2026年9月14日 朝版
日本列島・地殻活動リスクモニタリング
本日の総合判定:🟡 注意
前日比:→ 横ばい
基準時刻:2026年9月14日 08:00ごろ
今朝の更新ポイントは、昨日朝以降に津軽海峡でM4.5・最大震度3、岩手県沖でM3.7・最大震度2が発生したことです。気象庁の最近1か月の緊急地震速報(予報)一覧では、9月14日08時時点の最新掲載は9月13日20時19分の岩手県沖M3.7で、9月14日に入ってから新たな目立った地震は掲載されていません。 気象庁データ
したがって、北日本の監視優先度を少し上げますが、全国的に活動が連鎖的に拡大している状況とは評価せず、総合判定は**「注意」のまま横ばい**とします。
| 地域・項目 | 判定 | 前日比 | 本朝の評価 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | → | 北日本でM4級、全国的拡大なし |
| 北海道南部・津軽海峡 | 🟡 注意 | ↑ | 9/13 M4.5・震度3 |
| 東北・三陸沖 | 🟡 注意 | → | 岩手沖M3.7+余効変動継続 |
| 首都圏・関東 | 🟢~🟡 通常~注意 | → | 新たな顕著な変化なし |
| 熊本・九州中部 | 🟡 注意 | → | M7.1後の余効活動・変動 |
| 南海トラフ | 🟢 通常※ | → | 公式評価「特段の変化なし」 |
| 奄美・南西諸島北部 | 🟡 注意 | → | 9/13 M5.1後、大型化なし |
| 宮古・八重山・与那国 | 🟢~🟡 通常~注意 | → | 新たな規模拡大なし |
| 海底観測 | 🟢 通常 | → | S-net・DONET・N-net稼働監視 |
| 地殻変動 | 🟡 注意 | → | 東北・熊本の余効変動中心 |
| 電離圏 | 🔵 参考監視 | → | 地震予測指標として未確立 |
| 太陽・地磁気 | 🔵 参考監視 | → | 地震判定には加点しない |
※「通常」は「地震が起きない」という意味ではありません。Earth Compassでは、短期的に平常状態を明瞭に超える公的観測異常が確認されていない状態を示します。
北海道南部・津軽海峡
🟡 注意 ↑
9月13日17時31分、津軽海峡でM4.5、深さ120km、最大震度3の地震が発生しました。比較的深い地震であり、この1件だけから浅いプレート境界や地殻内で異常が拡大しているとは判断できません。 気象庁データ
ただし、北海道太平洋側では8月23日の浦河沖M6.0以降もM4級地震が散発していることから、北海道南部~青森周辺は本日やや丁寧に監視します。
現段階では**「警戒」へ上げる材料はありません。**
東北・三陸沖
🟡 注意 →
9月13日20時19分には岩手県沖M3.7・最大震度2が発生しました。規模自体は小さいものの、岩手県周辺では2026年4月20日の三陸沖M7.7、6月25日の岩手県沖地震後の余効変動が現在もGNSSで確認されています。 気象庁データ
さらに2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的な余効変動も継続しています。これは新しい前兆ではなく、大地震後の地殻調整が続いている状態です。 国土地理院
したがって判定は注意を維持します。
奄美・南西諸島
🟡 注意 →
昨日9月13日05時32分の奄美大島北東沖M5.1・最大震度2以降、気象庁の直近一覧では同海域でさらに大きな地震は確認されていません。 気象庁データ
そのため、昨日引き上げた**「注意」判定を維持**しますが、現時点では活動が拡大しているとは評価しません。
八重山・西表・与那国・宮古
🟢~🟡 通常~注意 →
八重山では9月9日に西表島付近M4.0、与那国島近海M4.2、宮古島近海では9月10日にM3.4が発生しましたが、それ以降、気象庁一覧上で新たなM4~5級への規模拡大は確認されていません。 気象庁データ
また国土地理院の最新8月GNSS解析では、沖縄地方に特段の変化は見られないとされています。 国土地理院
奄美M5.1と八重山・宮古の地震を、一つの広域的な前兆活動として結び付ける観測根拠も現段階ではありません。
よって八重山は通常~注意を維持します。
熊本・九州中部
🟡 注意 →
国土地理院の最新GNSS解析では、7月28日の令和8年熊本地震M7.1・最大震度7後の余効変動が熊本県を中心に広い範囲で継続しています。 国土地理院
これは大規模地震後に想定される地殻調整であり、現時点で新たな急激な変化の発表はありません。
判定は注意 → 横ばいです。
首都圏・関東
🟢~🟡 通常~注意 →
国土地理院の最新全国GNSS解析では、関東・中部地方に特段の変化は見られていません。 国土地理院
8月23日の茨城県南部M5.9・最大震度5弱についても、国土地理院は震源域周辺の電子基準点でばらつきを超える顕著な地殻変動は確認されていないとしています。 国土地理院
