Earth Compass

熊本地震で被災された皆さまへ

このたびの地震により被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

不安な時間を過ごされている方、ご家族や大切な方を案じている方々が、一日も早く安心して日常を取り戻せることを願っています。

どうかご自身と周りの方の安全を第一に、無理をなさらずお過ごしください。

被災地の一日も早い復旧・復興と、皆さまの平穏な暮らしが戻ることを心よりお祈り申し上げます。

Daily Earth Risk Report

2026年7月31日(金)08:00 JST時点

本レポートは地震予知ではありません。
気象庁、国土地理院、NICTなど専門機関の公開情報を統合し、現在の観測状況を防災上のリスクとして整理したものです。「通常」は安全宣言ではなく、短期的な異常を示す確立した情報が確認されていない状態を表します。

本日の総合判定

🟡 日本全国:注意

🔴 熊本・九州中部:高警戒

Earth Score:71 / 100
前日:72 → 本日:71(−1)
評価確度:高

7月28日の熊本県熊本地方M7.1・最大震度7の発生後、熊本県熊本地方から天草・芦北地方にかけて、依然として強い地震を含む活動が続いています。

7月29日22時19分には熊本県天草・芦北地方でM5.8、最大震度5弱、7月30日22時47分にも熊本県熊本地方でM4.8、最大震度4の地震が観測されました。活動は収束したとは判断できず、熊本・九州中部の「高警戒」を維持します。Japan Meteorological Agency

一方、熊本地震を理由として、南海トラフ、首都圏、沖縄・八重山の短期リスクを引き上げる公式情報は確認されていません。

※Earth ScoreはEarth Compass独自の比較指標で、公的機関の公式指数ではありません。


Earth Delta|前日からの変化

項目前日からの変化本日判定
熊本・九州中部M4.8・最大震度4が発生🔴 高警戒
天草・芦北地方M5.8・震度5弱後の活動を継続監視🔴 高警戒
九州広域活発な地震活動が継続🟠 警戒
日本全国全国的な新規大異常は確認されず🟡 注意
南海トラフ新たな臨時情報なし🟢 通常
首都圏新たな短期異常なし🟢 通常
沖縄・八重山宮古島近海M3.4・震度1、顕著な変化なし🟢 通常
熊本の地殻変動SAR・精密解析を継続🔴 顕著
地磁気静穏🟢
電離圏乱れた状態⚪ 地震判定には不使用

地域別リスク評価

地域判定前日比主な根拠
日本全国🟡 注意熊本の活発な活動を全国情報として注視
熊本・九州中部🔴 高警戒M7.1後も震度4~5弱を伴う地震が継続
九州広域🟠 警戒熊本地方から天草・芦北地方に活動域が広がる
南海トラフ🟢 通常特段の変化を示す公式評価なし
首都圏🟢 通常新たな広域地震・地殻変動異常なし
東北・三陸沖🟡 注意岩手県沖などの地震後活動を継続監視
沖縄・八重山🟢 通常八重山周辺で警戒を引き上げる情報なし

1.熊本・九州中部

🔴 高警戒

7月28日の本震後も、熊本県熊本地方と天草・芦北地方では、比較的規模の大きい地震が発生しています。

主な続発地震は次のとおりです。

  • 7月28日16時27分:熊本県熊本地方、M7.1、最大震度7
  • 7月28日17時08分:熊本県天草・芦北地方、M6.1、最大震度5弱
  • 7月29日22時19分:熊本県天草・芦北地方、M5.8、最大震度5弱
  • 7月30日22時47分:熊本県熊本地方、M4.8、最大震度4 Japan Meteorological Agency

気象庁は今回の活動について、活動域が広範囲に広がっており、地震の場所や規模によっては強い揺れとなる可能性があるとして、揺れの強かった地域では約1週間程度、強い地震への注意を呼びかけています。Japan Meteorological Agency

