Earth Compass

2026年8月18日 朝版

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

本日の総合判定:注意
前日比:→ 地震活動は大きな悪化なし/宇宙天気は一時的に活発化

現時点で、日本列島全体について「大地震の発生可能性が平常時より明確に高まった」と判断できる公的観測データは確認できません。南海トラフについても、気象庁の最新評価では特段の異常変化は観測されていません。 気象庁データ

一方、7月28日の熊本県熊本地方M7.1以降、熊本・天草・芦北周辺では活発な地震活動が続いてきたため、Earth Compassでは引き続き九州中部を「注意」とします。また本朝は、NICTが地磁気嵐に関する臨時情報を掲載しており、宇宙天気については昨日より一段注視が必要です。ただし、地磁気嵐と地震発生の因果関係は科学的に確立されていません気象庁

地域別リスク

地域判定前日比Earth Compass評価
日本全国注意熊本周辺の活動を継続監視
熊本・天草・九州中部注意M7.1後の活動域として継続監視
南海トラフ通常※特段の異常変化なし
日向灘注意8月2日M5.3、固着変化を示すものではない
首都圏通常警戒度を上げる新規材料なし
東北・三陸沖注意4月・6月の大地震後の余効変動を監視
沖縄本島通常顕著な新規異常を確認せず
宮古・八重山通常現時点で警戒度上昇を示す材料なし
宇宙天気注意地磁気活動が一時的に活発化

※「通常」は「安全」を意味しません。


1.熊本・天草・九州中部

7月28日16時27分、熊本県熊本地方でM7.1、最大震度7の地震が発生しました。その約40分後には天草・芦北地方でM6.1、最大震度5弱が発生し、その後も周辺で地震活動が続きました。 気象庁

8月上旬にも熊本地方や天草・芦北地方でM4~5級を含む地震が観測されています。気象庁の履歴には、8月6日に天草・芦北地方M5.1、熊本地方M4.5、8月9日に熊本地方M3.6などが記録されています。 気象庁データ

現段階では、この活動だけを根拠として「次の大地震が迫っている」と判断することはできません。

ただしEarth Compassでは、

大地震後の活動域が完全に沈静化したとみなすにはまだ早い

と考え、引き続き注意を維持します。


2.南海トラフ

気象庁が8月7日に公表した最新評価では、

南海トラフ沿いで、大規模地震発生の可能性が平常時と比較して相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。 気象庁データ

観測上は、7月後半から、

  • 四国中部
  • 紀伊半島西部
  • 四国西部

で深部低周波地震・微動が確認され、それと同期したわずかな地殻変動も観測されています。気象庁はこれを、プレート境界深部における短期的ゆっくりすべりによるものと評価しています。 気象庁データ

またGNSSでは、2022年初頭から静岡県西部~愛知県東部に、それまでとは異なる地殻変動が継続しています。御前崎・潮岬・室戸岬周辺では長期的な沈降傾向も続いています。 気象庁データ

重要なのは、

「プレートが動いている」ことと、「異常な動きに変化した」ことは別

という点です。

現段階では後者は確認されていません。

本日の判定

通常(長期的には高リスク)


