Earth Compass

2026年9月9日 朝版

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

本日の総合判定:🟡 注意
前日比:→ 横ばい
基準時刻:2026年9月9日 08:00ごろ

本朝は、熊本でM3級・震度2の地震が2回続いたことと、今朝07時15分に**釧路沖M3.7(震度1以上の観測なし)**が発生したことを確認しています。一方、昨日9月8日に国土地理院から最新の全国GNSS解析が公表され、東北と熊本では既往大地震後の余効変動が継続しているものの、**関東・中部と沖縄では「特段の変化なし」**と評価されました。現時点で国内を「警戒」「高警戒」へ引き上げる新たな専門機関情報は確認していません。 気象庁データ

地域・項目判定前日比本朝の評価
日本全国🟡 注意熊本・東北など重点地域を継続監視
熊本・天草・九州中部🟡 注意9/8にM3.5・M3.3、いずれも震度2
北海道・釧路~根室🟡 注意9/9朝に釧路沖M3.7、無感
東北・三陸沖🟡 注意三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動
首都圏・関東🟢~🟡 通常~注意最新GNSSで特段の変化なし
南海トラフ🟢 通常※9/7公式評価「特段の変化なし」
沖縄本島🟢 通常最新GNSSで特段の変化なし
宮古島周辺🟢~🟡 通常~注意最近のM4級活動後、大型化なし
八重山・与那国🟢~🟡 通常~注意最新GNSSで特段の変化なし
海底観測🟢 通常S-net・DONET・N-net観測継続
地殻変動🟡 注意東北・熊本の余効変動を確認
電離圏🔵 参考監視地震予測指標として未確立
太陽・地磁気🔵 参考監視地震判定には直接使用しない

※Earth Compassの「通常」は「地震が起きない」という意味ではなく、平常状態を明瞭に超える短期的な異常が確認されていないという意味です。

1.熊本・天草・九州中部

🟡 注意 →

熊本は引き続き国内で最優先の監視地域です。

気象庁によると、9月8日13時54分に熊本県天草・芦北地方M3.5・最大震度2、21時02分には熊本県熊本地方M3.3・最大震度2が発生しました。前夜9月7日23時21分にもM3.8・最大震度3が発生しており、3回続けて有感地震が観測されています。 気象庁データ

ただし、これは7月28日のM7.1熊本地震後の活動域です。今回のM3級活動だけから、次の大地震の前兆とは判断できません。

昨日公表された国土地理院の最新GNSS解析でも、熊本県を中心とした広範囲で熊本地震後の余効変動が継続していることが確認されました。 国土地理院

したがって判定は、

🟡 注意を維持。

昨日より地震活動そのものはやや目立ちますが、「警戒」へ上げるだけの独立した異常データの重なりはありません。


2.北海道・釧路~根室

🟡 注意 ↑

本朝07時15分、釧路沖M3.7が発生しました。震度1以上は観測されていません。 気象庁データ

8月23日の浦河沖M6.0、その後の浦河・釧路周辺のM3~4級活動を踏まえ、監視優先度をわずかに上げます。

一方、最新の国土地理院GNSS解析で北海道に確認されている主な変動は、2026年4月三陸沖地震・6月岩手県沖地震後の余効変動です。今朝の釧路沖M3.7に対応する新しい顕著な地殻変動が公表されたわけではありません。 国土地理院

したがって、

🟡 注意 ↑

ですが、規模自体は小さく、警戒レベルの上昇ではありません。


3.東北・三陸沖

🟡 注意 →

昨日9月8日に発表された最新GNSS解析は、この地域の現在位置を判断する上で重要です。

国土地理院は、

  • 4月20日 三陸沖M7.7
  • 6月25日 岩手県沖地震
  • 2011年東北地方太平洋沖地震

それぞれに関連する余効変動が現在も観測されているとしています。 国土地理院

これは新しい前兆現象ではなく、大規模地震後の地殻調整が続いている状態です。

9月6日の青森県東方沖M4.7後も、さらに大型化する新しい公的材料は本朝まで確認していません。

🟡 注意 →

を維持します。


4.首都圏・関東

🟢~🟡 通常~注意 →

昨日公表された国土地理院8月地殻変動概況では、

関東・中部地方:「特段の変化は見られません」

と明記されています。 国土地理院

8月23日の茨城県南部M5.9・最大震度5弱、8月30日の千葉県東方沖M4.8・最大震度4がありましたが、現時点でGNSS側から短期的なリスク上昇を補強する変動は確認されていません。

したがって、

🟢~🟡 通常~注意 →

です。

これは首都直下地震の長期リスクが低下したという評価ではありません。


5.南海トラフ

🟢 通常 →

9月7日の第109回評価検討会の判断に変更はありません。

気象庁は、

南海トラフ沿いの大規模地震発生可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない

と評価しています。 気象庁データ

四国・紀伊半島などでは深部低周波地震・微動と短期的ゆっくりすべりが観測され、静岡県西部~愛知県東部では長期的ゆっくりすべりも続いています。ただし気象庁は、これらを従来から繰り返し観測されている現象として評価しています。 気象庁データ

