日本列島・地殻活動リスクモニタリング
2026年9月19日 朝版
本日の総合判定:🟡 注意
前日比:→ 横ばい
基準時刻:2026年9月19日 08:01ごろ
今朝の最大の更新点は、前回レポート作成後の9月18日10時07分、日向灘でM4.3・深さ20km・最大震度2の地震です。気象庁の直近1か月の緊急地震速報(予報)一覧では、これが今朝08:01時点の最新掲載で、以降に新たなM4級以上の地震は確認されていません。 気象庁データ管理システム
この地震を受け、日向灘・九州東部のみ監視優先度を一段上げます。ただし、南海トラフ巨大地震との直接的な関連を示す観測データはなく、南海トラフの公式評価も変わっていません。全国判定は「注意」のまま維持します。
| 地域・項目 | 判定 | 前日比 | 9月19日朝の評価 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | → | 日向灘M4.3、広域的な活動拡大なし |
| 日向灘・九州東部 | 🟡 注意 | ↑ | 9/18 M4.3・震度2 |
| 熊本・天草・芦北 | 🟡 注意 | → | M7.1後の活動・余効変動を継続監視 |
| 首都圏・関東 | 🟡 注意 | → | 9/17茨城県南部M4.8後、拡大なし |
| 東北・三陸沖 | 🟡 注意 | → | 大地震後の余効変動継続 |
| 北海道南部 | 🟢 通常 | → | 新たな規模拡大なし |
| 奄美 | 🟢 通常 | → | 9/13 M5.1後、大きな変化なし |
| 沖縄本島 | 🟢 通常 | → | 9/18 M3.4後、拡大なし |
| 宮古・八重山・与那国 | 🟢 通常 | → | 新たなM4級以上なし |
| 南海トラフ | 🟢 通常※ | → | 公式評価「特段の変化なし」 |
| 地殻変動 | 🟡 注意 | → | 東北・熊本の余効変動が中心 |
| 海底観測 | 🟡 注意※ | → | DONET一部観測点休止 |
| 電離圏・太陽・地磁気 | 参考監視 | → | 地震判定には使用しない |
※Earth Compass独自の整理です。気象庁の警報・注意報とは異なります。「通常」は地震が起きないという意味ではありません。
1.日向灘・九州東部
🟡 注意 ↑ 【本日の重点監視】
9月18日10時07分、日向灘でM4.3、深さ20km、最大震度2の地震が発生しました。震源は北緯32.2度、東経132.0度です。 気象庁データ管理システム
日向灘はフィリピン海プレートの沈み込みに伴う地震が発生する地域であり、南海トラフ想定震源域の西端側に近い海域です。ただし、M4.3という規模の地震単独から、南海トラフ巨大地震の発生可能性が高まったと判断することはできません。
気象庁が南海トラフ臨時情報の調査開始の目安としているのは、監視領域内でM6.8以上の地震などです。今回のM4.3はその基準には該当しません。 気象庁データ管理システム
Earth Compassでは、直近24時間の新規変化として**「注意」へ引き上げて経過監視**しますが、南海トラフ判定そのものは変更しません。
2.熊本・天草・芦北
🟡 注意 →
9月17日21時52分の天草・芦北地方M3.2・最大震度2以降、今朝まで新たな同程度以上の地震は気象庁の直近一覧に掲載されていません。 気象庁データ管理システム
一方、国土地理院の最新GNSS月次解析では、7月28日の令和8年熊本地震M7.1・最大震度7に伴う地殻変動が、熊本県を中心とした広い範囲で引き続き確認されています。 国土地理院
現在は「新たな異常」というより、大地震後の地震活動・地殻調整が継続している状態と評価します。よって「注意」を維持します。
3.首都圏・関東
🟡 注意 →
9月17日00時07分の茨城県南部M4.8・最大震度3以降、今朝まで関東で新たなM4級以上の地震は直近一覧に追加されていません。 気象庁データ管理システム
最新の国土地理院月次解析でも、現在全国で目立つ地殻変動は東北と熊本が中心で、関東に新たな大規模変動が公表された状況ではありません。 国土地理院
したがって首都圏・関東は注意を継続しつつ、前日比は横ばいとします。
4.東北・三陸沖
🟡 注意 →
国土地理院は、2026年4月20日の三陸沖地震、6月25日の岩手県沖地震後の余効変動が岩手県を中心に広い範囲で続いているとしています。また、2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的余効変動も継続しています。 国土地理院
直近ではM4級活動の新たな拡大は確認されていないため、注意・横ばいです。
5.沖縄・八重山
🟢 通常 →
9月18日03時06分の沖縄本島近海M3.4・最大震度1以降、今朝まで沖縄周辺で新たなM4級以上の地震は直近一覧にありません。 気象庁データ管理システム
石垣島・西表島・与那国島・宮古島についても、本朝の気象庁データ上では判定を引き上げる新しい地震活動を確認していません。
したがって、
沖縄本島:🟢通常
宮古・八重山・与那国:🟢通常
を維持します。
島しょ部では判定が通常でも津波リスクは常にあるため、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合は海岸から離れ、高台への移動を優先してください。
6.南海トラフ
🟢 通常 →
最新の公式評価は9月7日の第109回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会です。
