Earth Compass

2026年8月24日 朝版

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

本日の総合判定:注意
前日比:→ 全国判定は据え置き。ただし北海道でM6.0、熊本でも震度3

8月24日朝までの専門機関の公開データを確認すると、昨日の茨城県南部M5.9・最大震度5弱に続き、昨夜22時44分には浦河沖でM6.0・最大震度4が発生しました。

さらに今朝4時05分には熊本県天草・芦北地方でM3.9・最大震度3、7時32分には房総半島南方沖でM4.1と推定された地震が検知されています。

日本列島の複数地域でM4~6級の地震が続いているため、Earth Compassとしては**「注意」継続**とします。

ただし現時点では、これらが互いに連動している、あるいは日本列島全体で大規模地震が切迫していると判断できる科学的根拠はありません。

地域別リスク

地域・項目判定前日比本日のポイント
日本全国注意関東M5.9に続き浦河沖M6.0
首都圏・関東警戒茨城県南部M5.9後、気象庁の注意期間内
北海道・日高・浦河沖注意8/23夜 M6.0・最大震度4
熊本・天草・九州中部注意今朝M3.9・震度3、大地震後の活動継続
南海トラフ通常※特段の異常変化なし
日向灘注意8/2 M5.3後を継続監視
伊豆・八丈島周辺注意8/21 M5.5後
東北・三陸沖注意既往の大地震後を監視
沖縄本島通常新規の顕著な拡大なし
宮古・八重山通常新しい警戒材料なし
海底観測通常新たな公的異常情報なし
宇宙天気通常~注意地震リスクとの因果関係は未確立

※「通常」は安全という意味ではなく、現在の観測値が通常状態から明確に外れていないという意味です。


1.首都圏・関東

昨日8月23日02時00分、茨城県南部の深さ68kmでM5.9、最大震度5弱の地震が発生しました。

気象庁は、

今後1週間程度、特に地震発生後2~3日は最大震度5弱程度の地震に注意

としています。

8月24日朝は、まさにこの「特に注意する2~3日」の期間内です。

現時点では、このM5.9後に同規模の地震が連発する状況にはなっていません。

しかし今朝7時32分には房総半島南方沖でM4.1と推定される地震も緊急地震速報システムで検知されています。

これを茨城県南部M5.9と直接結び付けることはできませんが、関東周辺では今日も地震活動の推移を慎重に監視します。

判定

警戒 →

ここでの「警戒」は巨大地震予知ではなく、実際に震度5弱が発生した直後の短期的な防災リスク評価です。


2.北海道・浦河沖

本日の重要な新規情報です。

8月23日22時44分頃、浦河沖でM6.0、深さ約40kmの地震が発生しました。

最大震度は4でした。

気象庁の初動発震機構解析では、逆断層型となっています。

さらに8月24日01時36分には日高地方東部M4.0・最大震度2も観測されています。

現時点では、これだけで浦河沖周辺が群発的に活発化したとは判断できません。

ただしM6.0という規模を考慮し、Earth Compassでは北海道南部~日高・浦河沖を新たな重点監視地域とします。

判定

注意 ↑

今後、

同じ震源域でM4~5級以上が続くか
震源域が拡大するか
震度4以上の地震が再発するか

を確認します。


3.熊本・天草・九州中部

熊本では活動がまだ終息したとは言えません。

今朝8月24日04時05分、熊本県天草・芦北地方で

M3.9・最大震度3

の地震が発生しました。

7月28日の令和8年熊本地震M7.1後、熊本地方から天草・芦北地方にかけて地震活動が継続しています。

国土地理院のGNSS解析では電子基準点「千丁」で、

北東方向へ約87cm
約33cm沈降

する地殻変動が確認され、その後も余効変動が観測されています。

さらに衛星SARの3次元解析では、日奈久断層帯北西側で最大約1.5mの北東向き変動と、最大約60cmの沈降が解析されています。

これらは新たな異常ではなく、主に7月28日の大地震で生じた変動とその後の余効変動です。

判定

注意 →

今朝の震度3も含め、引き続きEarth Compass最重要監視地域の一つとします。


4.南海トラフ

南海トラフについて、状況は変わっていません。

気象庁が8月7日に発表した最新の定例評価では、

南海トラフ沿いの大規模地震発生の可能性が、平常時と比較して相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない

