Earth Compass

2026年9月11日 朝版

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

本日の総合判定:🟡 注意
前日比:→ 横ばい
基準時刻:2026年9月11日 08:00ごろ

本朝の最大の特徴は、前日から全国レベルの明確な悪化材料が増えていないことです。気象庁の直近1か月の緊急地震速報一覧では、9月10日は岐阜県美濃中西部M3.8・最大震度2宮古島近海M3.4・最大震度1が最新で、9月11日朝時点までにそれを上回る新規掲載は確認されていません。 気象庁データポータル

一方、八重山周辺では9月9日に西表島付近M4.0、与那国島近海M4.2が相次いでおり、9月10日には宮古島近海M3.4も発生しました。南西諸島は引き続き「通常~注意」の範囲で丁寧に監視します。 気象庁データポータル

地域・項目判定前日比本朝の評価
日本全国🟡 注意新たな大規模異常なし
八重山・西表・与那国🟢~🟡 通常~注意9/9 M4級2件後を継続監視
宮古島周辺🟢~🟡 通常~注意9/10 M3.4・震度1
熊本・九州中部🟡 注意M7.1後の活動・余効変動
東北・三陸沖🟡 注意M7級地震後の余効変動継続
北海道太平洋側🟡 注意浦河~釧路・根室を継続監視
首都圏・関東🟢~🟡 通常~注意GNSSで特段の変化なし
南海トラフ🟢 通常※最新公式評価「特段の変化なし」
海底観測🟢 通常S-net・DONET・N-net観測継続
地殻変動🟡 注意東北・熊本の余効変動
電離圏🔵 参考監視地震予測指標として未確立
太陽・地磁気🔵 参考監視地震判定には直接使用しない

※「通常」は安全宣言ではなく、短期的に平常状態を明瞭に上回る異常が確認されていないという意味です。

1.八重山・西表・与那国

🟢~🟡 通常~注意 →

南西諸島では、9月9日に西表島付近M4.0、その約1時間半前に与那国島近海M4.2が記録されています。いずれも震度1以上は観測されていません。 気象庁データポータル

9月10日02時11分には、さらに東側の宮古島近海でM3.4、深さ40km、最大震度1が発生しました。 気象庁データポータル

このため南西諸島全体では最近数日、小~中規模の地震が点在しています。ただし、これらをひとつの進行性異常として結びつける科学的根拠はありません。

さらに国土地理院の最新8月GNSS解析では、**沖縄地方について「特段の変化は見られません」**とされています。 国土地理院

したがってEarth Compassでは、

地震活動:継続監視
地殻変動:明瞭な新規異常なし

として、判定は通常~注意を維持します。


2.宮古島

🟢~🟡 通常~注意 →

9月10日02時11分、宮古島近海でM3.4・最大震度1の地震が発生しました。 気象庁データポータル

9月2日のM3.3、8月28日の宮古島北西沖M4.6などもあり、宮古周辺は断続的に地震が発生しています。 気象庁データポータル

ただし、現時点で規模が連続的に大型化しているとは評価できません。


3.熊本・天草・九州中部

🟡 注意 →

熊本は引き続き国内重点監視地域です。

直近では9月9日に熊本県天草・芦北地方でM2.9・最大震度1が発生しています。 気象庁データポータル

7月28日のM7.1・最大震度7後、国土地理院は電子基準点「千丁」で北東方向約87cm、沈降約33cmを観測し、その後も余効変動を確認しています。 国土地理院

最新8月GNSS解析でも熊本県周辺ではM7.1後の余効変動が継続しています。 国土地理院

本朝までに新たな規模拡大は確認していないため、

🟡 注意 →

を維持します。


4.東北・三陸沖

🟡 注意 →

国土地理院の最新解析では、

4月20日 三陸沖M7.7
6月25日 岩手県沖地震
2011年東北地方太平洋沖地震

に伴う余効変動が現在も観測されています。 国土地理院

これは新たな短期前兆というより、大地震後の地殻調整が継続している状態です。

直近1か月には三陸沖M5.8やM4級地震もありましたが、9月11日朝時点で新たなM6級以上への規模拡大は確認していません。 気象庁データポータル


5.北海道太平洋側

🟡 注意 →

8月23日の浦河沖M6.0以降、浦河沖や釧路沖でM3~4級の地震が断続的に発生しています。9月9日には釧路沖M3.8・最大震度2が観測されました。 気象庁データポータル

