2026年8月23日 朝版
日本列島・地殻活動リスクモニタリング
本日の総合判定:注意
前日比:↑ 首都圏を重点監視へ
今朝の最大の変化は、8月23日02時00分に茨城県南部で発生したM5.9、最大震度5弱の地震です。震源の深さは68kmで、茨城県・埼玉県・千葉県・東京都の計17市区町村で震度5弱を観測しました。気象庁は、揺れの強かった地域について今後1週間程度、特に今後2~3日は最大震度5弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。津波の心配はありません。 気象庁
一方、南海トラフ、熊本、沖縄・八重山について、今朝までに新たな大規模異常を示す公的情報は確認されていません。
地域別リスク
| 地域・項目 | 判定 | 前日比 | 本日の評価 |
|---|---|---|---|
| 日本全国 | 注意 | ↑ | 首都圏M5.9を受け重点監視 |
| 首都圏・関東 | 警戒 | ↑↑ | 茨城県南部M5.9・最大震度5弱 |
| 熊本・天草・九州中部 | 注意 | → | M7.1後の活動・余効変動を監視 |
| 南海トラフ | 通常※ | → | 特段の異常変化なし |
| 日向灘 | 注意 | → | 8月2日M5.3後を継続監視 |
| 伊豆・八丈島周辺 | 注意 | → | 8月21日M5.5後を監視 |
| 東北・三陸沖 | 注意 | → | 既往の大地震後を監視 |
| 沖縄本島 | 通常 | → | 8月21日M4.2後、大きな拡大なし |
| 宮古・八重山 | 通常 | → | 新たな警戒材料なし |
| 海底観測 | 通常 | → | 臨時異常情報なし |
| 宇宙天気 | 通常~注意 | → | 太陽活動は活発、地磁気は静穏 |
※「通常」は「安全」ではなく、現在の観測状態が平常域から明確に外れていないという意味です。
1.首都圏・関東 ― 本日の最重要監視地域
8月23日02時00分、茨城県南部の深さ68kmでM5.9の地震が発生しました。
発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、気象庁は太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生した地震と解析しています。つまり、いわゆる浅い内陸活断層地震ではなく、関東地下に沈み込むプレート境界付近の地震です。 気象庁データ
長周期地震動については、
埼玉県南部:階級2
千葉県北西部:階級2
東京都23区:階級2
を観測しました。高層建物では通常の震度とは異なる、長くゆっくりした揺れが感じられた可能性があります。 気象庁データ
03時30分までには、今回の地震後に震度1以上を観測する地震は確認されていません。ただし、発生からまだ数時間しか経過していません。 jma.go.jp
Earth Compass判定
警戒 ↑↑
今回「警戒」とした理由は、地震予知的な意味ではありません。
実際にM5.9・震度5弱が発生したことと、気象庁が今後1週間程度の注意を公式に呼びかけていることを重視した短期的な地域リスク評価です。
なお茨城県南部の深さ50~70km付近は、もともと地震活動が比較的活発な領域として知られています。今回の地震だけから「首都直下巨大地震の前兆」と判断する科学的根拠はありません。 地震情報サイト
2.熊本・天草・九州中部
7月28日の令和8年熊本地震M7.1後の活動は、引き続きEarth Compassの重要監視対象です。
国土地理院のGNSS解析では電子基準点「千丁」で、
北東方向へ約87cm
約33cm沈降
という非常に大きな地殻変動が確認され、その後も余効変動と考えられる動きが観測されています。 国土地理院
さらに8月21日に更新された衛星SARの3次元解析では、日奈久断層帯北西側で最大約1.5mの北東向き変動、最大約60cmの沈降が確認されました。これは8月21日に新たに動いたのではなく、7月28日の地震による変動をより精密に解析した結果です。 国土地理院
判定
注意 →
首都圏の新規地震とは別に、熊本は大地震後の活動域として継続監視します。
3.南海トラフ
南海トラフについて、最新の気象庁定例評価は8月7日です。
現在のところ、
大規模地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。 気象庁データ
四国・紀伊半島周辺では深部低周波地震・微動やスロースリップが観測されていますが、これらは南海トラフ沿いで以前から繰り返し観測されている現象です。
8月2日の日向灘M5.3についても、フィリピン海プレート内部で発生した地震で、南海トラフのプレート間固着状態に特段の変化を示すものとは評価されていません。 気象庁データ