したがって、

🟢 通常 →

を維持します。

ただし南海トラフは「平常時」でも長期的な巨大地震リスクが高い領域であり、緑表示は安全宣言ではありません。


6.沖縄・宮古・八重山

沖縄本島

🟢 通常 →

宮古島

🟢~🟡 通常~注意 →

八重山・与那国

🟢~🟡 通常~注意 →

八重山について本日特に重要なのは、昨日公表された最新GNSS解析です。

国土地理院は**沖縄地方について「特段の変化は見られません」**としています。 国土地理院

8月末には与那国島近海M4.0、宮古島周辺でもM4級がありましたが、本朝までにM5~6級へ拡大する状況は確認していません。 気象庁データ

したがって八重山の短期判定は変更なしです。


7.海底観測

🟢 通常 →

防災科研では現在も、

S-net
DONET
N-net

の連続波形が公開されており、観測は継続しています。サイト上でも9月9日の観測データ生成が確認できます。 海底地図情報

ただし重要な原則があります。

海底観測の生波形だけをEarth Compassが独自に解釈し、「巨大地震の前兆」と判断することはしません。

ノイズ・海況・小規模地震・機器特性の識別には専門解析が必要だからです。

新たな公的異常情報がないため、

🟢 通常

です。


8.地殻変動

🟡 注意 →

本日はここに非常に有用な更新があります。

9月8日16時、国土地理院が**「令和8年8月の地殻変動」**を公表しました。

全国で主要な地震関連変動は、

三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動
2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動
熊本地震後の余効変動

です。 国土地理院

一方、

関東・中部:特段の変化なし
沖縄:特段の変化なし

となっています。 国土地理院

また静岡県西部~愛知県東部では2022年からの長期的ゆっくりすべりに伴う非定常変動が継続していますが、新規現象ではありません。 国土地理院

全国地殻変動判定は、

🟡 注意 →

です。


9.電離圏・太陽活動・地磁気

🔵 参考監視

NICTでは稚内・国分寺・山川・大宜味のイオノゾンデ、TEC、ROTI、柿岡K指数などを継続監視しています。 宇宙天気予報

本朝08時はNICTの日報(通常9時ごろ)更新前にあたるため、Earth Compassではリアルタイム観測を参考にし、地震評価への独自加点は行いません。NICT自身も宇宙天気情報を主として通信、衛星測位、航空、人工衛星等への影響評価のために提供しています。 宇宙天気予報

そして科学的に最も重要な点です。

TEC・ROTI、太陽フレア、太陽風、地磁気擾乱などから、地震の発生日時・場所・規模を実用的に予測する方法は確立されていません。

したがってEarth Compassでは、

電離圏:🔵参考監視
太陽活動:🔵参考監視
地磁気:🔵参考監視

とし、これら単独で「注意→警戒」などの判定変更は行いません。


本日のEarth Compass総合評価

🟡 日本全国:注意 →

本日の判定は昨日から横ばいです。

今日の注目点は、

① 熊本で9月8日にM3.5・M3.3、最大震度2が連続
② 9月9日07時15分に釧路沖M3.7
③ 国土地理院最新GNSSで熊本・東北の余効変動継続を再確認
④ 関東・中部、沖縄には特段の地殻変動なし
⑤ 南海トラフの最新公式判定も「特段の変化なし」

です。 気象庁データ

現時点では、これらを横断しても複数の独立観測系が次の大地震へ向けて同時に異常化しているとは評価できません。

今日の重点監視順位

  1. 熊本・天草・九州中部 — M7.1後、M3級有感地震が継続
  2. 北海道・釧路~根室 — 今朝釧路沖M3.7
  3. 三陸沖~東北太平洋側 — M7級地震後の余効変動継続
  4. 首都圏・関東 — 短期的には落ち着いているが継続監視
  5. 宮古・八重山・与那国 — 現在は規模拡大なし

本朝08時時点で、Earth Compassが国内を「警戒」「高警戒」と判定する地域はありません。

防災上のコメント

熊本では本震後の地震が現在も続いています。特に損傷した建物、石垣、ブロック塀、斜面などは、小規模な地震でも被害が拡大する可能性があるため注意してください。

北海道・東北・伊豆諸島・奄美・沖縄・宮古・八重山などの沿岸では、強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合は、海岸から離れ高い場所へ移動するという津波避難の基本を維持してください。

Earth Compassの「注意」は不安を煽るための表示ではなく、平常時より観測を丁寧に続けるべき地域が複数ある状態という意味です。


Earth Compassは地震予知ではありません。
専門機関の地震活動、GNSS・SAR、海底観測、ゆっくりすべり、電離圏、太陽活動、地磁気などの公開データを統合し、現在の観測状態を相対的に評価するリスクモニタリングです。

データ出典・参考資料

気象庁|最近1か月の緊急地震速報(予報)発表状況
気象庁|9月7日 南海トラフ地震関連解説情報
国土地理院|令和8年8月の地殻変動
防災科研|海底地震津波観測網
NICT|宇宙天気予報

Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

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