2026年9月12日 朝版
日本列島・地殻活動リスクモニタリング
本日の総合判定:🟡 注意
前日比:→ 横ばい
基準時刻:2026年9月12日 08:00ごろ
本朝は、全国的には前日から明確な悪化材料は増えていません。 気象庁の直近1か月の緊急地震速報(予報)一覧では、最新掲載は9月10日11時49分の岐阜県美濃中西部M3.8・最大震度2で、9月11日から12日朝にかけて、これを上回る新規地震は同一覧上では確認されていません。 気象庁データ
一方、熊本・東北では既往の大地震後の余効変動が継続し、八重山・宮古周辺では9月9~10日のM3~4級活動を経過観察中です。南海トラフについては9月7日の最新公式評価から変更なく、**「平常時と比べて相対的に大規模地震の発生可能性が高まったと考えられる特段の変化はない」**とされています。 気象庁データ
| 地域・観測項目 | 判定 | 前日比 | 本朝の評価 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 🟡 注意 | → | 新たな大規模異常なし |
| 熊本・九州中部 | 🟡 注意 | → | M7.1後の活動・余効変動継続 |
| 東北・三陸沖 | 🟡 注意 | → | 大地震後の余効変動継続 |
| 北海道太平洋側 | 🟡 注意 | → | 浦河~釧路周辺を継続監視 |
| 首都圏・関東 | 🟢~🟡 通常~注意 | → | 新たなGNSS異常情報なし |
| 南海トラフ | 🟢 通常※ | → | 9/7公式評価「特段の変化なし」 |
| 沖縄本島 | 🟢 通常 | → | 顕著な新規異常なし |
| 宮古島周辺 | 🟢~🟡 通常~注意 | → | 9/10 M3.4後を経過観察 |
| 八重山・西表・与那国 | 🟢~🟡 通常~注意 | → | 9/9 M4級活動後を経過観察 |
| 海底観測 | 🟢 通常 | → | S-net・DONET・N-net観測継続 |
| 地殻変動 | 🟡 注意 | → | 熊本・東北の余効変動 |
| 電離圏 | 🔵 参考監視 | → | 地震予測指標として未確立 |
| 太陽活動・地磁気 | 🔵 参考監視 | → | 地震判定には直接使用しない |
※Earth Compassの「通常」は「地震が起きない」という意味ではなく、現時点で通常状態を明瞭に超える短期異常が公的観測で確認されていないという意味です。
1.八重山・西表・与那国
🟢~🟡 通常~注意 →
八重山では9月9日に西表島付近M4.0が発生しており、9月10日には東側の宮古島近海M3.4・最大震度1が発生しました。気象庁の最新一覧では、その後に南西諸島で一段規模が拡大した地震は確認されていません。 気象庁データ
したがって、昨日に続いて**「通常~注意」**を維持します。
現時点では、
地震活動:やや活発な時期として経過観察
地殻変動:新しい異常公表なし
という状態です。
西表・与那国・石垣周辺のM4級活動を大地震の前兆とみなす科学的根拠はありません。ただし海域地震では津波初動が重要なため、八重山は引き続き重点監視対象とします。
2.宮古島周辺
🟢~🟡 通常~注意 →
9月10日02時11分の宮古島近海M3.4・最大震度1以降、気象庁の最新一覧上で新たな大型化は確認されていません。 気象庁データ
したがって判定変更なしです。
八重山・宮古の地震を一つの広域的な前兆活動として結びつけるだけの観測根拠もありません。
3.熊本・天草・九州中部
🟡 注意 →
熊本は引き続き国内の重点監視地域です。
国土地理院の地殻変動情報では、7月28日の令和8年熊本地震後について複数回の解析が行われ、8月12日まで余効変動に関する情報が公表されています。9月12日朝時点で、それ以降に新たな大規模地震に対応する緊急地殻変動発表は追加されていません。 国土地理院
9月9日までM2~3級の有感地震が続いていましたが、直近一覧では規模拡大は見られていません。 気象庁データ
したがって、
🟡 注意 →
を維持します。
4.東北・三陸沖
🟡 注意 →
東北では、4月の三陸沖M7級地震や6月の岩手県沖地震、そのほか2011年東北地方太平洋沖地震後の長期的な余効変動を引き続き監視します。
国土地理院は最新の地殻変動資料として9月8日に**「令和8年8月の地殻変動」**を公表していますが、9月12日朝時点で新しい緊急地殻変動資料は追加されていません。 国土地理院
したがって現在は、既往大地震後の地殻調整が継続している局面であり、新規の短期異常と判断する材料はありません。
5.北海道太平洋側
🟡 注意 →
浦河沖・釧路沖など北海道太平洋側では、8月後半から9月上旬にM3~4級地震が散発しました。
しかし、9月11日から本朝にかけて気象庁の直近一覧で新たな規模拡大は確認していません。 気象庁データ
注意を維持しつつ、前日比は横ばいとします。
6.首都圏・関東
🟢~🟡 通常~注意 →
首都圏については8月23日の茨城県南部M5.9、8月30日の千葉県東方沖M4.8などを監視対象としてきました。
国土地理院は9月8日に8月23日の茨城県南部地震に伴う地殻変動を個別に解析していますが、その後に首都圏で新しい緊急地殻変動発表はありません。 国土地理院
また気象庁の直近一覧にも、9月11日~12日朝に首都圏で目立つ新規地震は掲載されていません。 気象庁データ
したがって、
🟢~🟡 通常~注意 →
を維持します。
これは首都直下地震の長期的危険度が低いという意味ではありません。
7.南海トラフ
🟢 通常 →