一方、9月10日~11日朝にこれを超える新しい地震は現在の気象庁一覧では確認していません。

したがって、

🟡 注意 →

です。


6.首都圏・関東

🟢~🟡 通常~注意 →

8月23日の茨城県南部M5.9・最大震度5弱、8月30日の千葉県東方沖M4.8・最大震度4以降を監視しています。 気象庁データポータル

しかし最新の国土地理院GNSS解析では、**関東・中部地方について「特段の変化は見られません」**とされています。 国土地理院

したがって短期判定は変更しません。


7.南海トラフ

🟢 通常 →

9月7日の第109回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会では、

「平常時と比べて大規模地震の発生可能性が相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」

と評価されています。 気象庁データポータル

四国西部・東部、紀伊半島では深部低周波地震・微動や短期的ゆっくりすべり、静岡県西部~愛知県東部では長期的ゆっくりすべりが観測されていますが、気象庁はいずれも従来から繰り返し観測されてきた現象としています。 気象庁データポータル

南海トラフのプレート境界固着状態に、現在のところ特段の変化を示すデータは得られていません。 気象庁データポータル

したがって、

🟢 通常 →

を維持します。

ただし南海トラフは平常時でも長期的な巨大地震リスクが高く、「通常=安全」ではありません。


8.海底観測

🟢 通常 →

防災科研ではS-net、DONET、N-netの連続波形を公開しています。公開ページでは観測データの生成状況が確認でき、これらの海底観測網が日本周辺の地震・津波監視を支えています。 海底情報サイト

Earth Compassではこれらを重要な監視基盤としますが、生波形を独自に読んで大地震の前兆判定をすることはしません。

波形には地震だけでなく海況や機器ノイズなども含まれるため、専門機関による解析が必要です。


9.地殻変動

🟡 注意 →

9月8日に公表された国土地理院の最新全国GNSS解析では、

東北:三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動
熊本:M7.1後の余効変動

が確認されています。 国土地理院

一方、

関東・中部:特段の変化なし
沖縄:特段の変化なし

です。 国土地理院

また静岡県西部~愛知県東部では2022年初頭から長期的ゆっくりすべりに起因するとみられる非定常変動が継続していますが、新規異常ではありません。 国土地理院

全国判定は、

🟡 注意 →

です。


10.太陽活動・地磁気・電離圏

🔵 参考監視

NICTは太陽フレア、太陽風、地磁気擾乱、電離圏嵐などを継続監視しています。これらは主として通信・放送・衛星測位・人工衛星などへの影響を評価する宇宙天気情報です。 宇宙天気予報

Earth Compassでは、

太陽活動:🔵参考監視
地磁気:🔵参考監視
電離圏:🔵参考監視

とします。

科学的に重要な点として、TEC・ROTI、電離圏異常、太陽フレア、CME、太陽風、地磁気擾乱を用いて地震の日時・場所・規模を実用的に予測する手法は確立されていません。

したがって、これらの指標は地震の「注意・警戒・高警戒」判定には直接加点しません。


本日のEarth Compass総合評価

🟡 日本全国:注意 →

9月11日朝は、前日から全国リスクを一段引き上げる変化は確認していません。

特に注視するのは、

① 八重山西部:西表島M4.0・与那国M4.2後の推移
② 宮古島:9月10日M3.4・震度1
③ 熊本:M7.1後の地震活動・余効変動
④ 東北:三陸沖・岩手県沖大地震後の余効変動
⑤ 北海道太平洋側:浦河~釧路・根室の活動

です。 気象庁データポータル

一方で、南海トラフは最新公式評価で「特段の変化なし」、関東・沖縄のGNSSにも特段の変化は確認されていません。 気象庁データポータル

本朝08時時点で、Earth Compassが国内を「警戒」「高警戒」と判定する地域はありません。

防災上のコメント

本日は特別な行動変更を必要とする状況ではありません。ただし、八重山・宮古を含む南西諸島では最近M3~4級が点在しています。

石垣島、西表島、与那国島、宮古島など海沿いでは、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合は、津波警報の発表を待つことだけに依存せず、海岸から離れて高い場所へ避難するという基本行動を再確認しておくことが重要です。

熊本ではM7.1後の余効活動が継続しているため、損傷した建物、石垣、ブロック塀、斜面などには引き続き注意してください。


Earth Compassは地震予知ではありません。

気象庁、国土地理院、防災科研、NICTなど専門機関の公開データを統合し、現在の観測状態が通常範囲からどの程度離れているかを相対的に評価するリスクモニタリングです。

データ出典・参考資料

気象庁|緊急地震速報(予報)発表状況
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院|令和8年8月の地殻変動
防災科研|海底地震津波観測網
NICT|宇宙天気予報

Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

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