2026年8月27日 朝版
日本列島・地殻活動リスクモニタリング
本日の総合判定:注意
前日比:↑ 三陸沖でM6.1。熊本でも震度3を観測
8月27日朝の最大の更新は、04時21分に三陸沖でM6.1・最大震度2の地震が発生したことです。さらにその5分後の04時26分には、熊本県天草・芦北地方でM3.8・最大震度3が発生しました。前日26日にも三陸沖M4.5、福島県沖M4.5、熊本地方M3.3などが検知されており、東北太平洋側と熊本では継続監視の必要性が一段高まりました。 気象庁データ
ただし現時点で、これらの離れた震源域が相互に連動していることを示す科学的根拠や、日本列島全体を「警戒」「高警戒」へ引き上げる複合異常は確認されていません。
地域別リスク評価
| 地域・項目 | 判定 | 前日比 | 本日のポイント |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 注意 | ↑ | 三陸沖M6.1を新規確認 |
| 東北・三陸沖 | 注意 | ↑ | 8/27 M6.1、前日にもM4.5 |
| 熊本・天草・九州中部 | 注意 | ↑ | 今朝M3.8・震度3、M7.1後の活動継続 |
| 首都圏・関東 | 注意 | → | 茨城県南部M5.9後、同規模の続発なし |
| 北海道・浦河沖~根室 | 注意 | → | 浦河沖M6.0、根室沖M4.8後 |
| 南海トラフ | 通常※ | → | 特段の変化なしとの公式評価を維持 |
| 日向灘 | 注意 | → | 8/2 M5.3後を継続監視 |
| 伊豆・八丈島周辺 | 注意 | → | 8/21 M5.5後 |
| 沖縄本島 | 通常~注意 | → | M4級活動後、大きな拡大なし |
| 宮古島周辺 | 注意 | → | 8/25 M4.2後を監視 |
| 八重山 | 通常 | → | 新たな警戒材料なし |
| 海底観測 | 通常 | → | 新たな公的臨時情報なし |
| 宇宙天気・電離圏 | 参考監視 | → | 地震予知指標としては未確立 |
※「通常」は「安全」を意味せず、現在の観測が通常状態から明確に外れていないという意味です。
1.三陸沖・東北太平洋側
今朝04時21分、三陸沖でM6.1・最大震度2の地震が発生しました。
昨日26日15時54分にも三陸沖でM4.5と推定される地震が検知され、05時23分には福島県沖M4.5・最大震度2も発生しています。 気象庁データ
さらに今年6月25日には岩手県沖でM7.2・最大震度6強が発生しているため、Earth Compassでは三陸沖~東北太平洋側を引き続き重要監視ゾーンとします。
今回のM6.1は沖合で最大震度2にとどまっていますが、「M6級」という規模自体は無視できません。
判定
注意 ↑
今後は、
同じ三陸沖でM5~6級が続くか
震源域が南北方向へ拡大するか
陸に近い場所へ活動が移るか
を重点確認します。
現時点では「警戒」への引き上げまでは行いません。
2.熊本・天草・九州中部
今朝04時26分、熊本県天草・芦北地方でM3.8・最大震度3が発生しました。
昨日26日11時33分にも熊本県熊本地方でM3.3・最大震度2が発生しており、7月28日の令和8年熊本地震M7.1後の活動が現在も続いていることが分かります。 気象庁データ
国土地理院の最新衛星SAR解析では、7月28日の本震に伴い日奈久断層帯北西側で、
最大約1.5mの北東向き変動
最大約60cmの沈降
が解析されています。最新の主要解析更新は8月21日です。 国土地理院
この1.5mは最近新たに動いた量ではなく、M7.1による地殻変動を衛星データで詳細化した結果です。
判定
注意 ↑
今日は前日より一段注目度を上げます。
ただしM3.8・震度3は、大地震後の活動として想定し得る範囲であり、これ自体を「次の大地震の前兆」と評価する根拠はありません。
3.首都圏・関東
8月23日の茨城県南部M5.9・最大震度5弱から4日が経過しました。
気象庁の緊急地震速報警報一覧を確認すると、その後に同程度の強い地震は発生していません。 気象庁データ
昨日「警戒」から「注意」へ引き下げた評価を、本日も維持します。
判定
注意 →
ただし発生からまだ1週間以内のため、通常判定には戻しません。
4.北海道・浦河沖~根室
8月23日に浦河沖でM6.0・最大震度4、25日には根室半島南東沖でM4.8・最大震度3が発生しています。
昨日から今朝にかけて、北海道周辺でこれを上回る新しい大規模地震は確認していません。
判定
注意 →
M6.0発生後という点から、引き続き短期的な活動推移を見ます。
5.南海トラフ
南海トラフについては、本日も判定変更なしです。
気象庁が8月7日に公表した最新の定例評価では、
「南海トラフ沿いの大規模地震の発生可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」
としています。 気象庁データ
8月2日の日向灘M5.3はフィリピン海プレート内部の地震と解析されています。また、四国中部などで深部低周波地震・微動やゆっくりすべりが観測されていますが、現時点では従来から繰り返し観測されている現象の範囲と評価されています。 気象庁データ
判定
通常 →
ただし南海トラフは、**「平常時そのものの長期リスクが高い」**という点を忘れてはいけません。
6.沖縄・宮古・八重山
8月25日に宮古島近海M4.2、沖縄本島近海M3.6が発生しましたが、昨日から今朝にかけてEarth Compassの判定をさらに引き上げるような新しい大規模地震は確認していません。
沖縄本島
通常~注意 →
宮古島周辺
注意 →