としています。

7月には四国中部などで深部低周波地震・微動、短期的ゆっくりすべりなどが観測されています。

しかし、これらは従来から繰り返し確認されてきた現象です。

また8月2日の日向灘M5.3についても、フィリピン海プレート内部で発生した地震と解析されています。

判定

通常 →

ただし南海トラフは「通常時」そのものの長期リスクが高い地域です。

「異常なし」と「地震が起きない」は全く違います。


5.伊豆・八丈島周辺

8月21日には八丈島東方沖でM5.5が発生しています。

その後に、8月23日の茨城県南部M5.9、今朝の房総半島南方沖M4.1と、関東から伊豆諸島周辺で複数の地震が発生しています。

しかし震源の深さ、位置、プレート構造が異なるため、現段階で一連の地震活動と判断することはできません。

判定

注意 →

今後も関東南方~伊豆諸島周辺を一つの広域監視ゾーンとして推移を確認します。


6.沖縄・宮古・八重山

8月21日に沖縄本島近海でM4.2が発生しましたが、その後、沖縄本島・宮古・八重山でEarth Compassの判定を引き上げる規模拡大は確認していません。

沖縄本島

通常 →

宮古・八重山

通常 →

八重山では今日も、

地震リスク判定と津波避難は別

と考えてください。

石垣島、西表島、与那国島などでは、強い揺れ、または弱くても長い揺れを感じた場合、

津波警報を待たず高い場所へ移動する

ことが基本です。


7.海底観測

南海トラフではDONET・N-net、東日本沖ではS-netなどの海底地震・津波観測網が稼働しています。

本日朝までに、これら海底観測を根拠として南海トラフ地震臨時情報などが新たに発表された状況はありません。

判定

通常 →

Earth Compassでは生波形から独自に「前兆」を認定することはせず、気象庁・防災科研など専門機関による解析を優先します。


8.太陽活動・地磁気・電離圏

NICTでは、

太陽フレア
太陽風
地磁気擾乱
電離圏TEC
foF2
スポラディックE層

などを継続監視しています。

特にTECは国土地理院GEONETのGPS観測データから算出され、GPS測位や無線通信への影響を見る重要な宇宙天気指標です。

ただしEarth Compassとして重要な科学的線引きを維持します。

電離圏異常、太陽活動、地磁気変動を利用して実用的に地震を予知する方法は、現在確立されていません。

大地震前後のTEC変化などを検討する研究は存在しますが、因果関係や再現性は地震予測に使用できる段階ではありません。

したがってこれらは補助観測データとして扱います。


本日のEarth Compass総合評価

🟡 全国総合:注意

昨日との違いは、首都圏だけではなく北海道でもM6級地震が発生したことです。

直近約2日間を見ると、

8月21日 八丈島東方沖 M5.5
8月23日02時 茨城県南部 M5.9・震度5弱
8月23日22時44分 浦河沖 M6.0・震度4
8月24日04時05分 熊本・天草芦北 M3.9・震度3
8月24日07時32分 房総半島南方沖 M4.1推定

と、日本列島の離れた複数地域で地震が発生しています。

これは注目すべき活動状況です。

一方で、震源域は互いに大きく離れ、テクトニクスも異なります。

したがって現時点で、

「日本列島全体の地震活動が連動して異常化した」

と判断することは科学的に適切ではありません。

今日の重点監視順位

1位 首都圏・茨城県南部~房総周辺

M5.9後の気象庁注意期間内。

2位 北海道・浦河沖~日高地方

昨夜M6.0。今後の連続性を確認。

3位 熊本・天草・九州中部

M7.1後の地震活動と余効変動が継続。

4位 伊豆・八丈島周辺

8月21日M5.5後を引き続き監視。


今日のポイント

首都圏の警戒を継続しつつ、新たに浦河沖M6.0を重点監視。全国ではM5~6級地震が複数発生していますが、現時点で相互の連動を示す科学的根拠はありません。南海トラフと八重山には新たな異常情報は確認されていません。


防災上のコメント

今日は特に関東では、昨日の震度5弱を受けてもう一度室内を確認してください。

家具の転倒防止
棚の上の物を下ろす
スマートフォン・ライト・靴を寝床の近くへ
玄関・避難経路を家具で塞がない

これだけでも、次の揺れへの安全性は大きく変わります。

北海道の日高・浦河周辺でも、昨夜M6.0が発生したばかりです。落石、崖崩れ、損傷した建物などには注意してください。

熊本では大地震後の地盤・斜面・建物への二次的影響を引き続き警戒してください。


Earth Compass評価基準

通常
通常範囲の地震・地殻活動

注意
地震活動増加、大地震後の継続活動、注視すべき地殻変動

警戒
強い地震直後や公的注意情報などにより、短期的な防災警戒を一段高めるべき状態

高警戒
重大な公的臨時情報などを伴う明確な異常状態

Earth Compassは地震を予知するものではありません。

地震活動、GNSS、衛星SAR、海底観測、スロースリップ、電離圏、太陽活動、地磁気などの専門機関による公開データを横断し、

「現在の状態が通常状態からどの程度離れているか」

を継続的に評価するリスクモニタリングです。

データ出典・参考資料

気象庁|最近1か月の緊急地震速報・地震活動
気象庁|8月23日 茨城県南部M5.9に関する報道発表
気象庁|南海トラフ地震関連解説情報 2026年8月7日
国土地理院|令和8年熊本地震に伴う地殻変動
NICT|宇宙天気予報
NICT|電離圏領域・TEC観測

Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

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