Earth Compass

2026年9月2日 朝版

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

本日の総合判定:🟡 注意
前日比:→ 横ばい。ただし北海道・浦河沖は ↑
本日の焦点:浦河沖で未明にM4級が2回。熊本は小規模地震が継続。八重山・与那国は前日のM4.1後を経過観察。

9月2日朝までの気象庁、防災科研、国土地理院、NICTなどの公開情報を統合すると、日本全国を「警戒」「高警戒」に引き上げる新しい公的情報や、複数の独立観測系にまたがる異常は確認されていません。

一方、北海道の浦河沖で本日02時50分にM4.1・最大震度1、04時21分にM4.3・最大震度2が続けて発生しました。いずれも津波の心配はありません。昨日からの最大の変化として北海道太平洋側の注目度を一段上げます。 tenki.jp

地域別リスク評価

地域・観測項目判定前日比本日の評価
日本全国🟡 注意強震の新規続発なし。複数地域を継続監視
北海道・浦河沖~根室🟡 注意今朝M4.1、M4.3が連続
東北・三陸沖🟡 注意M6.1後・今年の大型地震後を監視
首都圏・関東🟡 注意千葉震度4後、強い続発なし
熊本・天草・九州中部🟡 注意M7.1後、小規模有感地震が継続
南海トラフ🟢 通常※最新公式評価に特段の変化なし
日向灘🟢~🟡 通常~注意M5.3後、公式評価では固着状態に特段の変化なし
伊豆・八丈島周辺🟡 注意8月の活動後を経過観察
沖縄本島🟢~🟡 通常~注意新しい大規模活動は確認せず
宮古島周辺🟡 注意8月のM4級活動後
八重山・与那国🟢~🟡 通常~注意8/31与那国島近海M4.1後
海底観測🟢 通常新たな重大公的情報なし
地殻変動🟡 注意熊本・東北の既往大地震後変動
電離圏🔵 参考監視地震予知指標として未確立
太陽活動・地磁気🔵 参考監視地震判定には直接使用せず

※「通常」は安全を保証するものではなく、現在の観測が平常状態から明確に逸脱していないという意味です。


1.北海道・浦河沖 ― 本日もっとも明確な変化

本日未明、

02:50 浦河沖 M4.1 深さ約60km 最大震度1
04:21 浦河沖 M4.3 深さ約50km 最大震度2

が発生しました。後者では函館市、青森県階上町・東通村で震度2を観測しています。津波の心配はありません。 tenki.jp

8月23日の浦河沖M6.0以降、30日にもM4.0が発生しているため、Earth Compassでは単発地震というよりM6.0後の活動域でM4級活動が継続している状態として扱います。

判定

🟡 注意 ↑

ただし、今朝の2回から「より大きな地震が迫っている」と判断する科学的根拠はありません。

今後注目するのは、同一海域でM4~5級が短時間にさらに続くか、震度が上がるかです。


2.熊本・天草・九州中部

令和8年熊本地震M7.1後の活動は現在も続いています。

9月1日11時32分には熊本地方でM2.7・最大震度2、18時44分には天草・芦北地方でM2.7・最大震度1、本日00時58分にも天草・芦北地方でM2.3・最大震度1が確認されています。 カブドットコム証券

気象庁の熊本地震ポータルは8月31日に更新され、地震発生数は平常時より多い状態が続く一方、大局的には緩やかに減少しているとしています。 気象庁

判定

🟡 注意 →

小規模地震の継続は大地震後として不自然ではなく、これだけを新しい大地震の前兆とは判断できません。


3.首都圏・関東

8月30日の千葉県東方沖M4.8・最大震度4から数日が経過しました。

気象庁の緊急地震速報「警報」一覧では、最新の警報対象地震は8月23日の茨城県南部M5.9・最大震度5弱で、その後、新たな警報対象地震は掲載されていません。 気象庁データ

判定

🟡 注意 ↓

活動は沈静化方向です。

このまま強い続発がなければ、今後「通常~注意」への引き下げを検討できる状態です。


4.東北・三陸沖

三陸沖では8月27日のM6.1後も経過監視を継続します。

より長い時間軸では、2026年4月の三陸沖M7.7、6月25日の岩手県沖M7.2など大型地震が複数発生しており、国土地理院はそれらに伴う地殻変動・余効変動を観測しています。

国土地理院の地殻変動関連最新一覧では、岩手県沖・三陸沖に関する解析が引き続き今年の主要案件として掲載されています。 国土地理院

判定

🟡 注意 →

現在「警戒」に引き上げる新しい情報はありませんが、Earth Compassでは引き続き重点監視地域です。


5.南海トラフ

南海トラフについては本日も判定変更なしです。

気象庁の最新定例評価は8月7日で、

南海トラフ沿いの大規模地震の発生可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない

としています。次回の定例評価検討会は9月7日の予定です。 気象庁

8月2日の日向灘M5.3についても、フィリピン海プレート内部で発生した地震で、南海トラフ沿いのプレート間固着状態の特段の変化を示すものではないと評価されています。

判定

🟢 通常 →

ただし非常に重要なのは、

「特段の異常なし」≠「南海トラフ巨大地震の危険が低い」

という点です。

気象庁自身も、平常時からM8~9クラスの長期的な発生確率は高く、切迫性の高い状態だと説明しています。 気象庁


6.沖縄・八重山・与那国

8月31日17時51分、与那国島近海でM4.1・深さ約20kmが緊急地震速報予報系で検知されました。これは30日の西表島付近M3.6に続く八重山西部の活動です。 MJ Alert

