2026年8月28日 朝版
日本列島・地殻活動リスクモニタリング
本日の総合判定:注意
前日比:↓ やや落ち着く
注目点:三陸沖M6.1後、今朝までに同規模の新たな大地震は確認されず。熊本・北海道・首都圏は引き続き注意。
8月28日08時時点で専門機関の最新公開情報を確認した結果、昨日27日04時21分の三陸沖M6.1・最大震度2以降、日本列島で新たなM6級や強い揺れを伴う地震が続発する状況は確認されていません。
昨日04時26分には熊本県天草・芦北地方でM3.8・最大震度3が発生しましたが、その後、全国のリスク判定をさらに引き上げる新しい材料は確認できませんでした。
したがってEarth Compass全国判定は**「注意」継続としますが、前日からの方向性はやや沈静化**と評価します。
地域別リスク評価
| 地域・項目 | 判定 | 前日比 | 本日の評価 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 注意 | ↓ | M6.1後、新たな大規模地震なし |
| 東北・三陸沖 | 注意 | → | 8/27 M6.1後を重点監視 |
| 熊本・天草・九州中部 | 注意 | → | M7.1後の活動・余効変動継続 |
| 北海道・浦河沖~根室 | 注意 | → | M6.0・M4.8後を監視 |
| 首都圏・関東 | 注意 | → | 茨城県南部M5.9から5日 |
| 南海トラフ | 通常※ | → | 特段の変化なし |
| 日向灘 | 注意 | → | 8/2 M5.3後 |
| 伊豆・八丈島周辺 | 注意 | → | 8/21 M5.5後 |
| 沖縄本島 | 通常~注意 | → | M4級活動後、大きな拡大なし |
| 宮古島周辺 | 注意 | → | 8/25 M4.2後 |
| 八重山 | 通常 | → | 新たな警戒材料なし |
| 海底観測 | 通常 | → | 新規の重大な公的情報なし |
| 太陽活動 | やや活発/参考監視 | ↑ | Mクラスフレアを確認 |
| 電離圏・地磁気 | 参考監視 | → | 地震予知指標としては未確立 |
※「通常」は「安全」という意味ではなく、現在の観測状態が平常範囲から明確に外れていないという意味です。
1.三陸沖・東北太平洋側
昨日27日04時21分、三陸沖の深さ約10kmでM6.1・最大震度2の地震が発生しました。
津波の心配はありませんでした。
三陸沖では今年、
4月20日 M7.7
6月25日 岩手県沖M7.2・最大震度6強
8月27日 三陸沖M6.1
と大きな地震活動が続いています。
国土地理院のGNSS観測でも、4月・6月の大地震後の余効変動が東北地方で継続しています。
ただし8月28日朝までに、昨日のM6.1からさらにM6級以上へ規模が拡大した状況は確認できません。
判定
注意 →
昨日より悪化してはいませんが、現在のEarth Compassで最も重視する地域です。
2.熊本・天草・九州中部
7月28日の令和8年熊本地震M7.1・最大震度7から1か月が経過しますが、活動はまだ続いています。
昨日27日04時26分にも天草・芦北地方で、
M3.8・最大震度3
を観測しました。
国土地理院によるGNSS解析では電子基準点「千丁」で、
北東方向へ約87cm
約33cm沈降
する非常に大きな地殻変動が確認され、その後も余効変動が観測されています。
衛星SARの3次元解析では、日奈久断層帯北西側で最大約1.5mの北東向き変動、最大約60cmの沈降が解析されています。
判定
注意 →
昨日の震度3は大地震後の活動として理解可能な範囲であり、単独で新しい大地震の前兆とみなす根拠はありません。
3.首都圏・関東
8月23日の茨城県南部M5.9・最大震度5弱から5日が経過しました。
その後、同規模の強い地震は続発していません。
気象庁が地震直後に示した「特に2~3日」の重点注意期間は経過しましたが、約1週間程度は同程度の強い揺れに注意するという一般的な防災期間内です。
判定
注意 →
このまま大きな続発がなければ、数日内に「通常」への引き下げを検討できます。
4.北海道・浦河沖~根室
8月23日に浦河沖M6.0・最大震度4、25日に根室半島南東沖M4.8・最大震度3が発生しています。
26日には択捉島付近M4.6も観測されていますが、その後北海道周辺でM6級が連続する状況は確認していません。
判定
注意 →
北海道太平洋側は、もう数日間活動の推移を確認します。
5.南海トラフ
南海トラフについては本日も判定変更なしです。
気象庁の最新定例評価は8月7日で、
南海トラフ沿いの大規模地震発生可能性が、平常時と比較して相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない
という評価が維持されています。
8月2日の日向灘M5.3はフィリピン海プレート内部の地震と解析されています。
四国・紀伊半島などでは深部低周波地震・微動やゆっくりすべりが観測されていますが、現時点では従来から繰り返し観測されている現象の範囲です。
判定
通常 →
ただし重要なのは、
「特段の異常なし」=「南海トラフ地震の危険が低い」ではない
という点です。
南海トラフは平常時そのものの長期的リスクが高い状態です。
6.沖縄・宮古・八重山
8月25日に宮古島近海でM4.2、沖縄本島近海でM3.6が発生しています。
その後28日朝までに、沖縄・宮古・八重山でEarth Compassの判定をさらに引き上げる規模の活動は確認できません。
沖縄本島
通常~注意 →
宮古島周辺
注意 →
八重山
通常 →
石垣島地方気象台の最新定例資料は8月14日公表の「2026年7月の八重山地方の地震活動」で、本朝までに八重山を対象とする新しい重大な臨時地震情報は確認していません。
八重山では判定にかかわらず、
強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れ