本日の評価

地震の回数が次第に減っていても、M5級以上や局地的な強い揺れが再発しているため、安定した減衰局面とはまだ評価できません。

今後は特に次を確認します。

  • M5以上の地震が再び発生するか
  • 最大震度5弱以上が繰り返されるか
  • 活動域が阿蘇、大分、鹿児島、日向灘方向へ広がるか
  • 熊本地方と天草・芦北地方のどちらに活動が集中するか
  • 余効変動や斜面変状が拡大するか

2.地殻変動|GEONET・衛星SAR

🔴 熊本周辺で顕著

国土地理院は、熊本地震に伴い電子基準点「千丁」で北東方向へ約84cmなど、大きな地震時地殻変動を観測しました。GSI Japan

その後の精密解析と「だいち2号」によるSAR解析では、日奈久断層帯周辺で広範囲の地表変動が確認されています。日奈久断層帯北西部では最大約50cm、南東部では最大約10cmの衛星に近づく方向の変動が解析されています。GSI Japan

解釈

これは主として、7月28日にすでに発生した断層運動の結果です。

  • 大きな地殻変動=次の大地震の前兆、ではありません
  • 断層の位置、滑り量、活動範囲を把握するための重要データです
  • 今後観測される余効変動は、地下の応力調整を調べる資料になります
  • 速報値や断層モデルは今後修正される可能性があります

3.南海トラフ

🟢 短期判定:通常

🔴 長期背景:非常に高い

気象庁が7月7日に公表した最新の定例評価では、南海トラフ沿いで大規模地震の発生可能性が、平常時より相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。Japan Meteorological Agency

熊本地震後も、南海トラフ地震臨時情報は発表されていません。

今回の熊本地震は主に内陸活断層の活動であり、南海トラフのプレート境界地震とは発生機構が異なります。そのため、Earth Compassでは熊本の活動を南海トラフの短期スコアに直接加点しません。

ただし、南海トラフは平常時でも長期的な切迫性が高いと評価されているため、短期判定が「通常」であっても継続的な備えが必要です。Japan Meteorological Agency


4.首都圏

🟢 通常

熊本地震によって、首都圏の短期的な地震発生リスクが上昇したとする専門機関の評価は確認されていません。

遠方の大地震による揺れや地震波が観測されたことと、その地域で別の大地震が近づいていることは同じではありません。

首都圏については今後も、

  • 茨城県南部・千葉県北西部などの地震活動
  • 相模トラフ周辺
  • 伊豆・小笠原周辺
  • GEONETの非定常地殻変動

を独立して評価します。


5.沖縄・八重山

🟢 通常

7月31日4時59分に宮古島近海でM3.4、最大震度1の地震が観測されましたが、小規模であり、沖縄・八重山の判定を引き上げる材料ではありません。Japan Meteorological Agency

石垣島、与那国島、西表島周辺についても、短期的な警戒を引き上げる公式情報は確認されていません。

海上・リーフ外での行動

八重山の判定が「通常」であっても、海では次の基準を優先してください。

  • 強い揺れを感じた
  • 弱くても長い揺れが続いた
  • 海面が急に引いた、または異常に上昇した
  • 津波警報・注意報が発表された

この場合は、スマートフォンで情報を探し続けず、海から離れて高台へ避難してください。


6.東北・三陸沖

🟡 注意

7月31日1時20分に岩手県沖でM4.0、最大震度1の地震が観測されています。単独では大きな異常ではありませんが、6月25日の岩手県沖M7.2後の地域であるため、継続して「注意」とします。Japan Meteorological Agency

