模の急変は公表されていないため、注意・横ばいです。
8.海底観測
🟡 観測品質上の注意 →
S-net、DONET、N-netは、日本海溝から南海トラフにかけて地震・津波をリアルタイム観測しています。DONETは熊野灘・紀伊水道沖に計51観測点を展開しています。 海底情報サイト
一方、防災科研の最新観測点作業情報では、DONET1・DONET2の複数観測点が現在も観測休止中です。 海底情報サイト
これは重要ですが、地震リスクが上昇したという意味ではありません。 Earth Compassではデータ完全性の問題として「注意」を表示し、地震発生リスク判定への直接加点は行いません。
9.電離圏・太陽活動・地磁気
🔵 参考監視
NICTは太陽フレア、太陽風、地磁気K指数、電離圏foF2・TEC・ROTIなどを常時監視しています。最新の電離圏予報では、F領域臨界周波数と日本上空のTECは概ね静穏で、今後1日も概ね静穏が予想されています。 NICT
太陽風や地磁気についてもNICTのリアルタイム観測を参考監視しますが、これらは主として通信、衛星測位、衛星運用などへの宇宙天気影響を評価するデータです。 宇宙天気予報
そしてここは、Earth Compassとして明確に線を引きます。
TEC・ROTI、電離圏異常、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気擾乱から、地震の日時・場所・規模を実用的な精度で予測する手法は確立されていません。
気象庁も、現在の科学では地震の発生時期・場所・規模を確度高く予測することはできないとしています。 気象庁
したがって宇宙天気系の指標は、地震リスクの「注意→警戒」を引き上げる材料には使用しません。
本日のEarth Compass総合評価
🟡 日本全国:注意 ↑ やや活動増加
昨日は、全国の離れた複数地域でM3.9~M4.4級の地震が発生しました。
特に注目するのは、
九州西部・天草:M4.4・震度3
日向灘:M4.0
東北:福島沖M4.2+岩手沖M3.9
関東:茨城県沖M3.9
宮古島:M3.9
です。 気象庁データ
ただし、これらは震源域が大きく離れており、一連の地震として全国規模で連動していると判断できる観測根拠はありません。
また現時点で、
警戒:該当地域なし
高警戒:該当地域なし
とします。
南海トラフの公式評価変更、新たな大規模GNSS異常、複数の独立した観測系が同時に急変する現象は確認していません。
防災上のコメント
今日の重点監視は、熊本・天草、日向灘、東北、首都圏です。
九州では東西両側でM4級が続いているため、特別な避難行動を取る段階ではありませんが、家具固定、避難経路、非常持出品の確認には適したタイミングです。熊本周辺では7月の大地震で損傷した建物、石垣、ブロック塀、斜面に引き続き注意してください。
沖縄・八重山は通常判定です。ただし島しょ部では、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合は、津波警報を待たず海岸から離れ高台へ向かうという基本行動を維持してください。
Earth Compassは地震予知ではありません。
気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所、NICTなど専門機関の公開データを横断し、現在の観測状態が通常範囲からどの程度離れているかを整理するリスク評価です。
データ出典・参考資料
気象庁|最近1か月の緊急地震速報(予報)発表状況
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院|令和8年8月の地殻変動
防災科研|海底地震津波観測網
NICT|宇宙天気予報
Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