→ 津波警報を待たず高い場所へ移動
を基本にしてください。
7.海底観測
日本周辺では防災科研の、
S-net
DONET
N-net
などの海底地震・津波観測網が稼働しています。
特に三陸沖のような沖合地震では、震源に近い海底で地震動や水圧変化を直接観測できるため極めて重要です。
本朝までに、これらの海底観測を根拠とした南海トラフ地震臨時情報など、新しい重大な公的情報は確認していません。
判定
通常 →
Earth Compassでは海底観測の生波形だけから独自に「前兆」を認定せず、気象庁・防災科研等の解析結果を優先します。
8.地殻変動
国土地理院の最新公表情報では、現在最も明瞭な大規模地殻変動は引き続き熊本地震に伴う変動です。
東北では4月・6月の大地震後の余効変動も観測されています。
昨日の三陸沖M6.1については、8月28日朝までに熊本地震級の新たな大規模地殻変動解析は公表されていません。
判定
注意 →
9.太陽活動・地磁気・電離圏
宇宙天気には少し変化があります。
NICTによると活動領域4513でMクラスの太陽フレアが複数回発生し、最大は26日06時34分UTのM2.2フレアでした。
太陽活動については、通常より活発な状態として記録します。
NICTでは電離圏について、
稚内
国分寺
山川
大宜味
のイオノゾンデや、GEONETを利用したTEC、国分寺foF2、柿岡K指数などを監視しています。
しかしEarth Compassでは、ここに明確な科学的な線引きを置きます。
太陽活動
やや活発 ↑
電離圏・地磁気
参考監視 →
太陽フレア、TEC異常、地磁気変動などから実用的に地震発生を予測する科学的方法は現在確立されていません。
したがって三陸沖M6.1や熊本の活動と今回の太陽フレアを直接関連付けることはしません。
本日のEarth Compass総合評価
🟡 日本全国:注意 ↓
昨日の三陸沖M6.1は重要な地震でしたが、その後今朝までにM6級の連続発生や強い震度を伴う新しい地震は確認されていません。
そのため、
警戒度そのものは「注意」を維持しつつ、前日比はやや沈静化
と評価します。
今日の重点監視順位
1位 三陸沖~東北太平洋側
昨日M6.1。過去数か月にM7級が複数発生しており継続監視。
2位 熊本・天草・九州中部
M7.1後の地震活動・余効変動が継続。
3位 北海道・浦河沖~根室
M6.0・M4.8後。
4位 首都圏・関東
茨城県南部M5.9から5日。沈静化傾向を確認中。
5位 宮古島周辺
M4.2後の連続性を確認。
今日のポイント
全国判定は「注意」を継続しますが、昨日よりやや落ち着いています。三陸沖M6.1後に同規模の続発は確認されていません。熊本・北海道・首都圏を引き続き監視し、南海トラフと八重山については新たな異常情報は確認されていません。
防災上のコメント
三陸沿岸では、沖合でM6級が発生した直後であることから、津波情報をすぐ確認できる環境を維持してください。
熊本では余震そのものだけでなく、既に損傷している建物、斜面、石垣、ブロック塀などの二次災害に引き続き注意が必要です。
首都圏では地震活動が落ち着きつつありますが、家具固定、寝床周辺の安全確保、ライト・靴・スマートフォンの準備はそのまま維持してください。
沖縄・八重山では、海岸近くで強い揺れや長い揺れを感じた場合、情報確認より先に安全な高所への移動を優先してください。
Earth Compass評価基準
通常
観測される活動が通常範囲。
注意
地震活動の増加、大地震後の活動、注視すべき地殻変動など。
警戒
強い地震発生直後、公的な注意情報、または複数の独立観測系から短期的な防災警戒を一段高めるべき状態。
高警戒
重大な公的臨時情報などを伴う明確な異常状態。
Earth Compassは地震を予知するものではありません。
専門機関が公開する地震活動、GNSS、衛星SAR、海底観測、スロースリップ、電離圏、太陽活動、地磁気などを横断し、
「現在の活動が通常状態からどの程度離れているか」
を評価するリスクモニタリングです。
データ出典・参考資料
気象庁「緊急地震速報(予報)発表状況」では、8月27日04時21分の三陸沖M6.1・最大震度2、04時26分の熊本県天草・芦北地方M3.8・最大震度3が最新の主要掲載地震として確認できます。 気象庁データ
気象庁|最近1か月の緊急地震速報(予報)
気象庁の南海トラフ最新定例評価は2026年8月7日で、「平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」としています。 気象庁データ
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院は熊本地震で「千丁」の北東約87cm・沈降約33cmと余効変動を確認し、SAR解析では最大約1.5mの水平変動、最大約60cmの沈降を公表しています。 国土地理院
国土地理院|令和8年熊本地震に伴う地殻変動
国土地理院の7月地殻変動概況では、岩手県を中心に4月の三陸沖地震後の余効変動、6月25日の岩手県沖地震に伴う地殻変動、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動が確認されています。 国土地理院
防災科研のS-net・DONET等は、海底で地震動・津波・地殻変動をリアルタイム観測しています。 海底情報ポータル
防災科研|海底地震津波観測網
石垣島地方気象台では、2026年8月14日に最新の「7月の八重山地方の地震活動」を公開しています。 気象庁データ
石垣島地方気象台
NICTでは活動領域4513でMクラスフレアが複数発生したことを報告し、TEC・foF2・K指数などの宇宙天気指標を継続監視しています。これらは通信・GNSS等の評価指標であり、地震予知指標として確立されたものではありません。 宇宙天気予報
NICT|宇宙天気予報
Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

