2026年9月17日 朝版
日本列島・地殻活動リスクモニタリング
本日の総合判定:🟡 注意
前日比:→ 横ばい/首都圏・関東は ↑
基準時刻:2026年9月17日 07:57ごろ
今朝の最大の更新は、9月17日00時07分に茨城県南部でM4.8、最大震度3の地震が発生したことです。気象庁の最新一覧では、この地震が直近の緊急地震速報対象地震で、発震機構速報では震源の深さは約70kmとされています。前日の熊本県天草・芦北地方M4.0・最大震度4に続いて別地域でM4級後半の地震が発生しましたが、両者を結び付ける科学的根拠はなく、全国的な連鎖活動とは評価しません。 気象庁データ
| 地域・項目 | 判定 | 前日比 | 9月17日朝の評価 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | → | 茨城県南部M4.8を追加、広域異常は確認せず |
| 首都圏・関東 | 🟡 注意 | ↑ | 茨城県南部M4.8・震度3 |
| 熊本・天草・芦北 | 🟡 注意 | → | 9/16 M4.0・震度4後を重点監視 |
| 東北・三陸沖 | 🟡 注意 | → | 余効変動+9/14 M4級活動を継続監視 |
| 北海道南部 | 🟡 注意 | → | 9/13津軽海峡M4.5後、大型化なし |
| 奄美・南西諸島北部 | 🟢 通常 | ↓ | 9/13 M5.1後、規模拡大なし |
| 沖縄本島 | 🟢 通常 | → | 顕著な新規変化なし |
| 宮古・八重山・与那国 | 🟢 通常 | → | 9/9~10以降、大きな活動拡大なし |
| 南海トラフ | 🟢 通常※ | → | 最新公式評価「特段の変化なし」 |
| 地殻変動 | 🟡 注意 | → | 東北・熊本の余効変動が中心 |
| 海底観測品質 | 🟡 注意 | → | DONETの一部観測点休止 |
| 電離圏・太陽・地磁気 | 🔵 参考監視 | → | 地震リスク判定には加点しない |
※「通常」は安全宣言ではなく、現在の専門機関の公表データ上、短期的な異常上乗せを確認していないという意味です。また、この4段階はEarth Compass独自の整理で、気象庁の警報・注意報ではありません。
1.首都圏・関東
🟡 注意 ↑ 【本日の重点監視】
9月17日00時07分、茨城県南部でM4.8・最大震度3が発生しました。気象庁の発震機構速報では、震源は北緯36.1度、東経140.1度、深さ約70kmです。 気象庁データ
茨城県南部では8月23日にもM5.9、深さ68km、最大震度5弱の地震が発生しています。ただし、この8月23日の地震について国土地理院が電子基準点を解析した結果、ばらつきを超える顕著な地殻変動は確認されませんでした。 国土地理院
最新の8月GNSS月次解析でも、関東・中部地方については**「特段の変化は見られません」**とされています。現時点では今朝のM4.8に対応する新たな緊急地殻変動解析は公表されていません。 国土地理院
したがってEarth Compassでは、首都圏・関東を本日**「通常」から「注意」へ引き上げ**ます。
ただし、この地震単独から「さらに大きな地震が近い」と判断することはできません。深さ約70kmの比較的深い地震であり、地震発生件数だけで首都直下地震の切迫度を判定することは科学的にできません。
2.熊本・天草・芦北
🟡 注意 →
昨日9月16日06時09分、熊本県天草・芦北地方でM4.0、深さ10km、最大震度4の地震が発生しました。気象庁の最新一覧では、それ以降に熊本周辺で同程度以上の地震は追加掲載されていません。 気象庁データ
国土地理院の最新GNSS解析では、7月28日の令和8年熊本地震M7.1・最大震度7後の余効変動が熊本県を中心とした広い範囲で継続しています。 国土地理院
したがって熊本は、
🟡 注意 → 横ばい
を維持します。
昨日の震度4は重要な監視対象ですが、現在確認されている余効変動や地震活動から、次の大地震の発生日時や規模を予測することはできません。
3.東北・三陸沖
🟡 注意 →
9月14日には福島県沖M4.4、宮城県沖M4.1、福島県沖M4.3が短時間に発生しましたが、その後、今朝まで直近一覧で新たな大規模化は確認されていません。 気象庁データ
一方、国土地理院のGNSSでは、4月20日の三陸沖M7.7、6月25日の岩手県沖地震後の余効変動が岩手県を中心に広域で続いています。2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的な余効変動も継続しています。 国土地理院
これらは現在も重要な監視対象ですが、新たな突発的変化ではありません。
🟡 注意 → 横ばいです。
4.北海道南部・津軽海峡
🟡 注意 →
9月13日の津軽海峡M4.5、深さ約120km、最大震度3以降、より大きな地震への明瞭な拡大は確認していません。 気象庁データ
引き続き監視しますが、本日の判定変更はありません。
5.奄美・沖縄・宮古・八重山・与那国
奄美・南西諸島北部
🟢 通常 ↓
9月13日の奄美大島北東沖M5.1・最大震度2以降、直近の気象庁一覧では新たなM5級への活動拡大は確認されていません。 気象庁データ
前日までの「注意」から、今朝は通常へ戻します。
沖縄本島
🟢 通常 →
新たに判定を引き上げる地震活動・地殻変動は確認していません。
宮古・八重山・与那国
🟢 通常 →
9月9日の西表島付近M4.0、与那国島近海M4.2、9月10日の宮古島近海M3.4以降、気象庁の直近一覧ではM4級以上への新たな拡大は確認されていません。 気象庁データ
国土地理院の最新GNSS解析でも、**沖縄地方は「特段の変化は見られません」**とされています。 国土地理院