9月13日の三宅島近海M4.3も引き続き経過を見ますが、首都圏全体を「注意」以上へ引き上げる材料にはなっていません。
南海トラフ
🟢 通常 →
最新の公式評価は9月7日です。
気象庁は、南海トラフ沿いの大規模地震発生可能性が平常時より相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと評価しています。 気象庁データ
四国・紀伊半島の深部低周波地震や短期的ゆっくりすべり、静岡県西部~愛知県東部の長期的ゆっくりすべりは観測されていますが、これらは従来から繰り返し確認されてきた現象で、現段階ではプレート境界の固着状態に特段の変化を示すデータは得られていません。 気象庁データ
したがって通常判定を維持します。
ただし、南海トラフは平常時でも長期的な巨大地震リスクが高い地域であり、緑表示は安全宣言ではありません。
海底観測
🟢 通常 →
防災科研の海底地震津波観測網では、S-net・DONET・N-net・相模湾海底観測施設の連続波形が公開されており、本日9月14日06時時点のデータ作成状況が確認できます。 海底情報ポータル
Earth Compassではこれを重要な観測基盤として扱いますが、公開されている生波形だけを見て地震前兆を独自判定することはしません。 防災科研も、波形画像には欠測・機器状態等が反映されると説明しています。 海底情報ポータル
専門機関から新たな海底観測異常の公表は確認していないため、現時点では通常です。
地殻変動
🟡 注意 →
国土地理院が9月8日に公表した最新全国GNSS解析では、主な変動は三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動、熊本地震後の余効変動です。 国土地理院
一方で、**関東・中部および沖縄地方は「特段の変化なし」**とされています。静岡県西部~愛知県東部では2022年初頭から長期的ゆっくりすべりに起因するとみられる変化が続いていますが、新しい突発的異常ではありません。 国土地理院
したがって全国地殻変動は注意を維持します。
電離圏・太陽活動・地磁気
🔵 参考監視
NICTでは現在も太陽フレア、太陽風、地磁気擾乱、電離圏嵐、TECなどをリアルタイム監視しています。これらは主として通信、GNSS、人工衛星、電波伝搬への影響を評価する宇宙天気情報です。 宇宙天気予報
特に電離圏TECは太陽活動、季節、時刻、磁気嵐などでも大きく変化します。NICT自身も電離圏嵐を過去27日平均との差で評価しています。 宇宙天気予報
ここはEarth Compassで非常に重要な線引きをします。
TEC・ROTI、電離圏異常、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気擾乱を利用して、地震の発生日時・場所・規模を実用的精度で予測する手法は確立されていません。
したがって、これらに変化が見られても地震リスク判定の「注意→警戒」への直接的な加点には使用しません。
本日の総合評価
🟡 日本全国:注意 → 横ばい
昨日朝からの変化は、津軽海峡M4.5・震度3と岩手県沖M3.7・震度2が追加されたことです。 気象庁データ
北日本では少し活動が目立ちましたが、GNSS・南海トラフ評価・海底観測など複数の独立した観測系が同時に新しい異常を示している状況ではありません。
9月14日08時時点で、Earth Compassが「警戒」「高警戒」と判定する地域はありません。
今日の重点監視は、①津軽海峡~北海道南部、②岩手・三陸沖、③奄美大島北東沖、④熊本、⑤八重山・宮古の順です。
防災上のコメント
本日は特別な行動変更を必要とする状況ではありません。
ただし北海道・東北・奄美・八重山など沿岸地域では、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合は、津波警報の発表を待つだけではなく、まず海岸から離れ、高い場所へ移動するという基本を確認してください。
石垣島・西表島・与那国島・宮古島については本朝、判定引き上げ材料はありません。避難経路、高台、非常持出品、モバイル電源、飲料水などを平常時に確認しておくことが最も実効的です。
Earth Compassは地震予知ではありません。
気象庁、国土地理院、防災科研、NICTなど専門機関の公開データを横断し、現在の観測状態が通常範囲からどの程度離れているかを相対評価するリスクモニタリングです。
データ出典・参考資料
気象庁|緊急地震速報(予報)発表状況
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院|令和8年8月の地殻変動
防災科研|海底地震津波観測網
NICT|宇宙天気予報
Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

