2026年9月16日 朝版
日本列島・地殻活動リスクモニタリング
本日の総合判定:🟡 注意
前日比:→ 横ばい/熊本・天草のみ ↑
基準時刻:2026年9月16日 07:59ごろ
今朝もっとも重要な更新は、9月16日06時09分、熊本県天草・芦北地方でM4.0、深さ10km、最大震度4の地震が発生したことです。気象庁の直近1か月の緊急地震速報(予報)一覧では、9月15日には新たな掲載地震がなく、この地震が9月14日19時59分の福島県沖M4.3以来の最新掲載となっています。 気象庁データ
全国規模で判定を「警戒」へ引き上げる材料は確認していません。ただし、7月28日の令和8年熊本地震M7.1後の活動域周辺で、9月14日の熊本地方M4.0・震度3に続いて、今朝は天草・芦北地方でM4.0・震度4となったため、熊本県南西部~天草・芦北を本日の最優先監視地域とします。熊本地方気象台も9月15日に「令和8年熊本地震」についての第8号資料を公表しており、専門機関による継続監視も続いています。 気象庁データ
| 地域・項目 | 判定 | 前日比 | 9月16日朝の評価 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | → | 熊本で震度4、全国的拡大は確認せず |
| 熊本・天草・芦北 | 🟡 注意 | ↑ | 9/16 M4.0・震度4を重点監視 |
| 東北・三陸沖 | 🟡 注意 | → | 9/14 M4級複数+余効変動継続 |
| 北海道南部 | 🟡 注意 | → | 津軽海峡M4.5後、大型化なし |
| 奄美・南西諸島北部 | 🟡 注意 | → | 9/13 M5.1後、大型化なし |
| 沖縄本島 | 🟢 通常 | → | 顕著な新規活動なし |
| 宮古・八重山・与那国 | 🟢 通常 | → | 9/9~10以降、規模拡大なし |
| 首都圏・関東 | 🟢 通常 | → | 最新GNSSで特段の変化なし |
| 南海トラフ | 🟢 通常※ | → | 9/7公式評価「特段の変化なし」 |
| 地殻変動 | 🟡 注意 | → | 東北余効変動・熊本地震関連変動 |
| 海底観測 | 🟡 注意※ | → | DONETの一部観測点休止・欠測 |
| 電離圏・太陽・地磁気 | 🔵 参考監視 | → | 地震予測指標としては未確立 |
※Earth Compass独自の運用区分で、気象庁などが発表する警報・注意報とは異なります。
熊本・天草・芦北
🟡 注意 ↑ 【本日の重点監視】
9月16日06時09分の地震は、北緯32.2度・東経130.4度、深さ10km、M4.0、最大震度4でした。9月14日には熊本県熊本地方でM4.0・最大震度3、9月9日にも天草・芦北地方でM2.9、9月8日には同地方でM3.5が記録されており、同地域では地震活動が断続的に続いています。 気象庁データ
さらに8月27日にも天草・芦北地方でM4.0・最大震度3が発生していました。したがって今朝の震度4は、単独の孤立した地震というより、**令和8年熊本地震後も継続している九州中部~熊本周辺の活動の中で評価する必要があります。**ただし、この推移から次の大地震の日時や規模を予測することはできません。 気象庁データ
国土地理院の最新月次GNSS解析でも、熊本県を中心とする広い範囲に7月28日の熊本地震に伴う地殻変動が確認されています。 国土地理院
したがってEarth Compassでは「注意」を維持しつつ、**熊本・天草・芦北のみ前日比↑**とします。「警戒」への引き上げは現段階では行いません。
東北・三陸沖
🟡 注意 →
9月14日の福島県沖M4.4、宮城県沖M4.1、福島県沖M4.3以降、今朝まで緊急地震速報一覧に新たなM4級の追加掲載はありません。 気象庁データ
一方、国土地理院の最新GNSS解析では、2026年4月20日の三陸沖地震、6月25日の岩手県沖地震後の余効変動が岩手県を中心に広域で続いており、2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的余効変動も残っています。 国土地理院
活動拡大は確認していないため、注意・横ばいとします。
北海道南部
🟡 注意 →
9月13日の津軽海峡M4.5・最大震度3以降、新たな顕著な地震は直近の緊急地震速報一覧にはありません。 気象庁データ
北海道南部は8月以降M4~6級が散発しているため監視は継続しますが、本日の引き上げ材料はありません。
奄美・沖縄・宮古・八重山・与那国
奄美 🟡 注意 →
9月13日の奄美大島北東沖M5.1・最大震度2以降、より大きな地震への拡大は確認されていません。 気象庁データ
沖縄本島 🟢 通常 →
直近の顕著な新規活動はありません。
宮古・八重山・与那国 🟢 通常 →
9月9日の西表島付近M4.0、与那国島近海M4.2、9月10日の宮古島近海M3.4以降、今朝までM4級以上への新たな拡大は確認していません。 気象庁データ
国土地理院の最新全国GNSS解析でも、沖縄地方について新たな広域異常は報告されていません。八重山は引き続き通常判定とします。 国土地理院