本日の判定は熊本地震との連動を示すものではなく、東北・三陸沖固有の地震後活動に基づく評価です。


7.海底観測

🟢 新たな広域警戒情報なし

S-net、DONET、N-net、GNSS-Aは、日本海溝、南海トラフ、日向灘などの地震・津波監視に重要な観測網です。

現時点で、熊本地震を契機として、

  • 南海トラフ
  • 日向灘
  • 琉球海溝
  • 日本海溝

の短期リスクを引き上げる海底観測由来の公式情報は確認されていません。

Earth Compassでは、生の波形や個別観測点の変化を独自に「地震前兆」と認定せず、気象庁、防災科研、海上保安庁などの公式評価を優先します。


8.太陽活動・地磁気

地磁気:🟢 静穏

地震評価への加点:なし

NICTの最新情報では、地磁気活動は静穏で、今後数日間も静穏な状態が予想されています。Space Weather Forecast

太陽活動や地磁気活動は、衛星通信、短波通信、GNSS測位などに影響する可能性があります。

しかし、太陽フレアや地磁気変動を用いて、地震の日時・場所・規模を実用的に予測する方法は科学的に確立されていません。

熊本地震との因果関係を示す公式な科学的根拠もないため、Earth Scoreには加点しません。


9.電離層・TEC

⚪ 乱れた状態

地震リスク指標としては研究段階

NICTは、電離圏が乱れた状態だったとしています。Space Weather Forecast

ただし、電離圏は次のような要因でも変化します。

  • 太陽放射
  • 地磁気活動
  • 大気波動
  • 季節・時刻
  • 気象現象
  • 赤道電離異常

したがって、今回の電離圏の乱れを熊本地震や今後の地震と結び付けることはできません。

Earth Compassでは、

電離層異常は観測情報として掲載するが、単独では地震リスク判定を変更しない

という方針を維持します。


前日との比較

指標7月30日7月31日
日本全国🟡 注意🟡 注意
熊本・九州中部🔴 高警戒🔴 高警戒
九州広域🟠 警戒🟠 警戒
南海トラフ🟢 通常🟢 通常
首都圏🟢 通常🟢 通常
東北・三陸沖🟡 注意🟡 注意
沖縄・八重山🟢 通常🟢 通常
熊本最大規模M4級中心M4.8・震度4
地磁気やや活発予想静穏
電離圏静穏乱れ
Earth Score7271

スコアが1ポイント低下したのは、全国規模の新たな異常が確認されていないためです。ただし、熊本周辺の高警戒を解除できる状況ではありません。


今日の防災コメント

熊本・九州中部

地震発生から数日が経過しても、震度4~5弱を伴う地震が続いています。

  • 損傷した建物、石垣、ブロック塀に近づかない
  • 屋根瓦や外壁の落下範囲に入らない
  • 崖や急傾斜地から距離を取る
  • 夜間は靴、ライト、スマートフォンを枕元に置く
  • ガス臭がある場合は火気・電気スイッチを使わない
  • 雨が降る場合は、通常より早めに土砂災害から避難する
  • 避難生活では熱中症、脱水、常用薬の不足に注意する

特に、一度強く揺れて損傷した建物や斜面は、その後の震度3~4程度の揺れでも被害が拡大することがあります。

沖縄・八重山

本日は、よく利用するビーチや港から最寄りの高台までの移動経路を再確認してください。リーフ外では単独行動を避け、同行者と津波時の帰岸基準を共有しておくことが重要です。


Earth Compass総括

熊本・九州中部では、M7.1後もM5.8・震度5弱、M4.8・震度4などの地震が続いており、「高警戒」を維持します。

  • 日本全国:🟡 注意
  • 熊本・九州中部:🔴 高警戒
  • 九州広域:🟠 警戒
  • 東北・三陸沖:🟡 注意
  • 南海トラフ:🟢 通常
  • 首都圏:🟢 通常
  • 沖縄・八重山:🟢 通常
  • 地磁気:静穏
  • 電離圏:乱れた状態だが、地震予測への利用は未確立

本日最も重視すべきデータは、電離層や太陽活動ではなく、熊本周辺で実際に続いている地震活動と、国土地理院が解析している断層運動・地殻変動です。

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予知ではなく、確かな観測から。

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