判定
通常 →
ただし南海トラフは平常時から長期リスクの高い地域です。
4.伊豆・八丈島周辺
8月21日21時02分には八丈島東方沖でM5.5が発生しています。
今日の茨城県南部M5.9とは震源位置・深さ・テクトニクスが異なるため、現時点で両者を一連の活動として扱う科学的根拠はありません。
判定
注意 →
今後数日、八丈島東方沖でM5級の地震が連続するかを確認します。
5.沖縄・宮古・八重山
8月21日に沖縄本島近海でM4.2、同日には宮古島近海でもM3.9が観測されていますが、その後、南西諸島全体で明確な規模拡大を示す新しい公的情報は確認していません。 気象庁データ
沖縄本島
通常 →
宮古・八重山
通常 →
八重山ではEarth Compassの判定とは別に、津波への即時対応を最優先にしてください。
強い揺れ、または弱くても長くゆっくりした揺れを感じたら、津波警報を待たず高い場所へ移動する。
この原則は今日も変わりません。
6.海底観測
南海トラフ周辺ではDONET・N-net、東日本沖ではS-netなどの海底地震・津波観測網が運用されています。
今朝までに、これらの海底観測を根拠として南海トラフ地震臨時情報などが新規発表された状況はありません。
判定
通常 →
海底観測データは非常に重要ですが、Earth Compassでは一般公開波形を独自に「前兆」と判定せず、気象庁・防災科研等の公式解析を優先します。
7.太陽活動・地磁気・電離圏
NICTの最新宇宙天気情報では、太陽活動は活発とされています。一方、地磁気活動は静穏で、今後数日間も静穏な状態が予想されています。 宇宙天気予報
NICTは日本上空のTEC(電離圏全電子数)、foF2、柿岡のK指数などを継続観測しています。TECはGNSS信号の遅延などに関係する重要な宇宙天気指標です。 宇宙天気予報
宇宙天気判定
通常~注意 →
ただし重要なのは、
今朝の茨城県南部M5.9と太陽活動・電離圏変動を直接結びつける科学的根拠はありません。
地震前後のTEC異常などを研究する論文は存在しますが、電離圏、太陽フレア、地磁気変動から実用的に地震を予知できる方法は確立されていません。
Earth Compassでは記録対象にはしますが、地震警戒度の直接的な根拠には使用しません。
本日のEarth Compass総合評価
🟡 全国総合:注意 ↑
ただし地域別では、
🟠 首都圏・関東:警戒
とします。
昨日までとの最大の違いは明確です。
8月23日02時00分
茨城県南部 M5.9
深さ68km
最大震度5弱
の発生です。 jma.go.jp
本日の重点監視順位は、
1位 首都圏・茨城県南部周辺
2位 熊本・天草・九州中部
3位 伊豆・八丈島東方沖
4位 日向灘~南海トラフ西端
とします。
気象庁は今回の茨城県南部地震について、
「今後1週間程度、特に今後2~3日の間は最大震度5弱程度の地震に注意」
としています。 気象庁
これは「次の地震が来る」と予測しているわけではありません。大きな地震の直後は統計的に同程度の揺れを伴う地震が起こる可能性が平常時より高いための防災上の注意喚起です。
今日のポイント
首都圏でM5.9・震度5弱。全国判定は「注意」、首都圏は一時的に「警戒」へ引き上げます。南海トラフ・八重山には現時点で新たな異常情報はありません。
防災上のコメント
首都圏では今日は、家具の転倒、棚上の物、ガラス、高層階の長周期地震動への備えを再確認してください。
特に一度強く揺れた地域では、外壁、ブロック塀、瓦、斜面などが弱くなっている可能性があります。
就寝中に再び揺れる可能性も考え、
靴・スマートフォン・ライトを手の届く場所に置く
出口を塞ぐ家具がないか確認する
高い家具の近くで寝ない
といった簡単な対策だけでも有効です。
Earth Compass評価基準
通常
通常範囲の活動
注意
地震活動の増加、大地震後の継続活動、注視すべき変化
警戒
実際に強い地震が発生した直後、または複数観測・公的注意情報などから短期的な警戒強化が合理的な状態
高警戒
重大な公的臨時情報等を伴う明確な異常状態
Earth Compassは地震予知ではありません。
地震活動、GNSS、SAR、海底観測、スロースリップ、電離圏、太陽活動、地磁気などの公開データを横断し、現在の状態が通常状態からどれだけ離れているかを評価するリスクモニタリングです。
データ出典・参考資料
気象庁|2026年8月23日 茨城県南部の地震について
気象庁|南海トラフ地震に関連する情報
国土地理院|令和8年熊本地震に伴う地殻変動
NICT|宇宙天気予報
NICT|電離圏領域
Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