気象庁は、**「南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」**と評価しています。 気象庁データ管理システム
8月2日には日向灘でM5.3が発生していましたが、フィリピン海プレート内部の地震と評価されています。また、四国西部の深部低周波地震・微動や、静岡県西部~愛知県東部の長期的ゆっくりすべりも確認されていますが、これらは従来から繰り返し観測されている現象で、プレート境界の固着状態に特段の変化を示すデータは得られていないとされています。 気象庁データ管理システム
昨日の日向灘M4.3を加えても、南海トラフ判定を変更する公式材料はありません。
よって**🟢通常**を維持します。
7.地殻変動
🟡 注意 →
9月8日に国土地理院が公表した最新GNSS全国解析では、現在目立つ地殻変動は主に、
三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動
2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動
令和8年熊本地震に伴う地殻変動
です。 国土地理院
9月19日08:01時点では、昨日の日向灘M4.3に対応する新しい緊急GNSS解析は確認できません。
したがって地殻変動全体は注意・横ばいとします。
8.海底観測
🟡 観測品質上の注意 →
S-net、DONET、N-netは、日本海溝~南海トラフに展開された主要な海底地震・津波観測網です。特にN-netは、高知県沖~日向灘に36観測ノードを配置し、南海トラフ西側の観測空白域を補っています。 海底情報サイト
一方、防災科研の観測点作業情報では現在、DONET1・DONET2の複数観測点が機器調整等のため観測休止中とされています。 海底情報サイト
これは地震活動の異常を示すものではありません。
Earth Compassでは、観測データの完全性という意味で「注意」と表示しますが、地震リスクを引き上げる直接材料には使用しません。
また、防災科研自身も、公開されている連続波形には機器故障などによる欠測が含まれる可能性があると説明しています。公開波形だけをEarth Compass独自に解釈して「前兆」と判定することは行いません。 海底情報サイト
9.電離圏・太陽活動・地磁気
🔵 参考監視
NICTでは太陽風、地磁気擾乱、電離圏嵐などをリアルタイムで継続監視しています。太陽風はL1点の衛星観測、地磁気擾乱は柿岡のK指数、電離圏は国内4地点のfoF2などを利用して評価されています。 宇宙天気予報
なおEarth Compass作成時刻の08:01は、NICTの日報が通常発表される09時より前です。NICTの日報は毎日09時と21時ごろに、過去24時間の宇宙天気概況と予報を公表しています。 宇宙天気予報
したがって今朝はライブ観測を参考監視にとどめます。
ここは引き続き明確に区別します。
電離圏TEC・ROTI、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気嵐などを用いて、地震の日時・場所・規模を実用的精度で予測する科学的手法は確立されていません。
電離圏自体も、場所、季節、太陽活動、磁気嵐などによって大きく変動します。NICTも過去27日間の中央値との差を用いて電離圏嵐を評価しています。 宇宙天気予報
そのためEarth Compassでは、宇宙天気関連データを**「参考監視」**とし、「注意→警戒」への直接加点は行いません。
本日のEarth Compass総合評価
🟡 日本全国:注意 → 横ばい
昨日朝以降の明確な変化は、日向灘M4.3・最大震度2です。
その後、今朝08:01まで新たなM4級以上の地震は気象庁の直近一覧に追加されていません。 気象庁データ管理システム
現在、
日向灘:🟡注意 ↑
熊本:🟡注意 →
首都圏:🟡注意 →
東北:🟡注意 →
沖縄・八重山:🟢通常 →
南海トラフ:🟢通常 →
という構成です。
警戒:該当地域なし
高警戒:該当地域なし
とします。
日向灘で地震が発生しましたが、現時点では南海トラフのプレート境界状態が変化したと判断できる複数観測系の異常は確認されていません。
防災上のコメント
本日は日向灘・九州東部、熊本、首都圏、東北を重点監視します。
宮崎・大分など日向灘沿岸では、今回のM4.3を理由に特別な避難行動を取る必要はありません。ただし、今後強い揺れ、または弱くても長時間続く揺れを感じた場合には、津波警報を待たず海岸から離れるという基本行動を維持してください。
熊本では大地震後の活動が続いているため、すでに損傷した建物、石垣、ブロック塀、斜面には引き続き注意してください。
沖縄・八重山は通常判定を維持しています。石垣島・西表島・与那国島では、高台への避難経路、飲料水、非常持出品、モバイル電源の確認など、平常時の備えを継続してください。
Earth Compassは地震予知ではありません。
気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所、NICTなど専門機関の公開データを横断し、現在の観測状態が通常範囲からどの程度離れているかを整理するリスクモニタリングです。
データ出典・参考資料
気象庁|最近1か月の緊急地震速報(予報)発表状況
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院|令和8年8月の地殻変動
防災科研|海底地震津波観測網
NICT|宇宙天気予報
Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