現時点で、これらだけから群発化や活動異常を判断できる状況ではありません。

石垣島地方気象台の最新公開月例資料は8月14日の「2026年7月の八重山地方の地震活動」で、八重山を対象とした重大な臨時地震情報は確認されていません。 気象庁データ

沖縄本島

🟢~🟡 通常~注意 →

宮古島

🟡 注意 →

八重山・与那国

🟢~🟡 通常~注意 →

前日からさらにM4級が続いたことを示す明確な材料は、本朝の確認範囲ではありません。


7.海底観測 ― S-net・DONET・N-net

防災科研では現在、

S-net:日本海溝沿い
DONET:南海トラフ東部~中部
N-net:南海トラフ西部

などを観測しています。

海底地震・津波観測網の最新サイトでも連続波形データが提供されており、N-netを含む観測網が運用されています。海底観測は沖合地震や津波を早期検知し、緊急地震速報や津波情報の高度化に利用されます。 Seafloor Information Portal

判定

🟢 通常 →

本朝までに、海底観測を根拠とした新しい南海トラフ地震臨時情報などはありません。

なおEarth Compassでは生の海底波形を独自に「地震前兆」と認定しません。


8.地殻変動

国土地理院が公開している地殻変動情報では、現在の主要監視対象として、

令和8年熊本地震
岩手県沖地震
三陸沖地震

などが継続して掲載されています。

最新の地殻変動関連報道資料は8月12日の熊本地震第3報で、本朝までに日本列島全体を対象とする新しい大規模地殻変動の緊急発表は確認されていません。 国土地理院

判定

🟡 注意 →

ここでの「注意」は、新規異常ではなく熊本・東北の大型地震後の余効変動が存在することを反映します。


9.電離圏・太陽活動・地磁気

NICTでは現在も、

稚内・国分寺・山川・大宜味のイオノゾンデ
foF2
TEC
柿岡K指数

などを継続監視しています。 宇宙天気予報

これらは宇宙天気、短波通信、GNSS測位などを評価するうえで重要なデータです。

一方Earth Compassでは、ここに明確な科学的境界を置きます。

TEC異常、電離圏擾乱、太陽フレア、太陽風、地磁気変動から、地震の場所・日時・規模を実用的に予測できる方法は現在確立されていません。

したがって本日は、

太陽活動:参考監視
地磁気:参考監視
電離圏:参考監視

とし、地震リスク判定の直接的な加点要素にはしません。


本日のEarth Compass総合評価

🟡 日本全国:注意 →

全国全体としては昨日から大きな悪化なしです。

ただし本日は、

浦河沖 M4.1 → 約1時間半後にM4.3

という動きがあったため、北海道太平洋側のみ注目度を上げました。 tenki.jp

一方、

首都圏:沈静化方向
三陸沖:注意継続
熊本:小規模活動は続くが大局的には減少傾向
南海トラフ:公式評価に特段の変化なし
八重山:与那国M4.1後を経過観察

という状況です。

今日の重点監視順位

1位 北海道・浦河沖~根室
本日未明にM4級が2回。活動の連続性を確認。

2位 三陸沖~東北太平洋側
今年大型地震が複数。余効変動を含め継続監視。

3位 熊本・天草・九州中部
M7.1後。小規模有感地震が現在も発生。

4位 八重山・与那国
西表島M3.6、与那国M4.1後。

5位 首都圏・関東
千葉県東方沖震度4後は沈静化方向。

今日のポイント

全国判定は「注意」を維持します。最大の変化は北海道・浦河沖で、9月2日未明にM4.1とM4.3が続けて発生しました。ただし現時点で大地震への移行を示す根拠はありません。熊本では小規模地震が継続、首都圏は沈静化方向、南海トラフには新たな公式異常情報はありません。八重山・与那国も引き続き経過観察とします。

防災上のコメント

北海道・東北太平洋側では、沖合地震が続いています。海岸付近で強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じた場合、津波警報を待つことだけに依存せず避難行動を優先してください。

熊本では地震そのものだけでなく、7月の大地震で損傷している建物、石垣、ブロック塀、斜面などへの追加の揺れによる二次災害に注意が必要です。

首都圏は落ち着きつつありますが、寝室の家具固定、靴・ライト・モバイル電源・飲料水などはそのまま維持してください。

石垣島、西表島、与那国島など八重山では、

強い揺れ・長い揺れ
→ 海から離れ、高い場所へ

を基本行動としておくことを推奨します。


Earth Compass評価基準

🟢 通常:観測が概ね平常範囲。
🟡 注意:地震活動増加、大地震後の継続活動、注視すべき地殻変動など。
🟠 警戒:強震直後、公的注意情報、複数観測系から防災警戒を一段高めるべき状態。
🔴 高警戒:重大な公的臨時情報等を伴う明確な異常状態。

本日、「警戒」「高警戒」と判定する地域はありません。

Earth Compassは地震予知ではありません。専門機関が公開する地震活動、GNSS・SAR、海底観測、スロースリップ、電離圏、太陽活動、地磁気などを横断し、現在の状態が平常状態からどの程度外れているかを評価するリスクモニタリングです。

データ出典・参考資料

気象庁|緊急地震速報(警報)発表状況
気象庁|令和8年熊本地震ポータル
気象庁|南海トラフ地震関連解説情報 2026年8月7日
国土地理院|地殻変動に関する報道発表
防災科研|海底地震津波観測網
石垣島地方気象台
NICT|宇宙天気予報
NICT|電離圏領域

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