八重山
通常 →
石垣島・西表島・与那国島周辺について、本朝時点で新しい地震警戒情報は確認していません。
ただし八重山では、Earth Compassの判定とは無関係に津波への初動が最優先です。
強い揺れ、または弱くても長い揺れを感じたら、津波警報を待たず高い場所へ移動してください。
7.海底観測
三陸沖ではS-net、南海トラフではDONET・N-netなどの海底地震・津波観測網が重要な役割を果たしています。
今日の三陸沖M6.1のような沖合地震では、海底観測網は陸上観測より震源に近い位置でデータを取得できるため、地震・津波の早期把握に特に重要です。
現時点で、海底観測を根拠として南海トラフ地震臨時情報など、新たな重大な公的情報が発表された状況は確認していません。
判定
通常 →
Earth Compassでは生波形だけから独自に「前兆」を判定せず、気象庁・防災科研などによる専門解析を優先します。
8.地殻変動
現在、公的資料で最も明瞭な大規模地殻変動は引き続き熊本地震に伴うものです。
最新SAR解析は8月21日更新で、日奈久断層帯周辺の大きな変位が確認されています。 国土地理院
三陸沖M6.1について、本朝時点で国土地理院から熊本地震級の新たな顕著な地殻変動解析は確認していません。
判定
注意 →
9.電離圏・太陽活動・地磁気
NICTでは現在、
稚内
国分寺
山川
大宜味
の国内イオノゾンデ観測や、GEONETを利用したTEC、国分寺のfoF2、柿岡の地磁気K指数などを継続監視しています。 宇宙天気予報
TECは電離圏中の電子量を表す指標で、GPS/GNSS信号の遅延など宇宙天気の評価に重要です。地磁気活動との関係を調べるためにも利用されています。 宇宙天気予報
しかし、Earth Compassではここを明確に区別します。
TEC変動、電離圏異常、太陽フレア、地磁気擾乱から地震発生を実用的に予測する科学的方法は現在確立されていません。
NICTの宇宙天気情報そのものも、通信・放送・GNSS・人工衛星などへの影響把握を主目的としています。 宇宙天気予報
したがって、
判定
参考監視 →
とします。
今朝の三陸沖M6.1や熊本M3.8を、宇宙天気現象と直接関連付けることはしません。
本日のEarth Compass総合評価
🟡 日本全国:注意 ↑
今日は昨日よりやや活動的な朝です。
特に、
8月27日04:21 三陸沖 M6.1・最大震度2
8月27日04:26 熊本県天草・芦北地方 M3.8・最大震度3
がほぼ同時刻に発生したことが目を引きます。 気象庁データ
しかし、三陸沖と熊本は約1,000km以上離れ、異なるプレート環境にあります。
発生時刻が近いことだけを理由に、両地震が連動したと考える科学的根拠はありません。
現在確認できる範囲では、日本列島全体が一斉に異常化しているという証拠もありません。
今日の重点監視順位
1位 三陸沖~東北太平洋側
今朝M6.1。昨日からM4級も確認。
2位 熊本・天草・九州中部
M7.1後の活動が継続し、今朝も震度3。
3位 北海道・浦河沖~根室
M6.0・M4.8後を継続監視。
4位 首都圏・関東
茨城県南部M5.9後。警戒ピークは越えつつあるが、まだ注意期間。
5位 宮古島周辺
M4級活動の連続性を確認。
今日のポイント
全国判定は「注意」。今朝、三陸沖でM6.1、直後に熊本で震度3を観測しました。東北太平洋側と熊本を重点監視します。ただし両者の連動や日本列島全体の異常化を示す科学的根拠はありません。南海トラフと八重山には新たな異常情報は確認されていません。
防災上のコメント
三陸沿岸では沖合M6級地震が発生したため、今日は津波情報をすぐ確認できる状態を意識してください。
熊本ではM7.1後の地盤、斜面、石垣、ブロック塀、損傷建物などへの追加の揺れによる二次災害に引き続き注意が必要です。
首都圏では茨城県南部M5.9からまだ4日です。家具の固定や寝室周辺の安全確保は維持してください。
沖縄・八重山など沿岸地域では、
強い揺れ・長い揺れ → 情報確認より先に安全な高所へ
という初動を基本にしてください。
Earth Compass評価基準
通常
観測活動が通常範囲。
注意
地震活動の増加、大地震後の継続活動、注視すべき変化。
警戒
強い地震直後、公的な注意情報、または複数の独立観測から短期的な防災警戒を一段高めるべき状態。
高警戒
重大な公的臨時情報等を伴う明確な異常状態。
Earth Compassは地震を予知するものではありません。
専門機関が公開する地震活動、GNSS、衛星SAR、海底観測、スロースリップ、電離圏、太陽活動、地磁気などを横断し、
「現在の活動が通常状態からどの程度離れているか」
を評価するリスクモニタリングです。
データ出典・参考資料
気象庁「緊急地震速報(予報)発表状況」— 2026年8月27日04:21三陸沖M6.1、04:26熊本県天草・芦北地方M3.8など。 気象庁データ
気象庁|最近1か月の緊急地震速報(予報)
気象庁「南海トラフ地震関連解説情報」— 2026年8月7日現在、平常時より発生可能性が相対的に高まったと考えられる特段の変化なし。 気象庁データ
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院「令和8年熊本地震に伴う地殻変動」— 2026年8月21日更新。 国土地理院
国土地理院|熊本地震に伴う地殻変動
NICT「宇宙天気予報/電離圏領域」— TEC、foF2、地磁気K指数などの監視。 宇宙天気予報
NICT|宇宙天気予報
Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