したがって石垣島・西表島・与那国島・宮古島は通常を維持します。
6.南海トラフ
🟢 通常 →
9月7日に開催された第109回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会では、現在のところ、
「南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」
との公式評価が維持されています。 気象庁
四国西部などでは深部低周波地震・微動やゆっくりすべりが観測されていますが、現在の公式評価では従来から見られる変動の範囲とされています。 気象庁データ
したがって、
🟢 通常 →
を維持します。
ただし気象庁も明記している通り、「平常時」でも南海トラフ巨大地震の長期的な発生可能性は高く、臨時情報は地震を予知する情報ではありません。 気象庁
7.地殻変動
🟡 注意 →
最新の全国GNSS解析で現在明瞭に確認されている主な変動は、
東北:三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動
熊本:令和8年熊本地震後の余効変動
です。 国土地理院
一方、
関東・中部:特段の変化なし
沖縄:特段の変化なし
とされています。 国土地理院
今朝発生した茨城県南部M4.8については、07:57時点では国土地理院から新たな緊急解析は公表されていません。
地殻変動全体は注意・横ばいとします。
8.海底観測
🟡 観測品質上の注意 →
S-net、DONET、N-netは、日本海溝~南海トラフの地震・津波をリアルタイムで観測する主要な海底観測網です。S-netは150観測点、DONETは51観測点、N-netは高知県沖~日向灘に36観測点を展開しています。 海底情報ポータル
一方、防災科研の観測点作業情報では現在も、DONET1・DONET2の複数地点が機器調整等のため観測休止中となっています。 海底情報ポータル
これは重要な区別です。
海底で異常が発生しているという意味ではありません。
観測網の一部データが取得できないことによる**「観測品質上の注意」**であり、地震リスクを引き上げる根拠には使用しません。
また、防災科研の連続波形をEarth Compass独自に読み取り「前兆」と判定することもしません。海底観測網は地震・津波の早期検知や長期的研究には非常に重要ですが、生波形だけで地震の日時を予知する仕組みではありません。 海底情報ポータル
9.電離圏・太陽活動・地磁気
🔵 参考監視
NICTでは、
太陽フレア
太陽風
地磁気擾乱
電離圏TEC・foF2
プロトン現象
などを継続観測しています。NICTの電離圏TECはGEONETのGPSデータから算出され、地磁気の乱れや季節、時刻、太陽活動などによって変化します。 宇宙天気予報
なお、本レポート作成時刻はNICTの当日09時の日報発表前です。NICTの日報は通常、毎日09時と21時ごろに、過去24時間の宇宙天気と予報を公表しています。 宇宙天気予報
したがって今朝はリアルタイム現況を参考監視とし、Earth Compassの地震リスク判定には組み込みません。
特に、
TEC・ROTIの変動
電離圏異常
太陽フレア
CME
太陽風
地磁気嵐
などを利用して、地震の日時・場所・規模を実用的精度で予測する科学的手法は確立されていません。
気象庁も、一般的な地震について長期評価や一部の余震評価などを除き、地震活動の短期予測手法は確立されていないとしています。 気象庁
そのため、これらはEarth Compassでは**「参考監視」**に限定します。
本日のEarth Compass総合評価
🟡 日本全国:注意 → 横ばい
本日最も重要な変化は、
茨城県南部M4.8・最大震度3の発生
です。
首都圏・関東は昨日の「通常」から**「注意」へ引き上げ**ます。
一方で現在、
全国規模で地震活動が同時に増加している状況
新たな大規模GNSS異常
南海トラフ臨時情報につながる変化
複数の独立した観測系が同時に異常化する現象
は確認していません。
したがって、
全国:🟡 注意
首都圏・関東:🟡 注意 ↑
熊本・天草:🟡 注意 →
警戒:該当なし
高警戒:該当なし
とします。
防災上のコメント
今日の重点監視は首都圏・関東と熊本です。
首都圏では昨夜の茨城県南部地震を受け、家具の転倒防止、寝室周辺の落下物、玄関・廊下など避難経路を確認しておく程度の備えが適切です。今回の震度3を理由に特別な避難や行動変更を行う必要がある状況ではありません。
熊本では7月28日のM7.1後の活動が続いているため、すでに損傷を受けた建物、ブロック塀、石垣、斜面には引き続き注意してください。
沖縄・八重山では今朝、判定を引き上げる材料はありません。石垣島・西表島・与那国島では、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合は海岸から離れ高台へ向かうという基本だけは常に維持してください。
Earth Compassは地震予知ではありません。
気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所、NICTなどの公開データを横断し、現在の観測状態が通常範囲からどの程度離れているかを整理するリスクモニタリングです。
データ出典・参考資料
気象庁|最近1か月の緊急地震速報発表状況
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院|令和8年8月の地殻変動
防災科研|海底地震津波観測網
NICT|宇宙天気予報
Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