3.日向灘

8月2日04時10分、日向灘の深さ21kmでM5.3の地震が発生しました。

この地震はフィリピン海プレート内部で発生した正断層型で、気象庁は、

南海トラフ沿いのプレート間固着状態に特段の変化を示す規模・性質ではない

と評価しています。 気象庁データ

したがって、日向灘の地震だけを理由に南海トラフ全体の判定を引き上げる状況ではありません。

ただし日向灘は南海トラフ西端に近い重要監視地域であるため、Earth Compassでは引き続き注意とします。


4.東北・三陸沖

国土地理院のGNSS観測では、4月20日の三陸沖M7.7、6月25日の岩手県沖M7.2に伴う地殻変動および、その後の余効変動が確認されています。 国土地理院

大地震の後には、震源域周辺の地殻が数週間~数か月以上かけて変形を続けることがあります。

これは地震後の自然な緩和過程として観測される現象で、余効変動そのものが次の大地震を意味するわけではありません。

ただし東北沖では2026年に大規模地震が複数発生しているため、

判定:注意

を維持します。


5.首都圏

本朝までに確認した公開情報では、首都圏についてEarth Compassの警戒度を引き上げるような、

  • 顕著な群発地震
  • 急激な規模増大
  • 異常なGNSS変動
  • 公的な臨時情報

は確認していません。

判定

通常

ただし首都圏直下は複数のプレートが重なる複雑な構造を持つため、「通常=リスクが低い」ではありません。


6.沖縄・宮古・八重山

石垣島地方気象台は8月14日に「2026年7月の八重山地方の地震活動」を公表しています。八重山周辺は、南西諸島海溝と沖縄トラフに挟まれた地震活動の活発な地域ですが、現時点で臨時の警戒情報につながる異常は確認されていません。 気象庁データ

沖縄周辺では2025年だけでも約14,000回の地震が観測されており、地域そのものが日常的に地震活動の高い場所です。したがって、単に地震回数が多いというだけでは異常判定にはなりません。 気象庁データ

本日の判定

通常

八重山では地震そのもの以上に、津波への初動が重要です。

強い揺れ、または長くゆっくりした揺れを感じた場合は、津波警報を待たず高台へ移動することが基本です。


7.地殻変動

国土地理院は全国約1,300点の電子基準点によるGEONETで日本列島の動きを常時監視しています。 国土地理院

現在注目される主な変動は、

東北沖の大地震後の余効変動
静岡~愛知の長期的ゆっくりすべり
南海トラフ深部の短期的スロースリップ

です。 国土地理院

いずれも現在の公的評価では、

「大地震直前の異常を示すもの」

とはされていません。


8.宇宙天気:今日は変化あり

昨日と比較して最も変化が見られるのは、この項目です。

NICT宇宙天気予報では、8月18日朝に地磁気嵐に関する臨時情報が掲載されています。また最新予報では、直近の地磁気活動が静穏から活発化する可能性が示されています。 宇宙天気予報

したがってEarth Compassの宇宙天気項目は、

通常 → 注意

へ一段引き上げます。

ただし、この扱いには重要な注意があります。

地磁気嵐と地震

地磁気・電離層・太陽活動と地震発生との関連を調べる研究は存在します。

しかし、

現在の科学では、太陽フレアや地磁気嵐を地震予測に利用できる因果関係は確立されていません。

したがってEarth Compassでは、

「観測はするが、地震リスク判定の直接材料にはしない」

という方針を維持します。


本日のEarth Compass総合評価

🟡 注意

昨日から地震リスクそのものに明確な悪化は確認していません。

注視を継続する地域は、

① 熊本・天草・九州中部
② 東北・三陸沖
③ 日向灘

です。

南海トラフではスロースリップや深部低周波微動が観測されていますが、現時点では通常観測される変動の範囲と評価されています。 気象庁データ

沖縄・八重山についても、本朝時点で警戒度を引き上げる材料は確認していません。 気象庁データ

一方で宇宙天気は昨日より活発化しているため、電離層・地磁気についてはデータ上の変化として記録します。

今日のポイントは「地震活動に大きな変化なし。ただし地磁気環境には変化あり」。

この2つを混同しないことが重要です。


Earth Compass評価基準

通常:通常範囲の地震・地殻活動
注意:活動増加、大地震後の継続活動、注視すべき地殻変動
警戒:複数の独立した観測系で通常と異なる変化
高警戒:公的機関の臨時情報などを伴う明確な異常状態

Earth Compassは地震を「予知」するものではありません。

地震活動、GNSS、海底観測、地殻変動、スロースリップ、宇宙天気などの公開データを横断し、

「現在の状態が通常状態からどれだけ離れているか」

を見るためのリスクモニタリングです。

データ出典・参考資料

気象庁「南海トラフ地震関連解説情報」2026年8月7日 気象庁データ
気象庁「2026年7月の九州地方の地震活動」 気象庁
気象庁「地震リスト・過去30日間」 気象庁データ
国土地理院「令和8年6月の地殻変動」 国土地理院
国土地理院「日本列島の地殻変動」 国土地理院
石垣島地方気象台 気象庁データ
NICT 宇宙天気予報 宇宙天気予報

Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

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