最新の公式評価は9月7日の第109回評価検討会です。
気象庁は、
「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」
としています。 気象庁データ
今回の評価には、
- 日向灘M5.3
- 四国西部の深部低周波地震・微動
- 短期的ゆっくりすべり
- 静岡県西部~愛知県東部の長期的ゆっくりすべり
- 浅部超低周波地震
- 長期的な沈降傾向
などが含まれています。
気象庁はこれらを総合しても、想定震源域のプレート境界固着状態に特段の変化を示すデータは得られていないと判断しています。 気象庁データ
したがってEarth Compassも、
🟢 通常 →
を維持します。
ただし南海トラフは平常時でもM8~9級地震の長期リスクが高く、緑表示は安全宣言ではありません。
8.海底観測
🟢 通常 →
防災科研は、
S-net
DONET
N-net
相模湾海底地震観測施設
の連続波形を公開しています。サイトでは各海底観測網の観測点データが継続的に生成されていることが確認できます。 海底情報システム
Earth Compassではこれらを重要な基盤データとして扱います。
ただし、公開されている生の波形を独自に見て「巨大地震の前兆」と判定することはしません。 防災科研自身も、表示は海底観測網が記録した連続波形を画像化したものであり、欠測や機器状態等が反映されると説明しています。 海底情報システム
本朝までに海底観測網に関する新たな公的異常発表は確認していないため、
🟢 通常
とします。
9.地殻変動
🟡 注意 →
国土地理院の地殻変動発表一覧では、最新の全国月次資料は**9月8日発表「令和8年8月の地殻変動」**です。また同日に茨城県南部地震に関する解析も公表されています。 国土地理院
9月12日朝までに、新たな大地震に対応する緊急地殻変動資料は追加されていません。
Earth Compassでは、
熊本:大地震後の余効変動
東北:複数の大地震後の余効変動
を理由に全国項目として「注意」を維持します。
これは新規前兆ではなく、既往地震後の地殻変動が継続しているためです。
10.太陽活動・地磁気・電離圏
🔵 参考監視
NICTは現在も、
太陽黒点、太陽フレア、太陽風、地磁気擾乱、放射線帯電子、電離圏嵐、スポラディックE層
などを継続監視しています。 宇宙天気予報
NICT自身が説明している通り、宇宙天気情報は主として通信、放送、衛星測位、人工衛星など、地球周辺の宇宙環境変動による影響を評価するための情報です。 宇宙天気予報
Earth Compassでは、
太陽活動:🔵参考監視
地磁気:🔵参考監視
電離圏:🔵参考監視
とします。
科学的な線引きは明確にします。
TEC・ROTI等の電離圏変化、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気擾乱を用いて、地震の発生日時・震源・規模を実用的精度で予測する方法は確立されていません。
そのため、これらの値だけを理由にEarth Compassの地震判定を「注意→警戒」へ上げることはありません。
本日のEarth Compass総合評価
🟡 日本全国:注意 →
9月12日朝は、前日から大きな変化なしと判断します。
今日のポイントは、
① 9月11日以降、新たな目立った地震活動の拡大を確認していない
② 八重山・宮古は9月9~10日のM3~4級活動後を経過観察
③ 熊本・東北では余効変動が継続
④ 首都圏に新しい地殻変動異常の公表なし
⑤ 南海トラフは最新公式評価で引き続き「特段の変化なし」
です。 気象庁データ
現時点で、地震活動・GNSS・海底観測など複数の独立した観測系が同時に新規異常を示す状況は確認できません。
今日の重点監視順位
- 熊本・天草・九州中部 — M7.1後の活動・余効変動
- 三陸沖~東北太平洋側 — 大地震後の余効活動・地殻変動
- 八重山・西表・与那国・宮古 — M3~4級活動後を継続監視
- 北海道太平洋側 — 浦河~釧路・根室周辺
- 首都圏・関東 — 現状は目立つ新規異常なし
本朝08時時点で、Earth Compassが国内を「警戒」「高警戒」と判定する地域はありません。
防災上のコメント
本日は、特別な避難準備や行動変更を必要とする状況ではありません。
ただし八重山、宮古、北海道、東北などの沿岸地域では、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合は、津波警報を待つことだけに依存せず、まず海岸から離れて高い場所へ移動するという基本を忘れないでください。
熊本では本震後の活動が続いているため、損傷した建物、ブロック塀、石垣、崖・斜面には引き続き注意が必要です。
平穏な日にこそ、非常持出品、飲料水、モバイル電源、家具固定、避難経路、家族の連絡方法を確認するのが最も有効です。
Earth Compassは地震予知ではありません。
気象庁、国土地理院、防災科研、NICTなど専門機関の公開観測データを横断し、現在の観測状態が通常範囲からどの程度離れているかを整理するリスクモニタリングです。
データ出典・参考資料
気象庁|緊急地震速報(予報)発表状況
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院|地殻変動に関する報道発表等
防災科研|海底地震津波観測網
NICT|宇宙天気予報
Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