首都圏・関東
🟢 通常 →
直近の緊急地震速報一覧では首都圏に新しい顕著な地震はなく、最新GNSS解析でも関東地方に短期的な大規模異常を示す新情報はありません。 気象庁データ
9月13日の三宅島近海M4.3は履歴として監視を続けますが、首都圏全体の判定を引き上げる状況ではありません。
南海トラフ
🟢 通常 →
9月7日の第109回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会では、南海トラフ沿いの大規模地震発生可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないとの評価が維持されています。 気象庁データ
四国西部などの深部低周波地震・微動やゆっくりすべりは継続監視対象ですが、現段階では通常観測される変動の範囲と評価されています。
したがって通常判定を維持します。
なお、「通常」は安全を意味しません。気象庁自身も南海トラフ巨大地震について、平常時から長期的な発生可能性が高い状態にあるとしています。 気象庁データ
地殻変動
🟡 注意 →
国土地理院が9月8日に公表した最新全国GNSS解析では、現在目立つ変動として、三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動、令和8年熊本地震に伴う地殻変動が挙げられています。 国土地理院
今朝の熊本M4.0に対応する新しいGNSS緊急解析は、07:59時点では確認できません。そのため地殻変動判定そのものは注意・横ばいです。
海底観測
🟡 注意 ― 観測品質上の注意
防災科研はS-net、DONET、N-net、相模湾海底観測網を運用しています。一方、公式の観測点作業情報では、現在も複数のDONET観測点が「観測休止中」と掲載されています。 海底情報システム
またDONET2のMRF25では2026年3月27日からデータ欠測が続いているとの公式通知があります。 海底情報システム
これは**南海トラフ等の地震リスクが上昇したという意味ではありません。**観測網の一部でデータ完全性が低下しているため、Earth Compassでは「観測品質上の注意」として扱います。
防災科研も公開連続波形について、機器故障や通信等による欠測が表示に反映されることを明記しています。したがって生波形だけからEarth Compass独自で「前兆」を判断することは行いません。 海底情報システム
電離圏・太陽活動・地磁気
🔵 参考監視
NICTでは太陽フレア、太陽風、地磁気擾乱、電離圏嵐、スポラディックE層などを継続監視しています。これらの宇宙天気情報は主として、通信・放送、GNSS、人工衛星などへの影響評価を目的としています。 宇宙天気予報
Earth Compassではここを明確に区別します。
電離圏TEC・ROTI、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気擾乱などから、地震の発生日時・場所・規模を実用的精度で予測する科学的手法は確立されていません。
したがってこれらは参考監視に限定し、地震の「注意・警戒・高警戒」判定を引き上げる直接材料には使用しません。
本日のEarth Compass総合評価
🟡 日本全国:注意 → 横ばい
9月16日朝は、熊本県天草・芦北地方のM4.0・最大震度4が明確な新規変化です。
ただし現段階では、地震活動の全国的な同時拡大、南海トラフ臨時情報につながる異常、全国規模の新しいGNSS異常、複数観測系が同時に急変する現象は確認していません。
したがって、
全国:🟡 注意
熊本・天草・芦北:🟡 注意 ↑
警戒:該当地域なし
高警戒:該当地域なし
とします。
防災上のコメント
今日は特に熊本県の天草・芦北、八代海周辺で、余震への備えを再確認してください。最大震度4程度でも、7月の強い揺れですでに損傷した建物、石垣、ブロック塀、斜面などでは二次的な被害につながる可能性があります。
沿岸部では、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合は、津波情報の発表を待つだけでなく海岸から離れるという基本行動を優先してください。
沖縄・八重山については本朝、判定を引き上げる材料はありません。平常時の備えとして、高台への経路、非常持出品、飲料水、モバイル電源を確認しておけば十分です。
Earth Compassは地震予知ではありません。
気象庁、国土地理院、防災科研、NICTなどの公開情報を横断し、現在の観測状態が通常範囲からどの程度離れているかを整理するリスク評価です。
データ出典・参考資料
気象庁|緊急地震速報(予報)発表状況
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院|令和8年8月の地殻変動
防災科研|海底地震津波観測網
NICT|宇宙天気予報
Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

